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自己紹介―小説が読めなくなった元・小説家志望

初めまして、花苑と申します。フリーのシナリオライターです。

かつて私は小説家を目指していましたが、ある出来事をきっかけに小説がほとんど読めなくなってしまいました。毎週のように図書館で何冊も本を借りて読んでいたのが、月に一冊読むのが精いっぱい(※)。この傾向は十年以上経った今も(少し改善されてはいますが)続いています。
新書や論文、エッセイ、漫画などは読めるのですが、小説だけがなぜか読めない。不思議な現象だと思います。
これにより、小説は万能だと思っていた自分の信念が揺らぎました。

※ ちなみに自分は、こうした状況の改善にオーディオブックが役立ちました。本で読むのはしんどくても、オーディオブックならかつてとあまり変わらない速度で「読めて」います。同じ症状でお悩みの方のご参考になれば。

小説が読めない状況でも、私は小説家になることを諦められず、書く試みを続けました。「小説を読めなくなった私でも、感動できる物語が作りたい」。その一心でした。
しかし、そもそも「なにがいい文章なのか」が自分の心でわからなくなっていた自分には苦行のような行為でした。
解決策を見つけられずに、時は過ぎていきました。

そして、私はゲームにハマりました。

ゲームの中では、あんなに難しくなっていた「物語を楽しむ」ことがすんなりとできました。
きっと、「主人公として行動する」ことで自然と自分の立場や役割を忘れられたのでしょう。何も知らない子供のように振る舞うことができたのでしょう。

結果、私の心には何かを感じる「余地」が生まれました。

この年、拙作『魔王を倒さなくたって失うものは何もない』が集英社のマンガMeeタテヨミネーム賞銅賞を受賞しました。
「まだ終わらせちゃいけない」
そう確信できる出来事でした。

人に「体験」を与えるってすごいことなんだな。

この思いはそのまま私の創作活動の原動力にもなりました。
体験によって心を動かす創作なら、私は過去の自分だって救えるかもしれない。

こうした理由から、現在はゲームのシナリオや漫画原作に注力した活動をしています。

長い話を最後までお聞きいただき、ありがとうございました。
お仕事の依頼もお待ちしております。

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