【PIT】航海日誌'24【7/19-7/31】
皆さま御機嫌いかがでしょうか?今回もTDLを買い手として過ごした“コンテンダー”の我らがPittsburgh Pirates(PIT)のシーズンを振り返ろうと思います。
今回はオールスターウィーク・ウィークエンドが終わり、勝負の後半戦がスタートした現地7月19日から7月31日までの4カード/12試合が対象となります。
◆◆ 試合結果 ◆◆
前半戦ラストのCWS戦でスイープして48勝48敗と勝率.500で折り返したPIT。後半戦は「地区首位の2チーム+ワイルドカード争い中の2チーム」という厳しい顔触れでしたが、7勝5敗と見事に勝ち越しました。
AS明け1試合目からNick Gonzalesがサヨナラ打を放って9回に逆転サヨナラ勝ちするなど接戦が多く、負け試合でもワンサイドゲームは無かったのが良かったと思います。
7月23日にワイルドカード3枠目とゲーム差無しに迫ると、7月29日にはSTLと並んで地区2位タイに浮上。現在は地区2位と1.0ゲーム差・ワイルドカード3枠目と2.5ゲーム差と少し離れましたが、まだまだ射程圏内です。
◆◆ 主な昇降格&移籍 ◆◆
Josh Flemingが今季2度目のDFAとなり、その後FAを選択して退団となりました。再昇格後はG 8/IP 12.1/ERA 1.46とパッと見の結果は良かったんですが…内容を見るとK 4/BB 5では確かに厳しいですね。
その4日後にはRyder RyanがDFAされています。今季開幕直後のブルペンはColin Holdermanが出遅れた上にDavid Bednarがボロボロでしたから、彼ら2人の活躍を非常に助かりました。それだけに仕方ない事ではありますが残念です。
7月26日から28日のAZ戦は忌引で戦列を離れたBryan Reynoldsを欠いた状態で戦いましたが、やはり彼がいる/いないで打線の見栄えが全く違いましたね。それに加えて2Bレギュラー最有力のNick Gonzalesが左足の故障で数週間の離脱となりました。
昨季26本塁打を放ったJack Suwinskiが2度目のマイナー落ちとなり、昇格後はハードヒットを連発していたJoshua Palaciosも左足の故障で10日間IL入りするなど、チーム内部を見ても前半戦からの“+α”になりそうな要素があまり見当たらない状況です。
それだけに派手さはないものの堅実にWARを稼いでいるスーパーUTのIsiah Kiner-Falefaと、逆にWARはそれほど高くないものの既に18本塁打含む37長打を放っている対応のBryan De La Cruzを2人獲得出来たのは良い動きと言えるでしょう。
◆◆ WARランキング ◆◆
意外にもガッツリWARを稼いだ選手はいませんでした。1位は全12試合に出場したのはOneil Cruz、52打席でAVG .250/OBP .308/SLG .583を記録しています。
投手ではやはりPaul Skenesが強いですね。これまでに比べると奪三振は控えめながら、IP 14.1/K 14/BB 3/HR 1と流石の仕上がり。なぜか2試合で0勝1敗なんですけどね。
今回はCの2人が打撃好調で、Joey BartがAVG .333/OBP .405/SLG .485・Yasmani GrandalがAVG .250/OBP .357/SLG .583と上々のスラッシュライン。Grandalは1Bに就いた試合もありました。
◆◆ ピックアップ① ◆◆
7月14日にNYYからリリースされていたJose Rojasとマイナー契約を結びました。21年にLAAでデビューして61試合で6本塁打を放った、いわゆる元“大谷の同僚”ですね。
23年にはKBOへ移籍してまずまずの成績を残すも1年限りでアメリカへ戻り、今季はNYY傘下3A級で67試合に出場して18本塁打をマーク。AVG .254/OBP .359/SLG .561と上々のスラッシュラインを記録していました。
PIT傘下3A級のIndianapolisには現在Seth Beer・Jake Lamb・Billy McKinneyと“1B/LF/RFを守る左打者”が沢山いるだけに昇格のハードルも低くはありません(高くもない)が、残る数カ月で何とかチャンスを掴んで欲しいですね。
◆◆ ピックアップ② ◆◆
昨オフに1yr/$4.0Mで契約したMichael A. Taylorの打撃が上向きになってきました。前半戦終了時点でAVG .203/OBP .258/SLG .279と酷いものでしたが、後半戦に入ってからはAVG .217/OBP .308SLG .522に。
前半戦に73試合で2本塁打に留まっていたのに、後半戦は9試合で既に2本塁打を放っていますからね。そもそも昨季はMINで23本塁打を記録しているのでパワーはあったんですが、ようやくその片鱗を見せてくれました。
ここまで持ち味のCF守備でDRS +10はリーグ2位・UZR +4.7はリーグ5位・OAA +8はリーグ4位を記録して、この打力でもfWAR +0.6/rWAR +1.2と一定の平均をしているのは「流石」のひと言。打撃が上向いてくるなら、シーズン終わってみれば普通にレギュラー合格点の水準まで持ってこれそうです。
◆◆ スケジュール&注目選手 ◆◆
厳しい日程はまだまだ続きます、8月前半はNLWの1位~3位の詰め合わせとなっています。現時点で全チームが勝率.530を超えている“格上”ですからね。
まぁ、LAD戦はともかくAZ戦とSD戦は貴重な「ワイルドカード争いをしている別地区所属チームとの直接対決」なので。どんな形でも勝ち越してゲーム差を縮めましょう。
さてさて、今回挙げるキーマンは新加入のJalen Beeksです。今年のTDLで唯一手を出した“レンタル案件”で、今季前半にCOLで記録した45登板・6ホールド・9セーブは既にキャリアベスト。
ここに来てColin HoldermanとDavid Bednarが長打を浴びる事が多くなってきました。疲労でしょうか?すぐに戻してきてくれるとは思いますが、それまではBeeksにブルペンを支えて欲しいです。その為に獲得した訳ですからね。
【参考文献・関連動画】