【PIT】航海日誌'23【04/25-05/10】
今日も今日とてPittsburgh Pirates(PIT)のシーズンを振り返っていきます、今回は4月25日から5月10日に行われた4カード/15試合が対象ですね。いつも通り、日付は注釈がない限り現地時間となります。
◆◆ 試合結果 ◆◆
NL最高勝率の勝率.696(16勝7敗)でスタートすると、LADにも勝ち越して続くWSHでもダブルヘッダーを連勝。NL最速で20勝に到達したまでは良かったんですが…そこから悪夢の7連敗。
スコアを見ても分かる通り、4月29日のダブルヘッダーで合計22得点を挙げてから現在に至るまでピタッと点が取れなくなってしまいました。
それを救ったのが開幕投手のMitch Kellerですよ。かつては「ボールは良いがメンタルに課題有り」と言われていた男が、この泥沼の場面で自身初の完封(完投)。デビューから見守ってきたファンには堪らない場面でしたね。
本来なら「ここからまた盛り返すぞ!」となりそうなものですが、前回敵地でスイープしたCOLにあっさり連敗を喫して3カード連続負け越しとなりました。
という事で、良いスタートを切ったものの今回は15試合で5勝10敗と大きく負け越し。シーズントータルでも21勝17敗で勝率.553まで落ちています。
◆◆ ロスター関連 ◆◆
オールドルーキーとして話題になったDrew Maggiは4月26日のLAD戦で代打として遂に初出場を果たすと、そして29日のWSH戦で初ヒット・初打点・初長打を記録しました。その後は2A級へ降格して、現在は再びマイナー契約に切り替えられています。
Wil Croweが右肩の、Vince Velasquezは右肘の故障でそれぞれIL入り。Velasquezは開幕から素晴らしい投球をしていたので心配されましたが、深刻なものでは無いとの事です。
逆にILから復帰したChase De JongはDFAとなりました。昨季はG 42/IP 71.2/ERA 2.64とフル回転したものの、今季はここまでG 5/IP 9.1/ERA 10.61とボロボロ。どこからもクレームされず2日後に3A級へoutraightされています。
5月9日には昇格した昨冬のRule 5 Draft(minor)で指名したJosh Palaciosが移籍後初昇格。3A級では13試合でAVG .434/HR 4/OPS 1.274と圧倒的な数字を残しており、打線のカンフル剤になって欲しいところ。
◆◆ ピックアップ① ◆◆
昨季途中加入ながら52試合に出場し、強肩とフレーミングでDRS +5を記録した堅守の控えC・Tyler Heinemanのトレード成立しました。移籍先は昨季PIT加入前にプレーしていたTORなので出戻りですね。
代わりに獲得したのは、昨季MLBデビューを果たした26歳のVinny Capraです。18年ドラフトで20巡目(全体596位)指名で契約金は僅か$1,000というアンダードッグ。
今季は3A級で(加入後も含め)24試合に出場してAVG .188/HR 0/OPS .585ですが、昨季は52試合の出場に留まるもAVG .283/HR 5/OPS .781と好成績。何より昨季がK/BB 0.97・今季がK/BB 0.86とアプローチは優秀ですね。
守備指標を見ても3B/SSを平均以上に守れて、LFもそこそこ経験有り。それに加えて今季は4年振りに2Bも守っています。打撃が昨季並に戻ってくれれば面白い存在になりそうですね。
◆◆ ピックアップ② ◆◆
直近10試合で1勝9敗と急ブレーキがかかった我らがPIT。毎日の様にQSを達成していたスターター陣が(QSどころか)6.0回もたずに降板しているのも大きいですが、それよりも深刻なのが平均1.5得点・1試合最多で3得点しか出来ていない打線です。
「開幕から4月29日まで」と「4月30日から5月10日まで」のwRC+を比較してみました、これはリーグでの打撃の傑出度を示す指標です。リーグ平均を100として、例えば120なら「平均的な打者よりも20%高く得点に貢献している」という事になります。
Anderew McCutchen(123→155)はむしろ調子を上げていますし、Connor Joe(162→105)とBryan Reynolds(139→95)は調子を落としているものの平均程度の貢献はしていますが…
逆に言えばまともに機能しているのは彼らくらい。Rodolfo Castro(135→70)やCarlos Santana(116→47)はほぼ半分になり、Jack Suwinski(180→13)に至っては1/10以下になっています。
開幕からKe'Bryan Hayes(87→75)の調子が上がってこないのも誤算でしょう。3A級で好調だったMiguel AndujarやJosh Palaciosを昇格させるなど今打てる手は打っていますが、結果には結び付いていません。
Oneil CruzやJi-Man Choiの復帰はまだ先ですし、1日も早く復調する事を願うしか無さそう。中でもSuwinskiですね、先発予想を見るにここから4試合連続で右腕相手なので何とかキッカケを掴んで貰いたいところ。
◆◆ ピックアップ③ ◆◆
5月11日にMLB通算96登板のRyan Boruckiとマイナー契約を結んでいます。彼は今季CHCとマイナー契約を結ぶも、3A級でG 8/ERA 12.0/FIP 5.16と結果を残せず2日にDFAを受けFAとなっていました。
20-22年シーズンで3年連続20登板以上で、昨季はTOR/SEAの2チームでキャリア最多となる32登板で起用されたもののERA 5.68/FIP 6.07と結果・内容共に物足りない数字。
ただ、投球の半数を占める平均95.1mph(最速97.5mph)のシンカーはゴロを打たせるのに有効でRun Value -3を記録しています。逆にRun Value +6とボロボロだったスライダーを修正出来れば面白そう。
現在ブルペンにいるサウスポーは今季MLBデビューしたJose Hernandezだけ。昨オフにFAで契約したJarlin Garciaは4月末時点でまだボールを握れていません。
◆◆ スケジュール確認 ◆◆
次回は4カード/11試合を消化した2週間後の更新予定です。2-3年前まではPITと共にドラフトの全体1位指名権を争っていたチームが次々と登場します。
まずは5月12日から敵地で現在24勝13敗のBALと3連戦。そして移動日を挟み、16日から敵地で17勝19敗のDETと2連戦。再び移動日を挟んで本拠地に戻り、19日から20勝18敗のARI・22日から23勝14敗のTEXとそれぞれ3連戦となります。
4チームともそれぞれの地区で1-2位のチームですし、BALとTEXに至っては勝率.600超と完全に格上です。出来れば今のチーム状況で当たりたくなかった相手ですね。とにかくスイープだけは回避して欲しいところです。
11試合で4勝7敗なら御の字だと思っています。だからこそCOLとの第3戦をなんとしても勝って欲しかったんですよね、貯金6と貯金4では全然違ったので…まぁ、過ぎた事をアレコレ言っても仕方ありません。以前の様な良い試合をしてくれる事を期待しましょう。
【参考文献・関連動画】
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