就活でMBTIを使うときに
はじめに
皆さんはMBTIはご存知でしょうか?MBTIとは、世界的に知られる性格検査メソッドのことであり、とても精度が高いことで知られています。
個人的には、Twitterとかマッチングアプリとかでちょくちょく見かけることがあるなーというくらいで実際に周りにやっている人はいない印象でした。しかし、最近中国人の友人からMBTIは何かと聞かれたり、研究室でMBTIについての会話を友人としたりして、流行っているのだなと認識を改めました。
ちなみに中国では、初めましての会話の際にMBTIを聞くなんてこともあるそうで、それを元に仲良くできそうかも少し考えるらしいです。驚き!!
それはともかく私も診断してみましたが結果はENFJ-T(主人公型)とのこと。
ENFJ-Tの特徴を見ると、自分に当たっていると思う部分もありましたが、それは現在自分がそうありたいと振る舞っている自分の性格に当てはまっているだけで、本当の私とは少し違う性格なのではないかと思ったわけです。
つまりどういうことかと言うと、私はここ数年は積極的に人を遊びに誘ったり、イベント企画して多くの人と関わりを持ってきました。そういう部分がENFJとして現れただけではないか、と言うことです。
※ENFJは、社交的で共感力に優れており、人の感情やニーズに敏感に反応できる人間性を指します
そもそも人間のパーソナリティを16種類程度に分類できるわけがないので、性格診断の結果を100%の精度にすることは出来ません。それでも、もしこのMBTI結果を元に自己分析が正確に出来れば、自分を知ると言う難しい作業の簡単化になるのではないかと、元就活生の自分はふと思ったわけです。
前置きが長くなりましたが、この記事ではMBTIを用いて自己分析を行うときに気をつけることについて考えていこうと思います。
MBTIの問題
まず、個人的に考えるMBTIの問題についてですがこれは以下の3つあると思います。
性格は月日によって移り変わる可能性
診断結果に沿うように、自分の性格をそちらに寄せようと無意識に考えてしまう可能性
本来の自分、なりたい自分の理想像、どちらがその人の性格なのか
性格は月日によって移り変わる可能性
まず1つ目ですが、性格というものは歳を経るごとに多少なりとも変化していくと思うのです。勿論中高生の時、心配性・時間厳守・集団行動嫌い・論理性重視だった人が、楽観的・時間にルーズ・集団行動好き・感情重視になるなんてことはとても稀有だと思います。
しかし、集団行動嫌いと言う性格だけは反転する可能性とか普通にあると思うのです。
故に就活の時期にした性格の診断結果を元に自分の過去を考えたとき、仮にその人の性格が変わっていれば、過去の自分について誤った解釈をしてしまう可能性があると思います。
診断結果に沿うように、自分の性格をそちらに寄せようと無意識に考えてしまう可能性
MBTI診断はやってみると結構楽しいもので、ついつい自分のMBTIの性格の特徴を調べてしまったりすると思います。そしてネットの情報を読んで、自分はこういう性格なのだ感じてしまうこともあると思います。しかし、先にも述べましたが人の性格は16種類に分類できるほど単純なものではありません。
傾向は出せたとしても、自分のMBTIと対応するMBTIの特徴が全て一致する方が変な話です。故にMBTIの診断結果を過度に信用するのは避けて、自分の人生に集中するのが賢明でしょう。
又、MBTI最大のメリットはその人の基本的な長所や短所について言語化して教えてくれることです。自分に当てはまると思った長所や短所を呑み込んで、自分のこれからの振る舞いに生かすと言うのが理想的でしょう。
MBTIは性格診断ではありますが、その結果はあくまでその時点での性格診断結果です。性格を変えたいと思うのであれば、今の自分の性格を把握して、それから変えていけば良いだけの話だと思います。MBTIの診断に振り回されるのではなく、あくまで手段として使っていきたいですね。
本来の自分、なりたい自分の理想像、どちらがその人の性格なのか
最後にこの問題!私が一番大切だと思う命題です。MBTIにより診断される性格は、その人の本来の自分なのか、それとも理想像なのか、そもそも性格とはどちらを指す言葉なのか、と言う命題です。
私の結果を例に挙げて考えますが、私のMBTIはENFJ-Tと分類されました。まず、当てはまっている部分とそうでない部分をまとめると以下の通りです。
当てはまっている部分
責任感が強い
利他的
理想主義に陥りやすい
他者に共感しすぎる
敏感気質
他者の意見を積極的に聞いて受け入れる
努力が続かない
当てはまらない部分 or 判断が難しい部分
リーダーシップがある
社交的
他者を動かす力がある
非現実的な目標を抱きがち
私は、リーダーシップがある・社交的であるというENFJ最大の特徴を持っていないと考えています。ですが、最近の私は、社交的でありたいと思い、行動しているが為にENFJと言う結果になったのでしょう。
もし、私はENFJではないのであれば、本来の私の性格を捻じ曲げて過ごしているわけで、それは無意識のうちに自分にストレスを与えてしまっているのではないかと思いました。出来ることなら本当の私を知り、その上で理想の自分へと変わっていきたいです。
そこで中高生時代の私になりきって、性格診断を行ってみました。結果はINFP-T(仲介者)。先ほどと同じように当てはまる部分と、そうでない部分を列挙してみます。
当てはまっている部分
理想の実現のために行動できる
空想が趣味
不満を抱えやすい
親切
誠実
ネガティブ思考
当てはまらない部分 or 判断が難しい部分
想像力が豊か
軽率
受け身
結果は以上の通りで、結構当てはまっている。と言うか、そもそも列挙されている特徴が似ているのだと言うことが分かる。そしてINFJ-TからENFP-Tになった際になったとう言うことを文字に書き換えると以下のようになる。
内向的(I)→外交的(E)
ずっと直感型(N)
ずっと感情型(F)
判断型(J)→認知型(P)
ずっと神経型(T)
そして、この結果にはスッと納得が行きました。つまり、私は中高時代に比べてどちらかというと外交的になり、そして判断型から認知型になった。それ以外は変わっていないと言うことです。
※ちなみに、判断型は外からのデータに評価を行う一方で、知覚型はより自然で感覚的に、情報を受け取る傾向があることを示す
この比較結果から言えることとしては、「本来の性格」は直感型、感情型、神経型であり、「理想の自分」は外交的、認知型であると言うことなのでしょう。事実として、私はここ数年は外交的であろうと振る舞ってきましたし、他にも自分には数学的がセンスがないことを認め大学院進学を諦め、コミュニケーションの成長に時間を割いてきた自覚があるからです。
MBTIは変化を見るのが大事
この比較をするまではMBTIの結果が本来の性格か、なりたい自分の理想像なのかを判別するための道具だと思っていましたがそうではないのでしょう。つまり、MBTIは変化をみるのが大事であると言うことです。
本来の自分の性格も、理想の自分の性格に近づこうとすることも、どちらもその人の性格だと思います。
「実存は 本質に先立つ」
そう考えた方が明るくなれるじゃないですか?
最後に
就活では自己分析が大切だと言われますし、やってみるとそれは大変難しい作業であることが分かると思います。そう言う時は普通にMBTI診断をした後で、過去の自分になりきってもう一度診断をしてみてはどうでしょうか。
自分の性格の変化から、今まで自分が何を考えて行動してきたのかを考えるヒントになるかも知れません。
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