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【PIT】2021年TDLを考える【7/30追記】

今日のテーマは、今月末に迫ったTDL(トレードデッドライン)についてです。

既に市場は動き始めており、6月末にTORがMIAからCorey DickersonAdam Cimberを獲得したのが第1弾と言えるでしょうかね。

また、後半戦がスタートするや否やATLがJoc PedersonStephen Vogtを立て続けに獲得しましたし。

多くの方がご存知かとは思いますが、我らがPITのスタンスは昨オフから継続して"100%売り手"となります。

今季の勝率は.400を大きく下回っており、来季についても「ロスターを整理すればワンチャンある」という状況でもありません。

今オフFAになる半年レンタルの選手はもちろん、まだ2-3年保有出来る選手も良いオファーがあれば断る理由は無いですね。

後者に関しては来オフや22年TDLまでキープすれば良いので、買い叩かれてまで売る義理はありませんが。

そんなこんなで今回は、この約2週間でトレード移籍する可能性がある選手達を紹介していきます。

主観は出来るだけ排除しているつもりですが、それでも多少は贔屓目が入っていると思います。ご容赦下さい。

載せている成績は日本時間で7/18終了時点のもので、今季中に移籍している選手は前所属も含めたトータルです。

また、野手の守備指標は今季最もイニング数の多いポジションです。捕手だけはUZRが無いのでDRSとなっています。


【C】しっかりと売りたい

昨オフに1年契約で加入した、やや変則的な投球フォームから5球種を投げ分けて打者を打ち取る左のスターター。

18年にCOLで176.0回を投げ、昨季も(60試合制で)59.2回とほぼ規定投球回をクリア。今季も開幕からローテをしっかり守っています。

被HRはやや多いものの、ここ数年増えていた与四球が大きく改善しているのが要因でしょうか。

全ての登板で5.0回以上投げているのが素晴らしいです。炎上してても投げ続けるので成績の見映えはそこまで良くありませんが。

「先発は補強したいけどエース級に大きな対価を払いたくない」というチームにはフィットしそう。

TDL直前情報
一度はPHIと合意するも相手がメディカルに引っ掛かり破談、同日にSEAと1対2のトレードが成立


マイナー契約で加入(一度FAになるも再契約)すると、5月中旬に昇格を果たしてその後はフル回転。

スピン量の多いファストボールと、決め球のスプリットがそれぞれ40%以上占める投球スタイルのリリーフ左腕ですね。

バリバリの勝ちパターンという訳ではありませんが、ここまで期待を上回る活躍を見せてくれています。

特に左打者に対してAVG.154/OPS.456と圧倒。47人の打者と対戦してヒットは6本のみで、長打は二塁打1本しか許していません。

「ブルペンの補強は不要!」というチームは少ないですし、大きな対価では無いにしろほぼ間違いなく売れるのでは?

TDL直前情報
特に情報無し


WSHから放出されマイナー契約で加入したUT。開幕早々に昇格して41試合に出場するもAVG.244/1HR/OPS.653で6月にDFAされていました。

しかし、故障者が続出して7月に再合流すると12試合でAVG.423/2HR/OPS1.247と大爆発。

代打で33度起用されてAVG.323/2HR/OPS.977と非常に強く、シーズン成績以上に頼りになる打者です。

守っても今季は3Bを中心に2B/SS/CF/RFでもスタメン出場しており、ベンチプレーヤーとして重宝しそう。

一度はDFAされているものの、最近の活躍で国際ボーナススロットくらいなら引き出せそう。

TDL直前情報
特に情報無し


開幕はCLEで迎えるもAVG.071/0HR/OPS.378と全く打てず、5月にDFAされて加入しました。

しかし、PIT移籍後に限れば46試合でAVG.252/6HR/OPS.761とキャリアベストのペースで打っています。

更に守備では外野3ポジションに加え、(17-18年に)合計2試合しか守っていない1Bでも出場。ベンチプレーヤーとして価値を上げました。

Difoと同様に対価はそれほど期待出来ないでしょうが、好調なうちにしっかり売りたいです。

TDL直前情報
特に情報無し


【B】対価次第では放出可能

TJ復帰2年目となる今季は開幕投手を任されるも、4月は4登板してERA6.32と打たれてそのままIL入り。

しかし、5月末に復帰すると6-7月は7先発でERA3.19と安定感のある投球を取り戻しています。

それどころかstatcast系のデータを見ると、Hard%とBarrel%がMLB上位20%以内に入るなど内容はキャリアベストなんですよね。

22年オフFA(1.5シーズン保有)なのでオフまで待つという選択肢もありますが、当然ここから成績が落ちるリスクもあります。

それなりの対価を貰えるのなら売りで良いと思いますが…シーズン成績で見ると良くないですし現実的には残留か?

TDL直前情報
他球団が関心を示しているという話はあるものの、具体的な情報は無し。


18年1月に至宝・Andrew McCutchenとのトレードで、Bryan Reynoldsと共に獲得したリリーバー。

18年に64登板・19年に52登板するも昨季は故障などで7登板止まりで、今季は復活を期すシーズンでした。

7月に入ってから4登板/3.1回/6失点と打たれて数字を落としたものの、セットアッパーとして起用されています。

投球の6割を占めるスライダーは驚異の平均3290回転で、TVゲームの様に真横へ大きく変化する魔球。四球が多いのもその変化量ゆえ?

