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人生で初めてライブでダイブした話から、オーディエンスシップについて考えてみる。
人生で初めてライブでダイブした話。
ヘヴィメタルやハードコアなど、激しい音楽が10代の頃から好きです。
その手のジャンルのライブでは大体客席がオールスタンディング(座席が無い)で、オーディエンスが音楽にあわせて、
・モッシュ(体をぶつけ合う)
・サークルピット(ぐるぐる走って渦を作る)
・テコンダー(手足をぶん回す)
・ダイブ(観客の中に飛び込む)
・クラウドサーフィン(観客の上を流れる)
など、結構フィジカル的にハードなカルチャーがあります。
ステージに近いエリアほど激しいので、暴れたい時は前方へ、激しいのがきつい時やじっくり聴きたい時は後方で、みたいに立ち位置を考えたりします。
最前エリアにいるとダイブする人が上から降って来て、背の高い私は頭に直撃を喰らうとキツイ、けど盛り上がりはしたいので、最前より中間位でモッシュすることが多かったです。
運動神経に自信がある方でもないので、自分がダイブすることはそれまでなかったのですが、ある時、ヘイトブリードというアメリカのハードコアバンドの来日ライブを観に行って、
モッシュで盛り上がっている中、ふと、タンクトップ姿の屈強な外国人が前かがみの姿勢で自分に背中を向けていて、そしてその視線と目が合いました。
「お前、乗れよ。」
とその目は言っているようでした。
フロアの熱気の中、彼の肩に手をかけ、初めて人の海に飛び込みその上を流されていく。天井、自分の脚、ステージ、照明の明かり、人々の手。爆音の中で視界は目まぐるしく回り、気づけばセキュリティスタッフに抱えられ地面に着地。再びフロアに戻るのでした。
楽しい。
ライブの盛り上がりはアーティストだけが作っている訳ではない。
アグレッシブでカオスな雰囲気が好きか苦手かはともかく、間違いなく熱量は馬鹿みたいに高く、その熱量はアーティストのパフォーマンスからだけでは無くて、対するオーディエンスの反応とぶつかり合って生まれていると思います。オーディエンスの熱量が、アーティストの熱量をさらに引き出す。
「乗れよ」というあの時の彼の行動は、
「もっと盛り上がろう、バンドに観せてやろうぜ」
ってことだったんじゃないかな、と今思っていたりします。
オーディエンスシップとは
先週ですが、木下斉さんのVoicyにリスナーでありnote執筆者でもある林さんという方が出演されていました。
Voicyのパーソナリティであり、ご自身もnoteの執筆者である木下さんは、リスナーにもnote等で自身の考えなどを書いて発信することを推奨していて、多くのリスナーが#ジブン株式会社マガジンのハッシュタグで発信をしています。
林さんはそこから一歩進んで、#ジブン株式会社マガジンをnoteで発信しているリスナー同士の音声発信「ジブン株式会社RADIO」を企画されており、
その企画会議として木下さんと対談放送された中で、林さんが「オーディエンスシップ」という言葉を使われていました。
林さんは、セミナーや研修等の場において、「リスナーも含め、その場を盛り上げる、価値ある時間にすることの責任がある」という意味でオーディエンスシップという言葉を用いているということです。詳しくは林さんの記事を読んでみて下さい。
ハードコアのライブと、セミナーや研修。エンタメとビジネスという場は違えど、聴衆の在り方がその時間、空間の熱量や意義に大きな影響を及ぼしている、という点は共通していると感じて、
あの時の外国人の「乗れよ」という背中と視線を思い出していました。
ひと昔(ふた昔?)前まで、海外のアーティストの間では「日本のオーディエンスはおとなしい」という認識があったみたいです。今では変わって来ているようですが、ダイブという少し勇気のいる行動の後押しをしてライブを盛り上げていた彼の行動は、オーディエンスシップに溢れたものだったな、と。
いや、そんな乱暴な事と一緒にすんな、と言われるかもしれないけど笑
加えて、自分も日常の中で「反応を示す」ということの意味を、軽視していないだろうか、今一度考えるところです。
軽視、というよりも認識すらされていないのでは、と思うこともあります。
でも、相槌一つがより深い話を引き出すこともあれば、拍手一つがより心を揺さぶるパフォーマンスを引き出すこともある。
職場のコミュニケーションが意義深いものになれば、それは巡り巡って自分自身の収入にだって関わる事でしょう。
受信する側に立っていても、その在り方は周囲に影響を与えている。
自分は少しドライになりがちなので、良い反応を返すことを今一歩、やって行こうと思います。(返し方間違ってたらすみません。)
上記の木下さんの放送は有料会員向けのものですが、木下さんと林さんの対話のテンポ、内容ともに非常に楽しく意義深いものでした。ぜひ聞かれてみて下さい。
ジブン株式会社RADIOの企画も楽しみにしています。
ノースKでした。ありがとうございました!
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