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【PIT】22-23年オフのトレード候補を挙げる

今回はPittsburgh Pirates(PIT)がこのオフにトレードする可能性がある選手達を挙げようと思います。

トレードはざっくり分けると「良い対価を得るために放出するもの」と「放出する事でロスターを健全化を図るもの」があります。

前者は21年1月に立て続けに成立したJameson TaillonをNYYへ、Joe MusgroveをSDへ放出して複数のプロスペクトを獲得したトレードが分かりやすいでしょう。

どちらも安価で複数シーズン保有出来たので無理に出す必要はありませんでしたが、NYYからはRoansy Contrerasを含む4選手、SDからはDavid Bednarを含む5選手を得る事が出来ました。

ただ、昨オフで主力の“売り”はひと段落。今季に関してはおそらくこの手のトレードが成立する可能性はそこまで高くないと考えています。

後者はロスター枠やサラリーの兼ね合いで放出しておきたいものの、DFAやノンテンダーするには…要はタダで出すには惜しい選手達です。

こちらに関しては放出する事がメインなので、対価に関してはそこまで期待しません。プロスペクトを貰うならRule 5 Eligibleではない方が望ましいですね。

ロスター外のプロスペクトを放出という可能性もありそうですが、そこまで広げると候補が多くなりすぎるので止めておきます。

そんな訳で今回は、今季MLBでそれなりに活躍した5選手に絞りました。スターターから順番に紹介していきましょう。


▶ JT Brubaker

[G] 28 [rWAR] 0.2 [fWAR] 1.9
[IP] 144.0 [ERA] 4.69 [FIP] 3.92
[K/9] 9.19 [BB/9] 3.38 [HR/9] 1.06

故障もあり規定投球回には到達しなかったものの、124.1回で28HRを浴びてERA 5.36/FIP 5.16と撃沈した前年から成績を改善させました。

HR/9は約半分になっていますが、大きく変化したのはフォーシームとツーシームの割合で、476球:478球→141球:998球と一目瞭然。

タイプ的にはローテ4-5番手のイニングイーターですが、デビューから3シーズン連続でイニング以上の奪三振を記録しており、もうひと伸びは期待出来そう。

まだ3シーズン保有出来るものの、デビューが遅れたため(もうすぐ誕生日で)29歳になる事・今オフから調停がスタートする事から放出の可能性はあると思います。


▶ DUANE UNDERWOOD JR.

[G] 51 [rWAR] -0.5 [fWAR] 0.9
[IP] 57.1 [ERA] 4.40 [FIP] 2.92
[K/9] 8.95 [BB/9] 3.92 [HR/9] 0.16

一見すると平均96.0mph超のフォーシームでゴリ押すタイプに見えますが、カッター&シンカーを中心に5球種を10%以上投げ分ける器用な投手。

今季は初の50登板超えでチーム2位の10HLDを挙げるなど良い場面で起用されましたが、防御率が示す通りイマイチ印象が良くありませんでした。

しかし、実はBarrel% 3.5と滅多に痛打を許しておらず、被HRはわずか1本のみなのでFIPは非常に優秀。成績の良化が期待出来そうです。

来季は開幕からYerry De Los SantosColin Holdermanが使えますから、今季から調停がスタート(25年オフFA)の彼はトレード候補になるはず。


▶ DAVID BEDNAR

[G] 45 [rWAR] 1.3 [fWAR] 1.5
[IP] 51.2 [ERA] 2.61 [FIP] 2.44
[K/9] 12.02 [BB/9] 2.79 [HR/9] 0.70

移籍2年目の今季も平均96.6mphのファストボールとカーブ、そして(SD時代のコーチ)Hideo Nomo直伝のスプリッターを武器に打者を捻じ伏せました。

まだまだ知名度が高いとは言えませんが、夏には初の球宴選出を果たし、秋にはWBCアメリカ代表入りが決まるなどMLB屈指のクローザーの仲間入り。

しかし、シーズン前半の酷使が祟って球宴後は僅か8登板に留まっています。閉幕直前に復帰しましたが本調子とは言えない状態でした。

まだ調停権すら得ておらずこのタイミングでトレードはほぼ無いでしょうが、各媒体で名前が挙がりそうなので一応リストアップ。


▶ KEVIN NEWMAN

[G] 78 [rWAR] 1.1 [fWAR] 1.3
[AVG] .274 [OBP] .316 [SLG] .372
[HR] 2 [SB] 8 [UZR(SS)] 1.2

19年にルーキーでAVG .308/HR 12/SB 16を記録して以降、深刻な打撃不振に陥っていましたがコンタクト特化のアプローチを改善して今季プチ復活。

若いOneil Cruzを我慢して起用した事もあり、昨季GG賞のファイナリストに選出されたSSだけでなく2Bも兼任。こちらでも堅実な守備を見せました。

ただ、その2Bも長打力が魅力でシーズン終盤は打線の中軸を担ったRodolfo Castroが台頭して出場試合減。実戦で守る機会は無かったものの1Bの練習までしていました。

来季サラリー予想は$2.8Mと格安で、FAになるのは24年オフですからそれなりに需要はあるでしょう。お互いの為に放出した方が良いと思います。


▶ BRYAN REYNOLDS

[G] 145 [rWAR] 3.0 [fWAR] 2.9
[AVG] .262 [OBP] .345 [SLG] .461
[HR] 27 [SB] 7 [UZR(CF)] -2.6

MVP投票でポイントを獲得した昨季に比べれば成績を落としましたが、キャリアベストのHRを放つなど見どころは作りました。

昨季はGG賞のファイナリストに選出されたCF守備は、今季どの守備指標でも低調でしたが「両翼が日替わりだった影響も」と擁護の声も。

不振年としてはそこまで悪く無い数字ですし、まだ3シーズン保有可能なので“チームで最も価値のある選手”の座は揺るぎません。

チームは「彼がFAになる前にコンテンド出来る」と放出には否定的なものの、エクステンションが纏まらなければトレードの噂は出続けるでしょう。

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