不幸である

現状不幸である。
世間様から見れば、私は何不自由なく暮らすことが出来ているし、仕事もある。それに、その仕事も低賃金である訳でもなく残業も1時間と少し程度に収まっている。これ以上何を求めるというのか、と言われるであろう。
いやしかし、いやしかしだ。私の不幸感は私にしか分からない。たとえ、どれほどお偉い人が私に向かって「お前は甘んじている!」などと宣うものなら、私は「そんなこととうの昔に存じておりますが」と返してしまうだろう。
甘んじているのは本当に、本当に昔からわかっている。
だとしても不幸であることには変わりはない。
仕事だってつまらない。なんの為に大切でもない人間の先までわざわざ出向き、無茶苦茶な注文を付けられ、また別の客先へ向かうことの繰り返しをせねばならんのだ。金の為だと言われればそうであろう。しかしながら、その金の為に大切でもない、はっきり申し上げれば、私の人生に1ミリを意味をなさないエキストラにもならない人間たちの都合に振り回されねばならんのだ。私は疑問を呈することばかり上手くなってしまった故、今、こう申し上げている。この場からさっさと抜け出したいのだ。所詮はそんなものだ。たかだかそれだけの理由で不幸なのだ。そのたかだかそれだけの理由が大きくて仕方がないのだ。