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【PIT】エクステンションの可能性を探る

ここ数年のPittsburgh Pirates(PIT)は主力をトレードで放出しつつ、ドラフトの上位指名権を得てプロスペクトを集めていました。

先日解禁されたInternational FAでもランキング11位と12位の選手を獲得し、今年のドラフトでも全体4位の指名権を持っています。

そんな事もあり、現地でも「半年後にはMLB最高のマイナー組織になっている」と複数のアナリストが予想しています。

一方、昨年のTDLでAdam FrazierRichard Rodriguezを、ロックアウト直前にJacob Stallingsをした事でトレードはひと段落。

まだChris Stratton1年契約のFA組(転売要員)などは残っているものの、大きな対価を得られそうなベテラン・中堅はいなくなりました。

ここからは来るべきコンテンド(勝負モード)に向け、誰をトレードして誰とエクステンション(契約延長)するかが争点となります。

そんな訳で今回は、エクステンションの可能性がある3選手について考えてみようと思います。先に断っておきますがほぼ全て僕の妄想です。


【Bryan Reynolds】

一昨年の不振を乗り越え見事に復活、転換期のチームにあって突出した成績を残しています。間違いなく最も価値のある選手。

GGのファイナリストに選出されたCF守備は、DRS -5/UZR -5.3だけ見ると不可解ですがOAAは+9と優秀そのものでした。

まだ4シーズン保有出来ますが、25年オフというとおそらくコンテンドの真っ最中です。そのタイミングでチームの顔が流失するのは避けたいところ。

理想は「6年契約+クラブオプション2年」ですが、問題は彼がSuper Twoの対象である事。本来なら4年目オフに得る調停権を今オフに得ています。

PITの歴代最高額の契約はJason Kendallが2000年オフに結んだ6年$60M(オプション除く)で、更にReynoldsの今季年俸は$4.5Mと予想されています。

もちろん$60M縛りがある訳では無いでしょうが…「$4.5M+調停3シーズン+FA2シーズン」の買取をその額で纏めるのは容易ではないでしょう。

ここでAndrew McCutchen(Cutch)が12年に結んだ「6年+1年」の契約内容を振り返ってみましょう。※奇しくもReynoldsのトレード相手

2012】$0.5M
2013】$4.5M
2014】$7.3M
2015】$10.0M
2016】$13.0M
2017】$14.0M
2018】$14.8M

本当にただの偶然なんですが、まだ最低年俸の12年シーズンを除くと「初年度が$4.5Mの6年契約」になりました。13-18年の総額は$63.6Mとなります。

Reynoldsは(当時のCutchと違い)既に調停権を得ていますから同列には語れませんが、これくらいで纏められれば最高ですね。

もしエクステンションを断られる様であれば、既に活発なトレード話が更に加速する事になるでしょう。その際は搾り取れるだけ搾り取りましょう。


【Ke'Bryan Hayes】

実はデビュー前の20年春、Reynoldsらと並んでエクステンションの噂がありました。その後にSTが中止になり有耶無耶になってしまいましたが。

最大の持ち味はマイナー時代から「将来のゴールデングラバー」と評された3B守備で、昨季は僅か766.1回でDRS +16/UZR +6.0/OAA +13を稼ぎました。

一方で20年秋に24試合でAVG .376/OPS 1.124と鮮烈なMLBデビューを果たした打撃は昨季、開幕直後に2ヶ月離脱した事もあり96試合でAVG .257/OPS .689とさっぱり。

とはいえ、空振りやボール球に手を出す事は少なく打球速度も速いので、異様に低かった打球角度さえ修正出来れば問題ないと考えています。

Nolan ArenadoMatt Chapmanの様なスーパースターにはなれずとも、水準以上の打撃と最高レベルの3B守備を兼ね備えたレギュラーになってくれるでしょう。

昨季でさえ(ほぼ守備で)rWAR 2.4/fWAR 1.5を稼いでいますし、エクステンションをするなら堅実な選択肢と言えそうですね。


【Oneil Cruz】

6'7"/220lbs(204cm/100kg)という規格外の大型SSで、昨季最終シリーズでMLBデビューを果たした際には「MLB史上最も身長が高いSS」に。※スタメン起用された選手限定

昨季は2A級から3A級に昇格後に6試合で5HRを放つなど、以前より高く評価されていたパワーポテンシャルが開花の兆し有り。今季は20HR前後打つという予測もあります。

また、デビュー戦で放ったヒットは打球速度118.2mphを計測。118mph超を放った打者は直近7シーズンで20人しかいないそうで、正にロマンの塊ですね。

将来的にはSSからCF/RFへのコンバートが噂されますが、20-80スケ-ルで70評価の強肩を武器に大きなプラスを生みだしてくれるでしょう。

先日の投稿でも書きましたが、普通にいけば保有権を1年伸ばす為に(実力関係無く)開幕はマイナーで迎える事になります。

しかし、エクステンションに応じてくれれば年数を気にする必要がなくなる為、開幕からMLBで起用出来ます。これは本人にとっても魅力的でしょう。

Fernando Tatis Jr.Ronaldo Acuna Jr.がそうですがInternational FAで契約した南米出身の選手は早めのエクステンションに応じてくれる傾向があります。

実現する可能性は高くないかもしれませんが、成功時のリターン(の大きさ)を考えればこのタイミングでオファーして貰いたいところ。

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