【読書】「永遠 きみとぼくとのあいだに」ZARD(著)

ZARD（ザード）は、日本の女性歌手・坂井泉水を中心に結成された音楽ユニット。1991年の「Good-bye My Loneliness」でデビューし、2007年までの音楽シーンを駆け抜けた。CDの総売上枚数は3,763.3万枚（シングル1,773.3万枚、アルバム1,990.0万枚）。1990年代に限れば、安室奈美恵、松任谷由美、DREAMS COME TRUEよりも多くのCDが売れていた。


「坂井泉水」と聞くと、あの透明感のある歌声と端正な顔立ち、それからどこか憂いのある表情を思い浮かべる。一方プロデューサーである長戸大幸は、服装やメイクで手を加えることを求めなかった。「美しいからこそ、手を加えない」それがZARDのビジュアルの方向性だった。


私も幼い頃ZARDの曲を聴いて育った。特に、当時保育園の運動会で使われた「負けないで」やテレビアニメ「SLAM DUNK」のエンディングテーマ「マイ　フレンド」が馴染み深い。誰かを応援する時、なぜか押し付けがましさを全面に出す人もいるが、ZARDの詞にはそれがない。園児ながら、溌剌としたプレーが発揮できたのは、坂井さんの絶妙なワードセンスによるものだと感謝している（たしかかけっこで1位になると親からご褒美が貰える約束で、見事おもちゃをゲットしました）。


たとえ自分が昔よく聴いていた曲でも、何十年という月日を経て久々に聴き返してみると、まるで初めて聴くかのような新鮮さに包まれることがある。詞やメロディは変わっていない。ただ歳を重ねた自分がそこにいるだけだ。


そしてかつて親しんだ曲は、必ず当時の思い出を連れてくる。楽しかったことや辛かったことがありありと思い出され、メロディのように流れていく。曲が自分の経験や記憶と結びついた時、それは自分だけの特別な一曲になる。


世の中では今も日々たくさん作品が生み出されている。自分自身の想いと深く共鳴する作品は、生涯大切にしたいものだ。

P.S.先日坂井さんのお墓参りに行き、これまで支えてくれたことへの感謝の気持ちを伝えてきた。

永遠と刻まれたお墓

また行きます。