見出し画像

【PIT】TDLでHILL&CHOIをトレード

日本時間で8月2日の深夜2:00頃、現地記者達が一斉にPittsburgh Pirates(PIT)のトレード成立を報じました。相手チームはSD、事前の噂では売り手に回ると思われていただけに意外でしたよね。

放出したのはどちらも昨オフに獲得したベテランのRich HillJi-Man Choi、獲得したのプロスペクトのJackson RivasEstuar Suero、そして若手のAlfonso Rivasです。

今回も先日成立したCarlos Santanaのトレードと同様に、獲得した選手達の紹介とトレードの雑感を書いていきます。



▶ 獲得選手紹介①

Jackson Wolfは21年ドラフトで4巡目(全体129位)指名を受けた左のスターター。MLB公式のプロスペクトランキングでSD傘下17位・Fangraphsでは傘下12位にランクインしていました。

ファストボールは平均89mph程度もスライダー・カーブ・チェンジアップを制球良く操る技巧派。今季は2A級で18先発/88.1回を消化してERA 4.08/FIP 3.87は“そこそこ”ですが、K/BB 4.77(105/22)が光ります。

7月22日に飛び級でMLB初昇格を果たすと、DET相手に5.0回3失点と試合を作り初勝利を飾りました。加入後は2A級に合流しましたが、おそらくすぐにMLBで先発機会を与えられるでしょう。


▶ 獲得選手紹介②

22年1月にINFAで契約したドミニカンのEstaur Sueroは、MLB公式だとSD傘下30位圏外ながらFangraphsでは傘下11位と非常に高い評価を受けている17歳のOF。

CFに留まれる高い身体能力を有するアスリートで、パワーポテンシャルもあるので6'5"/180lbsと長身痩躯な身体が大きくなるにつれて両打席で長打が打てる様になる事でしょう。

今季はAFLで35試合に出場して4HRを放っているものの、AVG .216/OBP .306/SLG .345とやや苦戦中。間違いなく時間はかかるでしょうが「ひょっとしたら化けるかも」と思わせてくれる選手です。


▶ 獲得選手紹介③

Alfonzo Rivasだけは他の2人と毛色が違い、21年にCHCでMLBデビューを果たし3シーズン通算127試合に出場した経験がある26歳です。

特に昨季はMLBで101試合に出場して1B守備はDRS +6と良かったものの、肝心の打撃がAVG .235/OBP .322/SLG .307と通用せず。オフにDFAされてSDとマイナー契約を結びました。

今季はMLBで8試合の出場に留まっていますが、3A級では58試合で.332/.462/.582と無双状態。SD傘下3A級のEl Pasoは本拠地が打者有利な球場として有名なので、ある程度差し引く必要はありますけど。

まとめると「パワーレスなものの高出塁率で1B守備の巧い左打者」という感じでしょうか、Ji-Man Choiの役割をそのまま引き継げそう。Carlos Santanaも放出した今は千載一遇のチャンスなので、是非とも掴み取って欲しいですね。


▶ トレード雑感

昨オフにFAで獲得したRich Hillとトレードで獲得したJi-Man Choiは、どちらも今オフFAになるレンタル案件でした。まずは昨オフの計画通りしっかり売れた事が良かったです。

Hillは119.0回を消化しているもののERA 4.76/FIP 4.45、Choiは復帰後は好調なもののシーズントータルではAVG .205/OBP .224/SLG .507とどちらもピリッとしない数字でしたしね。

受け取った対価は非常に分かりやすく、Hillと同じ先発左腕のJackson Wolfを、Choiと同じ左打ち1BのAlfonzo Rivasを獲得しています。現時点でこれという対抗馬も居ないので、おそらく空いたスポットにすぐ入る事になるでしょう。

残るEstuar Sueroはハイシーリングな上にRule 5 Draftの対象になるのが26年オフですから、焦ってロスター入りする必要がありません。Carlos Santanaの対価であるJhonny Severinoも同様ですからおそらく意図的でしょう。

今後も貯め込んだプロスペクト達が随時MLB昇格を果たす予定で、その度にロスター整理が必要となるため、ハッキリと“すぐ使える即戦力”か“完全な素材”かに振り切った印象です。

Wolfがバックエンドスターター・Rivasがプラトーン要員として1-2シーズン繋いで貰い、その間にSueroやSeverinoがプロスペクトとして本格化してくれれば理想的な流れです。


【参考文献】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?