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2021/07/28 映画大好きポンポさん

映画大好きポンポさんを観た。
最近見た映画で衝撃なアニメ映画はレヴュスタだったけど、ポンポさんは単純に「好み」な映画だったと感じました。
軽くレヴュスタの話をしますが、劇場版レヴュスタはTVシリーズの解答編だと思っているので、華恋の新しい面を提示したことや彼女らの進路といい、どちらかと言うと気付きの作品でした。

対して、リアルタイムに成長や努力のテーマをド真ん中に置いて、世界に0の状態で入って120の気持ちで帰ってこれたポンポさんは気持ちが良かった。すげえ劇場体験だったと思います。

まず。簡単なあらすじ。
天才映画プロデューサーのクソガキ「ポンポさん」と、彼女に目をつけられたアシスタントの「ジーン」という青年、同じく目をつけられたデビュー前の女優志望の「ナタリー」の3人がメインキャラクター。
ポンポさんがMeisterという映画の脚本を書き上げて、監督にジーン、主演女優にナタリーを指名してジーンやナタリーが映画作りに奮闘していく…みたいなストーリー。

日記、備忘録なのでガシガシ書いていきます。
知らね〜関東民は新宿EJで観てきて。

最初に思ったのは予告の際から「ポンポさんがきったぞー!」は印象的でしたが、そのセリフまわしが劇中でも繰り返し使われていて嬉しかったですね。

同じセリフ、掛け合いを何度も使う演出がよくてですね。「ポンポさんがきったぞー!」から始まり、携帯持ってなくて~、など印象に残るものが多かった。
そんな中、序盤の話を伏線にオチにガツンともってくるのが粋でしたね。
ラストの一言はジーンの底意地の悪さ、ポンポさんへ滲み出る好意みたいな部分を感じて、この映画のオチとして良かった〜。
いやー最後のセリフで、「ノンストップ、ノンストレスな90分」から解放されてしまった感覚がまじで気持ちよかった〜。

画面作りが凝っててよかったお話。
キャラの動きはもちろん、シーンの間の説明描写やそのカット割りもこだわってた。
キャラクターについて、輪郭や髪のフチの色に暖色寒色を入れて興奮や落ち着きなんかの心情や内面、ジーンから見たナタリーの姿など「一人称の印象」なんかにも使われててよかった〜
めっちゃ気持ちよかった〜〜〜〜〜〜。
この作品で恥ずかしながら知ったんですが、「点描」の多様さもよかった。
個人的には最初に台本を渡されて読む台本への没頭と時間経過をコーヒーの減り具合で表してるのが良かった。

台詞回し、ビジュアル面ときてますが、シナリオも常に快感を突いてきてて声上げそうになってた。
原作者が映画や映画づくりをする人に対してリスペクトを抱いていて、この映画でもその美しさを余すことなく描こうとしてるのが伝わってきた。

まず、外的要因が映画づくりへ干渉していないので誠実に物語が進んでいるのがポイント高い。
とくに良いものを作るための行動が作品の完成度へ直接反映されていっている点。
モノづくりを前向きに肯定していることにも通じていてとても軽快だった。

編集のしすぎで疲労困憊からの入院、こだわりすぎて納期をぶっちして出資元に断られる、なんかは全部「映画づくりへの情熱」が引き起こしていて、費やすことの肯定にもなってる。
ここらへんは「何かを起こすということは、それ以外を犠牲にする」にも通じていて、終盤のジーンにしか出せない狂気で進行していくのは気持ち悪くてよかったね…。
そして、ポンポさんの反応とニャカデミー賞の授賞式で、映画作りの過程を見たんだから完成度はわかるだろ? みたいな圧も心地良かったね。

この行動が結果を引きつけるのは、劇場追加要素のアラン周りの話にも適用されてて、これ映画オリジナルなのすげえ救いなんだよな。
ポンポさんが映画に愛された子とすれば、彼女に見出されたジーンとナタリーもいってしまえば「持っている者」なんだ。

そんなジーンたちと相反して、「現実に希望を見出せていないアラン」は「持たざる者」側のお話で、彼がジーンに触発されて何かを掴むという話は、何者でもない人への優しさでできている。

努力をすれば「それを見てくれる上司がいる」「肯定してくれる人間がこんなにも多くいる」そんな答えを出してくるプレゼンのシーンにはどうしても映画作りだけでない「何かへの情熱」の「救い」を見出してしまって泣いてしまった。
映画終わって調べたらアラン周りの話が「オリジナル要素」って聞いてさ〜、さらに泣いちゃったよね。

いや、しかもよ〜〜〜。アランを通してさ〜「映画は人生に夢や何かを与えてくれる」ってことをよ、このご時世に出されてきたらよ〜。

キャラクター紹介で書かれているミスティアの夢や料理しない性格ってこととか、ナタリーの祖母の話とか、ジーンの学生時代の話などのバックボーン的な話って多分どこかをのせられるんだけど、映画づくりやテーマに関係ないから全カットしてるの潔い。
ミスティアの話は見たかったかもしれないけど、先輩の女優としてのあり方を最後に示したので満足です、わたしは。

そんな要素を削ぎ落としても、アランの話を入れた映画はすごい挑戦もしてたんだな、となりますしね。
さきほども触れたけどオチの90分に繋がるように90分映画として納品されたのがこれなのが、嬉しいんですよね…。

Meisterの脚本を読んだ時の質問を自分に投げかけるとしたら、
1番好きなシーンは「インタビュー」ですかね…。
予告的な意味合いをもつアバンで一回、時系列順に進んでもう一回ありますが、
ジーンが作った15秒のPV同様にミスリードを誘われたんですよね。いや、インタビューがあんな使われ方するとは思わないだろ……。

序盤のシーンが伏線として回収されるのが、とても気持ちいい話は最初にしましたが、インタビューという映画が完成することの比喩を置いて、
劇中の指折りに要なシーン「ジーンの映画を作る理由」と「ポンポさんがジーンに映画を託した理由」とが重なるシーンがインタビューで、あの一瞬に集約してる感覚が気持ち良すぎて鳥肌すげかった。
これを序盤に見てたんだなとハッとさせられるのが好きでよ〜。

ふう、大体お話ししたのでもう満足。

ナタリーたむが可愛かったぜ。
水溜まりで遊ぶナタリー。
交通規制が可愛いナタリー。
撮影後の映画の花火。
撮影中の木の下で座る彼女のカット。
泥投げ合いしてる時のプット吹き出すナタリーの顔が素晴らしいんですよね。
エンドロールの、アカデミー賞を祖母へ見せるナタリーまで、わざわざありがとうございます…。

「まあ極論、映画って女優を魅力的に撮れればそれでOKでしょ」

いやー本当にその通りだと思います。
可愛かったぜ……。
あとそういう意味じゃ受付のお姉さんも可愛かったね…。

「夢を捨てるためにここまで来たんじゃない!夢を叶えるためにここに来たんだもん!」

このセリフのナタリーの決意は、自分にはない部分なので強く引っ張られた。
それは「映画のなかに自分を見つけること」にも通じるんですが、ええ、だから、才能もあって努力もできるナタリーに引き込まれるし、ずっと見ていたい気持ちになるんだよな。
これは私のキャラに惹かれる部分にも通じるんだけど、ない部分に希望を見出してしまう。
ちくしょー、悔しいけど好きだ、ナタリー・ウッドワード。

疲れてきたので書くのをやめます。
よかったね〜ポンポさんの映画と、ナタリー・ウッドワード。


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