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【PIT】Ke'Bryan Hayesとエクステンション

開幕戦当日に報道がありましたのでご存じの方が多いでしょうが、本日正式にPittsburgh Pirates(PIT)とKe'Bryan Hayesのエクステンションが発表されました。

御託を並べるよりもまず先に、彼が「このチームに残りたい」とオファーを受けてくれた事が単純に嬉しいです。特にデビュー前から注目されていた選手ですしね。

これまでPITが結んだ最も大きい契約は、00年にJason Kendallが結んだ6yr/$60Mという大変慎ましいものでした。

ちなみに余談ですが、最も大きいFA契約は14年に結んだFransisco Liriano3yr/$39Mとなっています。

今回Hayesが結んだ契約の内訳は…

2022】 (25) Pre-Arb → $10M
2023】 (26) Pre-Arb → $10M
2024】 (27)   Arb 1   → $7M
2025】 (28)   Arb 2   → $7M
2026】 (29)   Arb 3   → $7M
2027】 (30)     FA      → $7M
2028】 (31)     FA      → $8M
2029】 (32)     FA      → $8M
2030】 (33)     FA      → option$12M/buyout$6M

※ ( )は年齢

ベースは8年契約で9年目は$12Mのクラブオプションとなり、破棄した場合はバイアウト$6Mが発生します。つまり「8yr/$70M」もしくは「9yr/$76M」という形ですね。

どちらにせよフランチャイズレコードとなります。これによりFAイヤー4年を買い取り、25歳から33歳というアスリートして脂の乗り切った期間を丸々囲い込む事が出来ました。


特徴的なのはサラリーが右肩上がりではなく、本来なら(調停権取得前で)$0.7Mの今季・来季が最も高く設定されている事。

現時点でPITには、$1.5Mのクラブオプション付きのDaniel Vogelbachを除いて来季サラリーが確定している選手が1人もいません。

来季もまだコンテンドする予定では無く大きなFA契約を結ぶ可能性はほぼ0なので、今のうちに多く支払っておけるのは有難いんですよ。

そのおかげで勝負に転じる24-29年を安価な額に抑えられたので、なけなしの補強資金を他に回す事が出来ます。非常にチームライクな契約と言えますね。

金額的にはJose Ramirez(CLE)の様に再エクステンションも出来そうですし、再建に舵を取るなら“良コスパ案件”として大きな対価を引き出せそうです。


例えば今オフに1yr/$6Mで契約したJonathan Villarが昨季rWAR 1.7/fWAR 2.1、1yr/$10Mで契約したBrad MillerrWAR 0.4/fWAR 1.0を記録しています。サラリー$7-8Mの及第点がこの辺りだとしましょう。

昨季のHayesは開幕直後に長期離脱して96試合の出場に留まり、一部メディアから「期待外れ」と評されましたがそれでもrWAR 2.4/fWAR 1.5を稼ぎました。

マイナー時代から絶賛されていた3B守備はイニング数が足りずGGこそ逃したものの、僅か766.0回で3B最高のDRS +16を記録して本物である事は証明済み。

手首を痛めた影響か苦戦した打撃は20年の水準を求めるのは酷にしても、少なくともリーグ平均以上の打者にはなれるでしょう。

MVP候補に挙がる様なインパクトのあるシーズンは無くとも、マイナスを垂れ流す不本意なシーズンも無さそうな手堅い案件ですよね。少なくとも“不良債権”にはならないはず。


チームの顔であるBryan Reynoldsは昨オフにオファーをするも破断、今オフはオファーすらしていないのでエクステンションはほぼ絶望的です。

プロスペクト勢は別として他にエクステンションして欲しい主力選手も現状居ないので、今やれる事をしっかりやってくれたと思います。

会見でのコメントを見るにグラウンド外でも存在感を発揮している様ですし、再建の柱としてチームを牽引して貰いたいですね。

彼の父Charlie Hayesは息子と同じ3Bを守り、実働14シーズン(88-01年)で通算1379安打を放った元メジャーリーガー。

31歳となった96年にはPITと契約すると、夏にはトレードで(自身2度目の在籍となる)NYYへ移籍。そこで世界一に輝いています。

Ke'Bryanに期待するのは当然、PITでの世界一ですよ。彼の言う“a lot of young talent”と共に79年以来の栄冠をPittsburghの街にもたらして欲しいですね。

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