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バンドマンは絶対1度はウルフヘアにする

世の中にはどうしようもないことがあると知った今日の午後。

面接の時に曇った眼鏡。

新しいパンプスの靴擦れ。

気持ちと言葉のちぐはぐ。

緊張した時の手の震え。

努力しても実らない結果。

分かってんだ、思い通りにいかないように作られているんでしょ。

男は女顔、女は男顔がモテること。

嫌いな奴に限って人生を謳歌すること。

バンドマンは1回はウルフヘアにすること。

定跡に沿って世の中は動いているのだなあと うーんと高い澄んだ淡青色の空を見て思った。

憧れのモデルはつくりものだった。

好きになってもどうしようもない人を好きになった。

前の席の子は第一志望を諦めて内部進学していった。

明るく可愛い受験番号4番のあの子は確実に受かると、心の中で思いながらグループ討論をした。

わたしには何も残らなかった。

辛くて泣いても朝はやってきて、目覚ましがなり腫れた顔を脱衣所で5分眺める。

お世辞で褒められてきた顔を洗う。

可愛くなりたくてアイロンを当てまくった髪は痛みきってしまった。

そういえば、彼はあの女の子と仲良くやってたのかな。

観覧車でしたキスを思い出す。

ファーストキスなのに容赦なく舌を入れてきたあいつが憎くて、可愛かった。

彼から好きをもらったのは指折りしかなかった。

手を握ってきた地下鉄、抱きしめられた歩道橋、30秒の別れの電話。

上手いこと作られてんなあと思う どうしてわたしは

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