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アイヌ施策推進法第4条 関連質問(山岡達丸)

 これまで国会で、アイヌに対するヘイトスピーチであり、デマであると承認されたものとして3つある。
 ひとつは、「民族としてのアイヌなんてもういない」。ふたつ目が「あ、犬」。もうひとつが「アイヌ新法が日本を分断する」「アイヌ新法が日本を解体する」という主張(頑張れ日本! 全国行動委員会主催「1.29 日本分断解体阻止! アイヌ新法絶対反対! 緊急国民行動」)だ。

質問:山岡達丸
答弁:菅義偉 内閣官房長官

○山岡達丸
 アイヌ新法も、報道も含めて今盛り上がっていますけれども、閣議決定され、そして、二〇二〇年には北海道白老町で民族共生象徴空間がオープンする。この全体の動きの中で、本当に大変よい方向になっているんだろうという中で、関係者も政府に大きな期待も寄せていますが、まずお伺いしなきゃいけないなというのは、一方で残念な動きもあります。アイヌの方々、アイヌの民族に対する、偏見を含むいわゆるヘイトデモのような動き。
 通常国会が始まりました、この初日になります一月二十八日ごろだったと思いますが、その日にも議員会館周辺で、そうした、拡声機を持って発言、発信をされている方がおられて、私も議員会館におりましたが、その内容も伝わってくるというような状況でありました。その主張に少し耳を傾けますと、いわゆる今政府が進めようとしていますアイヌ新法、これを進めると、日本の分断になるんだ、あるいは日本の解体につながるんだ、そんな趣旨のこともお話をされています。
 こうした声を上げることに私個人としても本当に残念でありますし、関係者は本当に心を痛めているものだと理解しています。先ほども、この内閣委員の方とお話しさせていただきましたけれども、やはりこういう方にきちんと寄り添った政治を進めていくことこそ民主主義の原則だというお話もしていただきながら、本当にこうした動きが残念でならないという思いであります。
 本日、また前回に引き続き、このアイヌ民族の政策全般を統括されている菅官房長官に質疑をさせていただきますが、まずお伺いしたいと思います。
 こうしたアイヌ新法、日本を分断する、解体につながる、そんなことがあるんでしょうか。私はそんな発想が生まれるのが不思議だし、そうした声が上がるのは本当に残念でありますが、官房長官はどのような認識をされておられるか、御見解を伺えればと思います。

○菅国務大臣 アイヌ政策について、政府としては、これまでもアイヌの方々を始めさまざまな立場の方々から課題、要望を幅広く伺ってきたところであります。さまざまな御意見があることは承知をいたしております。
 また一方で、平成二十年には、衆参両院において、アイヌ民族を先住民とすることを求める決議、これがなされており、両院の御決議を踏まえてアイヌ政策を展開していく、こうしたことが求められている、このように思っています。
 政府としては、アイヌの方々が民族としての名誉と尊厳を保持し、これを次世代に継承していくことは、多様な価値観が共生し、活力ある共生社会、その実現のために必要だというふうに考えております。
 今回国会に提出しております法律案に基づく未来志向のアイヌ政策を着実に実施することによって、全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会、ここをしっかり実現していきたい、このように思います。
○山岡委員 ちょっとお答えしにくい部分もあるかもしれませんが、アイヌ政策、このアイヌ新法を続けることによって日本が解体するとか分断になるとか、そうしたことについて、これはあり得るんでしょうか。
 このことについて一言、官房長官からお願いできますか。

○菅国務大臣 あり得ないと思います。

○山岡委員 ありがとうございます。
 政府として、今お答えいただきました共生社会をつくるために必要な法律だということの趣旨も含めてお話しいただきました。あり得ないということも、官房長官からお話しいただきました。
 本当にそのとおりだと思っておりまして、先ほど、お言葉の中で、いろいろな御意見があるということで、表現の自由のこともあるんだということは理解しながらも、非常に残念であるということと、あり得ないということの見解を官房長官と共有させていただきましたことには、本当に心強く思うところであります。

(第198回国会 衆議院 内閣委員会 第3号 2019年年3月6日)
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=119804889X00320190306&spkNum=167

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