見出し画像

「中道の政治」とはなにか。

おはようございます。今回は「中道の政治とはなにか」というテーマで話していきたいと思います。

ぶっちゃけ「私は中道です!」と名乗っている人のイメージって、あまり良くないですよね。Twitterのプロフィールに「右でも左でもなく中道」などと書いてる人を見ると、「ぶっちゃけ右か左かのどっちかだろ」と思う場面も多いと思います。

なんとなく今の日本には「極端はダメだな」「中立的な政治が望ましい」と感じていながらも、「でも中道って胡散臭い」「何かわからない」というのが現状ですよね。

そこで今回は僭越ながら、私が考える「中道」を提案させていただきたいと思います。

1.まず右翼・左翼とは

まず「右翼と左翼とはなんぞや」という事を定義して行きたいと思います。

いろいろ「保守的なのが右翼で、革新的なのが左翼だ」みたいな説明もありますが、言葉とは生き物なのであまり現状には則していないかなと。

今の日本で「右翼」と呼ばれる方々は、まず安全保障や外交、文化などのテーマにすごく関心が強いです。

一言で言ってしまえば、国家や共同体など、「集団の繁栄」を重視する人がとても多いように思います。

一方で「左翼」の方々はどうか。左翼の方々は憲法や民主主義、福祉などに関心が強い方が多い。

どちらかといえば国家や共同体の全体よりも、「個人」であったり「弱者」を重視する思考だと思います。

右翼は集団全体、左翼は個人や弱者をそれぞれ重視している。すごく簡単な定義ですが、割と実状に近いのではないでしょうか。

2.中道とは

さて、右翼の方々の「集団重視」、左翼の方々の「個人・弱者重視」というのは、どちらも必要なのです。

やっぱり国って、他の国に侵略されたり、経済が衰退して相対的にどんどん貧しくなれば、国民はすごく悲惨な目に遭いますよね。集団の繁栄を考える事はとても重要です。

一方で個人や弱者の事を考えるのも重要です。独裁国家のように個人の人権が無視されていれば、やはりとても苦しいですよね。

弱者を助ける事についても賛否が別れたりしますが、まぁ公共事業なども「富の再分配」の一種だと思えば、どんな貧乏な人でも無料でインフラを使えるのは重要ですよね。

このように、集団と個人・弱者、どちらも大切なのです。

人間が生きていくには、空気も水も必要ですよね、「いや空気の方が重要だ!」「いや水だろ!」なんて議論は、不毛としか言いようがありません。

そういう意味で、安全保障も経済もしっかり考える。一方で国内という秩序の中で、しっかり個人や弱者が尊重されているかを考える。どちらも重要だと思います。

3.思想史的な背景

ちょっと話がそれますが、世界の「政治思想」はどんな感じで推移しているのか、超ざっくりした説明を挟みたいと思います。

まず冷戦時代から、世界は「共産主義・社会主義」を掲げる東側と、「資本主義・自由主義」を掲げる西側に分かれていました。

そして結果から言うと西側が勝利しました。東側の共産主義・社会主義とは、ざっくり言うと「完全に平等」です。どれだけ働いて結果を出してももらえる富が変わらないので、誰も働かなくなりました。

一方で西側の資本主義・自由主義は、完全に自己責任であると。結果を生み出せば生み出しただけ自分のものになるし、何も生み出さなければ最悪餓死してしまうわけです。なのでみんな努力したと。

しかしこの資本主義・自由主義のも、トマ・ピケティなどが問題点を見つけ出します。金持ちが更に金持ちになっていくという点です。

最近、アメリカでは一部の富裕層が持つ富が、中間層が持つトータルの富を上回る自体になりました。つまり中間層の何十%の人々よりも、上位の数%の方々の富が多いわけですね。

やっぱりある程度の競争は必要だけど、ここまで貧富の差が開きすぎると、流石によくないですよね。貧困層にお金がないと消費が滞りますし、新しいビジネスを始める元手がなく、結局は経済全体の成長を阻害してしまいます。更に貧困層が思いつめて犯罪や暴動に走る事も起きますからね。

そこで今は「ある程度の貧富の差を認めて競争させる事も大事だけど、ある程度はお金持ちに課税して弱者に再分配する事も大事だよね」という、「社会自由主義」という考え方が生まれつつあります。

ここで「中道」の話に戻りますが、まさに東側のように、国そのものが崩壊してはいけない。一方で資本主義のように、極端に個人や弱者をないがしろにするやり方も、ガタが来始めているわけですね。

・まとめ

という事で、すごくシンプルなのですが、「集団としての繁栄」と「個人の尊重」、どちらも考えるのが中道だよ、という思想を提示させていただきたいと思います。

実際、今の「右翼」の方々は憲法や民主主義、福祉などにあまり関心が薄く、逆に「左翼」の方々は安全保障や経済に関心が薄いように思います。

やはり政治って総合力なんですよね。なるべく「広く深く」を意識して考えるべきではないかなと思います。


黒瀬の執筆活動は皆さんからのサポートに支えられています。ぜひともご協力よろしくお願いします。