〖 春の風 〗

張る日の、よき風吹けば、よろ転び、
蕾花もひらく、命の彌榮。


働くことは側を楽させること

などと申しておるが、

その心洗ってよく確かめてみよ。

それは善の教えではないぞ。

楽の裏には苦があるぞ。

苦があるから楽を知るのぞ。

ウラクが楽であるぞ。

今の世の人は、

ボタンひとつで煮炊きできる楽も

わからんであろうがな。

水道ひねれば水が出る楽を

わからんであろうがな。

仏の教えや儒教の教えも

元は良かったのであるが、

取り次ぎがワヤにしておるぞ。

人を鈍かすものが働くではないぞ。

鈍れば楽もなくさるのざぞ。

苦をなくしてしまうやうな教えは

邪の教え。

☉(マコト)の教えは☉(基)の教え。

人の仕事奪って勝手な理屈申すやうな

今の世のあり方ではならん。

それでは世は立ち行かれんのぞ。

人と人とが手に手を取り合い

苦楽をともにするのが、

善の働きであるぞ。

皆に仕事与えて下されよ。

仕事とは喜びにまつろうこと。

喜びない仕事は誠の仕事ではないぞ。

神の仕事ではないぞ。

側らキが神の働きであるぞ。

キが元であると申したこと、

よくよく確かめて下されよ。

三月二十四の日ひつ九☉


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