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【PIT】今後の1Bについて考える

Pittsburgh Pirates(PIT)に関するアレコレを書いているこのnoteですが、今年は毎年恒例の企画モノ(航海日誌・プロスペクトランキング)や、速報系の記事(トレードやドラフト)ばかりでした。

その主な理由は春から初夏にかけてプロスペクトランキングの作成に追われてしまったせいなんですが…今回は久々に“普通の記事”です。何が普通なのかはよくわかりませんけど。


今季のPITはここまで明らかな「投高打低」で来ています。レギュラークラスでまともに打てているのはLFのBryan ReynoldsとSSのOneil Cruz、あとはギリギリでDHのAndrew McCutchenくらい。

そんな中であまり言及されませんが、地味に良くない状況なのが「1B」です。PITの1Bはここまで5.0イニングを除いて右打ちのConnor Joeと左打ちのRowdy Tellezの中堅2人が守っています。

それぞれの成績をまとめると

▶ Connor Joe
[Game] 96
[AVG] .239
[HR] 7
[OBP] .318
[SLG] .376
[wRC+] 95
[DRS] +2
[UZR] +1.1
[fWAR] +0.5
[rWAR] +0.7

▶ Rowdy Tellez
[Game] 97
[AVG] .252
[HR] 9
[OBP] .306
[SLG] .392
[wRC+] 93
[DRS] -3
[UZR] +2.3
[fWAR] -0.4
[rWAR] -0.1

Joeは開幕直後に・Tellezは中盤に爆発した時期があるのでイメージはそれほど悪くないものの、2人揃ってOPSは.700前後でwRC+は100を切っています。

一方でOneil Cruzの魔送球にも負けず守備でプラスを作っていますが、110試合以上を消化して合計のWARが微プラスではうまく行ってるとは言いがたいですよね。

TDLでクラブオプションも含めれば2.5年保有出来て、打力は保証されているTBのYandy Diazを獲得出来ていれば解決したんですけど。纏まらなかったものは仕方ありません。


それならマイナーからの供給に期待したいところですが、PIT傘下3A級のIndianapolis Indiansで今季1Bに就いた選手達を見てみると

● Jake Lamb
● Malcolm Nunez
● Matt Gorski
● Seth Beer
● Billy McKinney
● Jose Rojas

4AプレーヤーのJake LambSeth BeerBilly McKinneyJose Rojasか、プロスペクトとして期待されながら評価が上がり切らず停滞中のMalcom NunezMatt Gorskiという顔触れです。

もちろんここから大化けする可能性は無きにしも非ずですが、期待値としてはそれほど高くありません。せいぜい「うまく行けばJoeやTellezと同じくらいやれるかな?」というくらいです。

まぁ、とりあえず今季はJoeとTellezのツープラトンで凌いで、オフにそれなりのFA選手と契約しても良いんですが…今季のうちに試して欲しい選手がいます。2021年ドラフトの全体1位指名選手・Henry Davisです。


DavisはMLBデビューを果たした昨季に62試合でAVG .213/OBP .302/SLG .351・今季は29試合でAVG .153/OBP .267/SLG .235と、ここまではアジャストにやや苦戦している印象があります。

ただ、彼を擁護するのであれば22年に59試合で20死球を記録するなどマイナー時代は故障に苦しみ、なかなか打席数を消化出来ませんでした。MLBデビュー時点でマイナー通算518打席(現在でも738打席)しか立てていません。

もちろん「多ければ良い」という訳ではありませんが、ただでさえ捕手という打撃に割ける時間が少なくなりがちなポジションですからね。それでも下記の様な成績を残しているのは非凡な才能でしょう。

※ほんの少し前まで.300/.400/.500を超えて、wRC+は155だったんですけど。直近2日で数字を落としてやや見栄えが悪くなってしまいました

[Game] 45
[AVG] .296
[HR] 11
[OBP] .393
[SLG] .568
[wRC+] 145

※3A級の成績のみ


これまでは「捕手として定着すれば打撃で非常に大きなプラスを生める」「野手で使うなら超強肩を活かすためにRF」という事で、Davisはマイナーですら1試合も1Bを守っていません。

しかし、捕手はJoey Bartの獲得がチームにとって良い意味で大誤算でした。ここまで48試合/161打席ながらAVG .270/OBP .354/SLG .504wRC+ 138を記録。

ベテランのYasmani GrandalはこのオフにFAとなりますが、来季には捕手としてはDavisよりも評価の高い元トッププロスペクトのEndy Rodriguezが大怪我から復帰予定です。

Bartは27年オフまで保有出来ますし、Rodriguezも昨季MLBデビューを果たしたばかりなので、端的に言うと「我慢してDavisの捕手定着を待つ必要性が無くなりつつある」という事。

チームにとってRFは元々ウィークポイントではありましたが、TDLで今季前半戦で18本塁打を放ったBryan De La Cruzをトレードで獲得。補強を施したのでひとまずは様子見で、こちらも優先度はそこまで高くありません。

オフに入ってしまえばコンテンドしている手前、「実績のある選手をスルーして未知数のコンバートした若手に賭けてみます」とはならないでしょう。FAなりトレードなりで補強せざるを得ません。

マイナー(3A級)のシーズンも残り約1ヶ月半と少なくなっていますが、何とか今季中に実現させてMLBで爪痕を残して欲しいものです。個人的には素手でバットを握る打撃スタイルも相まってEvan Gattisの様な完成イメージを持っています。 ※Gattisは1BよりDHですが


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