私たちは1分間に5リットルくらいの空気を肺に送り込んでいます。酸素の構成比は21%ですから、かなり単純化して考えると1分間に1リットル強の酸素が肺に入ります。酸素が体にいきわたるのはうれしいことですが、肺の酸素が血中に入るか、細胞に入るかは、肺に入った酸素量とイコールではないそうです。呼吸を減らすなどで、肺の次の段階で酸素を受け入れやすい体制を整えておくとよいですね。
子供がいる家庭では、子供に対して「早く寝なさい」と言うことがあるのではないでしょうか。大人と子供、高齢層では、必要な睡眠時間が異なります。しかも、個人差が大きい。そのなかでも子供は、睡眠時間が相対的に多い必要があるようです。大人がさっさと寝て、良い睡眠の結果、元気な毎日を送り「睡眠のおかげだよね」とつぶやいていれば、自然と子供のリテラシーも上がりそうです。
トーマス・エジソンが電球を発明してからというものの、夜でも明るさを確保できるようになり、文明の発達が加速する一因になったと思います。夜になっても活動がより盛んにできるようになったため、睡眠の重要性がないがしろになる側面もあったのではないでしょうか。エジソンのおかげで便利な生活が送られるようなったのですから、私たちは、自身の睡眠をはじめとした生活をコントロールする、健康リテラシーを高めたいものです。
空気を、肺にめいっぱい入れても、血中の酸素飽和度を上げることも、細胞に酸素を届ける内呼吸の効率を上げることもできません。むしろ下がることにつながるようです。肺に入る酸素を少数精鋭的に減らすことで、細胞が酸素を取り込む作用が、促進されます。まずは、呼吸数を減らします。そして可能であれば(少し苦しいので面白くないですが)呼吸の量も減らします。量を減らさなくても、呼吸数を減らすだけで十分ですし、ゆっくりとした呼吸は副交感神経系の腹側迷走神経を刺激し、リラックスにつながります。
体にたくさんの酸素をとりいれたほうが元気になれます。ならば、たくさん吸って吐けばよい、と考えがちですが、空気を、肺にめいっぱい入れても、血中の酸素飽和度を上げることも、細胞に酸素を届ける内呼吸の効率を上げることもできません。むしろ下がることにつながるようです。
日常的に睡眠時間が7時間を下回っていると、マイクロスリープが起きるとされています。睡眠障害国際分類によると、マイクロスリープとは、数分の1秒から30秒程度睡眠状態に陥ってしまう状態を指すようですので、自分ではほぼ気づかない、ということです。危険を伴う作業をしているときを考えると怖いです。病院の待合室や、電車に乗って座ったときなどに、目を閉じたらすぐ寝てしまう人は、これよりもさらに睡眠不足と言えるかもしれません。
私たちの体は、その外に対して半開放系です。口を閉じていても、鼻によって肺と外界がつながっています。口を開けて食べ物を摂れば、それは形を変えながら消化管をめぐり、小便や大便として外に出ます。さながら曲がりくねったホースです。毎日取り込む空気、食物、常時負荷がかかっている重力の受けかたや体の使いかたは、入れ物である体が健全に長持ちするかどうかに影響を与えます。
たとえば睡眠を戦略的に重要とした場合。朝の光を浴びてから14~16時間後に、松果体からメラトニンの分泌が始まって、手足の末梢部からの放熱が盛んになるので、自ずと起きる時間と光を浴びることを、重要視して考えるようになります。
ズッ、ズズッ、という風に、わりと頻繁に鼻をすする人がいます。ほぼ無意識なわけで、鼻水が鼻から出てくるのを阻止したいという神経が働いているのでしょう。鼻水は本来、鼻の中から咽頭を通り、食道~胃に向かって進んでいくのですが、鼻をすするということは、その機能の働きがいまひとつか、それを超える異常が起きているということかもしれません。鼻をしょっちゅうすすっている人は、口を開けて呼吸しています。
スタンフォード大学バスケ部で行われた調査があります。6時間台と8時間台の睡眠をしている体の状態を、身体能力で比較したものです。86メートル走では、8時間睡眠で0.7秒も記録が速くなったとのこと。フリースローの成功率は9ポイント上昇。普段6時間台の睡眠で優秀な人は、実はもっと優秀なのではないでしょうか。
ポッキーに代表される、細いスティック状のお菓子。これに似た形の脚は、すらっとしているので、いろんな服を着こなしたい人からあこがれに映ることがありそうです。脚についている筋肉は、回遊魚のような流線形に近いフォルムをしています。関節部分は細くなっているので、脚は自ずと相対的に太いところと細いところができます。よってスティック菓子のような脚は、筋肉が少ないと言えます。40歳を過ぎれば、だれでも筋肉は痩せてきますので、むしろ太いほうがいい!というくらいに刺激しておきたいものです。
呼吸法は、いろいろなやり方が紹介されています。4・4・8呼吸、4・7・8呼吸、5・5・5呼吸などです。いずれも数字が3つ並んでいるのは、吸う・吐く・止めるのいずれかが当てはまります。どれが良いの?目的によって違う?と迷ってしまいますが、ここで挙げた3種類に共通しているのは、ゆっくり呼吸するということです。つまりリラックスを促すものですので、好きなものを選んでよいと思います。慣れたら、1分間に3回の10・10呼吸(10秒で吸って、10秒で吐く)を5分ほどしてみましょう。
今の生活習慣で、調子も崩さずに概ね良い状態で毎日を過ごしていられる。これを意識しておくことは大切です。でも年を重ねるにつれて「今の生活習慣」も変化させていくことを考えていれば、あれおかしいな、こんなはずじゃないのに、といった思いとともに、体を大きく痛めなくて済みます。例えば毎日走っている人は、1日おきにしたり、距離を短くしたりなど、心身の良い状態を基準にして、「今の生活習慣」をアップデートしていきたいものです。
鼻づまりを治すエクササイズとして、以下のような手順が紹介されています。「鼻から静かに小さく息を吸い、静かに小さく吐く→鼻をつまんで息を止める→そのまま歩けるところまで歩く→呼吸再開時は静かな呼吸を行う→1分~2分待って、繰り返す(全6回) 目標80歩」つまり、呼吸の絶対量を減らすことで、毛細血管の拡張を促すということです。息を止めたあとそっと呼吸を再開すると、鼻の奥の道がパカッと開く感覚がわかるようになれば、もう上級者。
厚生労働健康局が提唱する、健康づくりのための睡眠指針2014の睡眠12箇条には、「良い睡眠は、生活習慣病予防につながります」とあります。良い眠りをとろうと意識すると、睡眠時間、就寝時間、起床時間、寝るまでの食事内容や時間、朝食の内容、カフェインやアルコール摂取の有無やタイミング、運動の量や質・・・を気にするようになります。こうして生活習慣が変わってくるわけです。余った時間で寝るのではなく、寝ることを起点に考えるのも、一興です。
怒りっぽい人は、その人自身のコンディションが良くないか、起こる対象への期待が大きく、現実とのギャップがあるか、その人の脳の器質的なものか、どれかのような気がします。前者の二つは、コントロールできそうです。例えば徹夜で睡眠不足になると、怒りの感情やストレスをつかさどる脳の偏桃体の反応が、160%になるという研究があります。まず寝ようや、という一歩引いた視点で眺めていたいものです。