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【PIT】Kevin Newmanをトレード

現地11月18日はテンダー期限でした。Pittsburgh Pirates(PIT)は今季終盤に獲得したMiguel Andujarと調停を回避した上で、調停権を持つ残り6選手全員をテンダーしています。

しかし、発表から1時間も経たないうちにテンダーしたうちの1人であるKevin Newmanが、同地区CINへトレードされる事が決まりました。

Newmanは15年ドラフトで1巡目(全体19位)指名して入団、18年にMLBデビューを果たして翌19年にSSの定位置を確保した生え抜き選手。

19年以外は打撃で大苦労したものの、通算5シーズンで7度のサヨナラヒットを放ち“Mr. walk-off”と呼ばれるなど印象に残る活躍をしてくれました。

キャリア前半は苦手だったSS守備も、昨季はGG賞のファイナリストに選出されるなど改善。今季は2Bでも多くの出場機会を得ています。

これで4位ながら82勝79敗と(PITが最後に)勝ち越した18年シーズンを知る選手が居なくなる事に。これでチーム最古参は(19年デビューの)Mitch KellerBryan Reynoldsとなります。

かつての1巡目指名選手でありチーム最古参だったNewmanですが、上記のnoteで名前を挙げた通りこのオフに放出されるのは既定路線でした。

SSにスター性のあるOneil Cruzがいて、2Bは二桁HRを放ったRodolfo Castroがシーズン終盤に台頭。来季は更に出場機会が減る事は容易に想像できます。

まだコンテンドしていないスモールマーケットチームが、ベンチプレーヤーに$3.0M近く支払っても仕方ありません、UTであればHoy ParkDiego Castilloと一応候補はいますし。

終盤にMLBデビューを果たしたJi-hwan Baeも良いアピールをしており、トッププロスペクトのLiover PegueroNick Gonzalesも今季は2A級でプレーしました。

今季開幕時点の評価ではノンテンダーになる可能性も充分ありましたから、プチ復活してトレード出来ただけで充分でしょう。

対価はRule 5 Eligibleではない(ロスター外の)低層プロスペクトかと思いましたが、1対1で来季から戦力になりそうな若手投手を得ています。

現在26歳のDauri Moretaは昨季MLBデビューを果たし、今季はMLBで35登板しているドミニカ共和国出身のリリーフ右腕。

平均約96mphのフォーシーム&シンカーに、右投手用のスライダー・左投手用のチェンジアップという計4球種をそれぞれ20%以上投げ分けるのが特徴ですね。

IP 38.1/K 39/BB 13という数字はなかなか立派ですが、ERA 5.40/FIP 5.80とパフォーマンスとは裏腹に結果は残っていません。

原因は明らかで、このイニング数で二桁の被HRを許している事です。フライ系なのである程度は仕方ありませんが、Barrel% 12.4はMLB平均のほぼ倍。

本拠地がMLB有数のヒッターズパークであるCINからの移籍なので黙ってもペースは減るにしろ、根本から改善出来るかが活躍のキーになりそう。

来季のブルペンはDavid Bednarのクローザーは確定、Wil CroweColin Holdermanも故障さえ無ければ接戦での起用が想定されるものの…

それ以外は今季51登板のDuane Underwood Jr.や若いYerry De Los Santos、今季途中加入したYohan RamirezRobert Stephensonなど不確定要素が多いです。

まだマイナーオプションが2つ残っているMoretaの加入は、ブルペン編成に柔軟性を持たせてくれる事でしょう。

調停権を得るのが25年オフ・FAになるのが28年オフなので、開花させて数年後に転売すれば更に大きな対価を得られるはず。

やや地味な動きではありますが、うまく立ち回れた良いトレードだと思います。

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