叫び

おまえのいいたいこと、いいたくてもいえないこと、いってやるよ。

代わりに全部ぶちまけてやるよ。

でも、そのかわり、全部見とけよ。ちゃんと、目の前で起こること全部見とけよ。

お前が言わなかったことで、反対した人間の数はこの中のうち「ひとり」しか居なかったことになるんだからな。俺しかカウントされない。

数ってそういうことだぜ?多数決ってそういうことなんだぜ?分かってんだよな?奴らにとって、人数が変わらなければ、痛くも痒くもないのさ。

ひとりがどんなに叫んでも限界があるんだよ。でもな、2人で叫んだら1人よりは絶対に大きな声になるんだぜ?

つまり、分かりやすくいえば、目の前に不審者がいるのに、お前は「俺の代わりに叫んでくれ」って俺に頼んでるんだぜ。別に俺は構わねぇけど、それで、声が届かなくて助けが来なくても、恨みっこなしだぜ?お前は声を出さなかったんだからな。

お前は俺に命を任せたんだろうけど、誰もお前の命の保証なんてしない。残念だけどな。場合によって、俺はお前を置いて逃げるしな。お前の分まで叫ぶだけ叫んで。

それが嫌だったら、お前の責任でお前の口から叫べよ。俺にお前の分まで叫ばせて、お前はそこで笑ってていい。ただ、お前が笑いながら死んでも知らねぇけどな、俺は。

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