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【PIT】Connor Joeの復帰
現地12月17日に前CLEのAustin Hedgesと契約したPittsburgh Pirates(PIT)ですが、翌12月18日にはCOLとトレードを成立させました。
以前にGMのBen Cheringtonが再建計画も折り返し地点を過ぎたという旨のコメントを出していた通り、このオフは非常に精力的に動いていますね。
獲得したのは30歳のConnoe Joeです、中国系アメリカ人でミドルネームは“Kok-Wy”。21年のインタビューでは幼いころはHideki MatsuiやIchiroに憧れていたと答えています。
彼は14年にCBA(全体39位)でPITから指名された選手。ちなみに1巡目(全体24位)はCole Tucker、2巡目(全体64位)はMitch Kellerですね。
まぁ、彼は17年8月にSean Rodriguezの出戻りトレードでATLへ移籍していますが、当時は2A級に所属していたので厳密に言えば“PITに復帰”では無いかもしれません。
※完全に余談ですが、Sean RodriguezはTB時代から大好きなプレーヤーでした。トレード翌日の復帰戦でサヨナラHRを放ったのはかなり興奮したものです。
Joeはその後もLAD→SF(MLBデビュー)→LADと渡り歩き、20年11月にマイナー契約でCOLへ移籍。これが転機となりました。
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['21] G 063┃AVG .285┃HR 8┃OPS .848
['22] G 111┃AVG .238┃HR 7┃OPS .697
COL出身の打者を獲得したとならば、真っ先にすべきは「ホーム・ビジターの成績を確認する事」ですよね。COLの本拠地Coors Fieldは標高1600mに位置し、“打者天国”と称される球場です。
昨季はホームがOPS 1.035・ビジターがOPS .723、今季はホームがOPS .747・ビジターがOPS .646なので、やはり彼も本拠地の恩恵は受けている様です。
とはいえ、21-22年合計でwRC+ 96とほぼ平均程度の水準ではあります。wRC+はパークファクターも考慮されていますから、"そこそこの打者"ではあると言えますね。
リーグ平均よりも四球を選べて、尚且つリーグ平均より三振は少ない辛抱強いアプローチが評価されてか、今季は主に1番打者として起用されていました。
続いて守備について。JoeがMLBで就いたポジションは1B/LF/RFですが、守備指標を見るとこの2シーズン合計で…
[1B] Inn 263.1┃DRS +5┃UZR +1.7┃OAA +1
[LF] Inn 613.2┃DRS +9┃UZR +9.4┃OAA -2
[RF] Inn 132.0┃DRS -5┃UZR -2.4┃OAA -4
となっています。DRS/UZRとOAAで乖離がありますが「主戦場のLFと時おり守る1Bは上手い。今季挑戦したRFは厳しい」という感じ。
ただ、今季のstatcastのデータだとSprint Speedは平均未満ですが、Arm strengthは上位15%に入る強肩の持ち主です。
本拠地PNC Parkは左中間が広く、逆に右中間は膨らみが無い事を考えると、RFで起用される可能性もありそう。 ※昨季Yoshi TsutsugoがLFではRFを守ったのもそのせい。
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来季のPITの陣容を考えると、OFは両打ちのBryan Reynoldsが(トレードが無ければ)確定。左打ちのJack Suwinskiも故障や大不振が無ければ開幕スタメンでしょう。
残る1枠を若手らで争いますがTucupita Marcano・Cal Mitchell・Ji-Hwan Baeは左打ち、右打ちだとMiguel Andujarくらいしか選択肢がありませんでした。
今季は右腕に対してOPS .671/wRC+ 81・左腕に対してOPS .744/wRC+ 98、通算でも右腕に対してOPS .715/wRC+ 89・左腕に対してOPS .759/wRC+ 99という結果を残しています。
バリバリのレギュラーというよりは、まずは左投手用のツープラトン要員としてスタートですね。Carlos Santanaと1B/DHをシェアするJi-Man Choiが左腕を苦手にしているので、1Bでの出場機会もあるでしょう。
何よりも魅力的なのはまだサービスタイムが1.136だという事。調停スタートが24年オフなので、来季だけでなく24年も最低年俸で保有出来ます。
今回対価として放出したのは現在23歳のNick Garcia。20年ドラフトで3巡目(全体79位)指名した、6'4"/215lbsとフレームの大きいスターター候補です。
投手に転向したのはCollegeからと投手歴は少ないものの、プロ2年目の今季はA+級でG 25/IP 113.0/ERA 3.66とまずまずの結果を残しています。
とはいえ、各媒体のプロスペクトランキングでも傘下30位圏外ですしマイナー組織を傷付けた訳ではありません。彼1人で成立させられたのは良かったと思います。
これでひとまず今オフの補強ポイントは最低限埋めた形ですね。あとは更なる上積みを狙ってFA補強やトレードを仕掛けるのか、まだ勝負する時期ではないだけにマイナー契約の招待選手に留まるのか。
もちろんReynoldsがトレードとなれば状況は一変しますが…彼はどうなんでしょうね。トレード要求こそしているものの、現時点で成立する気配はありません。
トレードが起こるとすれば、ReynoldsよりもJT BrubakerやDuane Underwood Jr.など投手陣の方が可能性が高い様に思えます。Cheringtonが打つ次の一手を楽しみに待ちましょう。
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