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【PIT】航海日誌'23【04/13-04/23】

今回もPittsburgh Pirates(PIT)の試合を振り返ります、2回目は4月13日から4月23日に行われた3カード/11試合です。それでは前置きなしでさっそくいきましょう。

※日付は注釈がない限りは現地時間です。


◆◆ 試合結果 ◆◆

vs. STL
[04/13] ○ 5 - 0
[04/14] ● 0 - 3
[04/15] ○ 6 - 3
[04/16] ● 4 - 5
vs. COL】
[04/17
] ○ 14 - 3
[04/18] ○ 5 - 3
[04/19] ○ 14 - 3
vs. CIN
[04/20] ○ 4 - 3
[04/21] ○ 4 - 2
[04/22] ○ 2 - 1
[04/23] ○ 2 - 0

昨季は31.0ゲーム差を付けられた同地区のSTL戦は2勝2敗。3戦目は延長10回表にAndrew McCutchenの勝ち越しHRで勝利、逆に4戦目は延長10回裏にサヨナラ負けを喫するなど真っ向勝負が出来ています。

続く"打者天国"ことCoors Fieldで行われたCOL戦では3連勝する事が出来ました。3試合で合計33得点した事に目が行きますが、それよりも3試合連続で3失点に抑えた投手陣が素晴らしいですね。

そして、本拠地PNC Parkに戻って開幕シリーズは負け越した同地区のCIN4連戦でしたが、4連勝で見事に借りを返しました。17連戦の最後で全て2点差以内という難しい状況でしたが、(後述する通り)お見事な投手運用でした。

前回投稿した4/12終了時点で7勝5敗(勝率.583)でしたが、今回は7連勝もあり9勝2敗と大きく勝ち越し。16勝7敗(勝率.696)で地区首位に躍り出たばかりかNL最高勝率になってしまいました。


◆◆ ロスター関連 ◆◆

04/14
Chase De Jongが15日間IL入り
Robert Stephensonが15日間ILから復帰
Tyler Heinemanが3A級へoutright
Austin Hedgesが7日間ILから復帰

04/15
Ji-Man Choiが10日間IL入り
Tucupita Marcanoが3A級から昇格

04/16
Yohan Ramirezが3A級から昇格

04/23
Bryan Reynoldsが忌引リスト入り
Ji-Man Choiが60日間ILに切り替え
Drew Maggiが2A級から昇格

ロングリリーフのChase De Jongが腰、1B/DHのJi-Man Choiがアキレス腱を痛めてIL入りしました。Choiは4月14日に遡って60日間ILしたので最短で6月中旬の復帰。

De Jongは既に試合前に打者相手に投球しており復帰は近そうですが、他のリリーバーが好調なので扱いが難しいですね。マイナーオプションの残るWil Croweを3A級に落とすか、勿体ないですがDe JongをDFAするかの二択。

逆に、当初はセットアッパーを任せる筈が開幕IL入りしていたRobert Stephensonと、4月頭に脳震盪用の7日間IL入りしていた正CのAustin Hedgesが復帰しました。

3A級から呼ばれたUTのTucupita MarcanoとリリーバーのYohan Ramirezも合流後すぐに戦力になってくれましたし、この4人の働き無しに7連勝は無かったでしょう。


◆◆ ピックアップ① ◆◆

まだチームから正式発表はありませんが、4月23日の試合前にGMのBen Cheringtonが監督のDerek Sheltonと契約延長した事を明らかにしました。どうやら今季のスタートダッシュとは関係なく、ST期間中から交渉を始めたそうです。

今季が4年契約の最終年だったSheltonは過去3シーズン合計142勝242敗(勝率.370)と酷いものでしたが、再建真っ最中という事でお咎めなし。リーダーシップを評価される形となりました。

采配に関しては、昨季はクローザーのDavid Bednarを開幕から回跨ぎ連発するなど、我慢出来ずブルペンをフル稼働させる「投手運用の拙さ」がネックでしたが今季は改善が見られます。

