需要と供給について

ジムに行くと1年半前にもいたトレーニングせずずーっと椅子に座ってる爺さんと婆さんがまだいた。何をしているんだろうか。
今日は需要と供給について簡単に話したい。いわゆる神の見えざる手によって、需要と供給のバランスは市場によって決められるという有名な話だ。そのような説は個人的には昨今のグローバル社会ではもう通用しない話だと思っている。
例として給料と労働力について話してみよう。市場は人手不足の時、従業員を募集するために給料が上がる、逆に労働力が飽和した時、給料は下がっていく。だから政府はそれを阻止するために、積極財政といって民間にお金を投資して需要を作り、仕事を作り、労働力が飽和しないようにして給料が上がるようにしている。というのがいわゆる財政政策なのだが、これは上手くいかない。
理由は二つ。グローバル社会であること、民間企業は営利企業であることだ。まず、グローバル社会というのは世界から日本に様々な労働力が流れ込んでくるし、世界的に市場は開かれているということだ。つまり、日本人の給料が上がりそうならば、海外から安い給料で働く外国人を雇えば良い。コンビニの外国人労働者とかはその典型例だ。だから、いくら政府が積極財政とかして仕事を増やしても外国人労働者で補えば日本人の給料は上がらないままだ。
次に民間は営利企業ということだが、人件費というものは費用の一つである。民間企業は利益を出すことが最大目的のため、売り上げを上げて費用を下げようとする。だから、人件費も抑えるようにしているから給料は上がらないのだ。つまり企業と労働者というのはそもそも目的は相反している関係である。そのために労働組合があったのだが今はもう力はない。
利益最大化が企業の目的だと言うが、勿論経営者は最初は世のため人のためになることがしたくて会社を作っている。だが、利益を出さなければ出資金を出している株主たちに配当金を支払えない。配当金というのは利益の中から出しているため、利益を増やせば増やすほど配当金も増えて出資金も増える。だから利益を出さざるを得ないのだ。儲かる仕事じゃないと会社が生きていけないというのは悲しいことだと思う。利益だけじゃない、理念があっての会社だというのは一部正しいが、理念だけでは会社はやっていけない。その理由はNPO法人が存在しているからも明らかなことだろう。
だから市場に任せていては永遠に給料は上がらない。給料を上げるためには政府が強引に上げるしかないだろう。その政策の一つとしては公務員の給料を上げるというのがあるが、今の公務員に関する国民感情からすると絶対に無理だ。地方と都市部の給料の差も地方に公務員宿舎を作り、インフラを培う土建屋さんを増やして地方に需要を作っていけば解消されたかもしれないが、もう手遅れだ。
今は国の仕事を民営化して政府はお金さえ配れば良いみたいな小さな政府の風潮があるが、それだと結局金持ちの人しか得せず我々みたいに一般人は苦労するだけだ。規制改革とか何ちゃら改革というのは基本的に改革を主張する人と一部の人が得するように誘導するための政策なので、それを謳う政治家というのは信用しない方が良いといのが自分の持論なのだが多分世間には受け入れられないだろう。公務員宿舎も家賃の市場コントロールと防災・危機管理のために必要だし、ありとあらゆる国の仕事は市場の暴走を止めるための防波堤としての役割があるのだが、それもここ30年の民営化で後戻りできない状況になった。今更再度国営化なんて国民が許さないし無駄だと思われるし不可能に近いだろう。何よりこの意見は少数派だから受け入れられない。
今は新自由主義が少し行き過ぎているのでもう少し国の権限を増やしてほしい。少なくとも労基と公正取引委員会と国税庁の権限と人を増やすだけで少しはマシになると思う。国の仕事は遅いし決まり事が多いし批判も多いが、民間が全て正しいわけではない。不祥事もあるし、何より働いている上で自分の会社のグレーゾーンを見逃してる人も多いのではないだろうか。
自分の意見は少数派だし受け入れられる人なんてあんまりいないというのもわかっている。これが完全に正しいとも思わない。だが、少数が故に、同じ意見の人がいれば嬉しいなと思い今回noteを書いた。明日からは仕事なのでまた頑張っていきたい。

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