「ブレークまであと一歩」感があるので魔改造に自信のあるチームは手を挙げて欲しいところ。あと2.5シーズン保有可能。 

TDL直前情報
TDLを前にまさかのDFA、他チームからのクレームもなくリリースで現在FA


18年にSFで先発としてERA5.09ながら二桁勝利を挙げた右腕が、19年途中のPIT加入を機にブルペンへ回り奮闘しています。

持ち味は何といってもスピン量で、ファストボールもカーブもMLB上位2%と最高クラス。

勝っている場面で投げる事もあれば、先発経験を活かしロングリリーフもこなせる使い勝手の良い投手ですね。

Crickと同じく2.5シーズン保有ですが、結果が出ている分こちらの方がトレードはまとまりやすいかも?

TDL直前情報
Adam Frazierのトレード成立時、Tyler Andersonらと共に次なるトレード候補の1人として名前が挙がるも続報は無し。


19年途中に投手陣から信頼を勝ち取り、昨季はゴールドグラブ賞のファイナリストに選出された遅咲きの守備型捕手。

19年は463.1回でDRS+14・20年は345.1回でDRS+7、そして今季も528.0回でDRS+12と高い水準で安定しています。

また、打撃も過去2シーズン連続でOPS.700超。今季はここまでキャリアベストで下位打線なら十分の数字。

今季だけでも既にサヨナラHRを2本放っており、勝負強さにも定評があります。

安価でまだ3.5シーズン保有出来るのも魅力で、対価次第では放出しても構わないと思います。

TDL直前情報
他球団が関心を示しているという話はあるものの、具体的な情報は無し。


【A】トレード市場の目玉

再建中という事もありSV数は少ないですが、開幕から素晴らしい投球を続けているクローザー。

ファストボールが投球の87.2%を占めており、時折スライダーを混ぜつつストライクゾーンにどんどん投げ込む投球スタイルです。

ただ、平均球速は93.1mphとMLB平均未満。確かにスピン量はMLB上位5%に入っていますがなかなか不思議な投手ですね。

18年のPIT移籍後に開花した遅咲きの為、まだ2.5シーズン保有出来る上に年俸も格安。

PIT在籍の3.5シーズンで194登板してERA2.87/FIP3.45と既に実績は十分ですし、GMもかなり強気な交渉が出来るでしょう。

TDL直前情報
TORやPHI・OAKなどが強い関心を持っているという報道有り。


昨季の大不振から立ち直り、前半戦にリーグ最多安打を放ってファン投票で初のAS出場を勝ち取りました。

空振りが非常に少ないコンタクトヒッターですが、それに加えて今季はヒット数も然る事ながら二塁打を量産しています。

一方の2B守備は今季指標は良くないものの、直近2シーズン連続でGGのファイナリストに選出されて折り紙付き。

19年からは2B/LFだけですが、それ以前はRFで44試合・CFでも14試合に出場した経験があり多くのチームにフィットするでしょう。

来季も保有出来る事を考えれば「TOP100圏外で傘下10位以内のプロスペクト」は引き出せるのでは?

TDL直前情報
 SDと1対3のトレードが成立、MLB公式ランキングで傘下5位のTucupita Marcanoがメインピースに。


【S】ほぼアンタッチャブル

19年にルーキーながら首位打者争いを演じたスイッチヒッターが、昨季の大不振を乗り越えてリーグを代表する打者へと成長しました。

一部で「今オフから調停が始まるから」という理由からトレード候補として挙げられていますが…

とりあえずその理由に関しては意味不明。まだ3.5シーズン保有出来ますし、年齢的にもこれから脂が乗ってくる時期です。

むしろチーム最年俸のGregory Polancoとの長期契約が満了するので契約延長を提示するタイミングでしょう。

ASにも初選出され、故障者の代替えではありますがスターティングメンバーにも名を連ねたチームの顔ですから。

ただ、その見込みが無いのであれば(実際に放出するかは別として)届いたオファーを見もせず払い除ける必要はありません。

それでも24年まで格安で雇えるスターの対価となれば「TOP100級のトッププロスペクト×2人+α」は最低条件だと思っています。

TDL直前情報
報道によると「再建の中心に据える」方針らしく、PITでは数少ないアンタッチャブルな存在に。


今回は以上の11選手を紹介しました。本当はもっと多くの候補がいたんですけどね。

Steven Braultは故障で開幕から未だにMLBで登板無し、ベテランのTrevor Cahillも現在60日ILに入っており今月中の復帰は絶望。

野手では主砲のColin Moranが相次ぐ故障で現在も離脱中で、RFを守るGregory Polancoも他チームが欲しがる様な成績ではありません。


あとはGMのBen Cheringtonがどんなプロスペクトをターゲットにするのかも注目ですね。

ここまでは低層のハイシーリングなプロスペクト達を多く獲得してきて、そこはかなり充実してきました。

先日のドラフトでも全体1位でHenry Davisを指名した上で、それ以降も評価の高い高校生を複数獲得しましたし。

そろそろ次の段階に移行して、MLB Readyもしくはデビュー済みのプロスペクトを狙う可能性もあるかなと。

Cherington体制になってからの動きはほぼ文句無しなので、今回も大いに期待しています。












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