それを感じたのが4月20日からのCIN戦で、1-2戦目に勝ちパターンのRobert StephensonColin Holderman→Bednarの継投で逃げ切ったものの、3戦目の先発Rich Hillが5.0回で降板。

「残り4.0回をどう凌ぐんだろう?」「3連投させるなら誰を選ぶんだろう?」と思いましたが、ブルペンの序列4-5番手のYohan RamirezDuane Underwood Jr.がそれぞれ2.0回ずつ投げるという力業で逃げ切りました。

おそらくもう一度「この2人で4.0回を無失点で凌げ」と言われても難しいでしょう、目先の1勝よりもシーズントータルを考えた決断ですよね。仮に逆転負けを喫しても文句無しです。

結果としてこの日我慢したおかげで、続く4戦目はHolderman→Bednarを投入して2点を守り切れましたし。選手だけでなく監督も確かな進歩を見られるのは良いですね。

ひょっとしたら監督として22年間で1769勝(PITでは11年間で851勝)を挙げた名将Jim Leyland以来の「Pittsburgh Piratesをリーグ優勝に導いた監督」になってくれるかもしれません。


◆◆ ピックアップ② ◆◆

4月23日に主砲のBryan Reynoldsが忌引リスト(Bereavement List)に登録されました、これは名前の通り(2親等以内の)身内に不幸があった際にチームを離れるためのもの。そのReynoldsに代わって昇格したのが、日本でも少し話題になったDrew Maggiです。

彼は10年ドラフトでPITから15巡目(全体447位)で指名されるも、2A級で壁に当たり15年3月にリリース。そこからLAA→LAD→CLE→MIN→PHIと渡り歩き、昨年8月に金銭トレードで古巣PITへ復帰していました。

今年のSTでは26試合に出場してAVG .344/HR 3/OPS 1.105と素晴らしい成績を残しながらもマイナー降格。3A級ではなく2A級へ配属された事で気落ちしたのかは分かりませんが、8試合でAVG .194/HR 0/OPS .468と全く打てていませんでした。本人も青天の霹靂だった事でしょう。

MIN在籍時の21年9月に3日間だけMLB初昇格を果たした事はあるものの、もし出場機会があればドラフト指名から13年目・33歳にして念願のMLBデビューとなりますが、残念ながら23日は接戦でMaggiの出場機会はありませんでした。

Reynoldsはすぐに戻ってくる予定なので、彼に残されたチャンスはおそらくあと1試合。Andrew McCutchenRich HillConnor Joeなどチームメイトも彼のキャリアを称えたりデビューを後押しするコメントを出しています。

いち野球ファンとして、彼がMLB出場して夢を叶えるところを是非とも観たいですが…果たして?


◆◆ スケジュール確認 ◆◆

次回はスケジュールの兼ね合いにより、通常より多い5カード/15試合となります。5カード全てNLC以外のチームとの対戦ですね。

まずはホームでLADと3連戦。昨季な何故か6試合で5勝1敗と得意にしましたが、果たして今回はどうなるでしょうか?その後はWashingtonへ移動してWSHとの3連戦を行います。

6連戦を終えて移動日を挟むと今度は9連戦がスタート、開幕から絶好調のTBとビジター3連戦を戦います。それが終わるとPittsburghへ戻ってTORCOLとそれぞれ3連戦ですね。

NL最高勝率とはいえコンテンダー3チームと“同格”だなんて口が裂けても言えません、まずは「3連敗しない」事です。その代わりに地区最下位に沈むWSH・COL相手からは出来るだけ稼ぎたいですね。

この期間を7勝8敗で凌いで、次回の航海日誌を23勝15敗(勝率.605)あたりで迎えたいところです。それでは(日本時間)5月12日にまた会いましょう。


【参考文献・関連動画】



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