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【PIT】22-23年オフを振り返る

STの招待選手の発表も終わり、選手達の野球道具を積んだトラックはFloridaのBradentonへ向けて出発しました。開幕まで既に50日を切っており、いよいよ野球シーズンが近付いてきましたね。

先日新たに招待選手としてCalab Smithとマイナー契約を結びましたが、大きな動きはもう終わったと考えて良いでしょう。

そんな訳で今回は、Pittsburgh Pirates(PIT)の22-23年オフの主な動き(ロスターの出入り)を纏めていきます。



60日間ILの兼ね合いもあり、昨季閉幕した時点でアクティブロスター(40人枠)には45人がいましたが、このオフ期間で約45%にあたる20人がロスター外となりました。

STARTERS
● JT Brubaker ● Roansy Contreras
● Mitch Keller ● Max Kranick
● Luis Ortiz ● Johan Oviedo
Peter Solomon ● Zach Thompson
Bryse Wilson

RELIEVERS
Manny Banuelos ● Jeremy Beasley
● David Bednar ● Blake Cederlind
● Wil Crowe ● Chase De Jong
● Yerry De Los Santos ● Junior Fernandez
● Colin Holderman ● Nick Mears
● Yohan Ramirez ● Robert Stephenson
Eric Stout ● Beau Sulser
● Duane Underwood Jr. ● Miguel Yajure

CATCHERS
Zack Collins ● Jason Delay
Tyler Heineman ● Roberto Perez

INFIELDERS
● Ji-Hwan Bae ● Diego Castillo
● Rodolfo Castro ● Oneil Cruz
● Ke'Bryan Hayes ● Kevin Newman
Hoy Park ● Liover Peguero

OUTFIELDERS
Ben Gamel ● Miguel Andujar
● Tucupita Marcano ● Cal Mitchell
● Bryan Reynolds ● Canaan Smith-Njigba
● Jack Suwinski ● Travis Swaggerty

20人のうち投手陣ではBlake Cederlindが、野手陣ではJason DelayTyler HeinemanMiguel Andujarが3A級へoutrightされています。

Zach thompsonはTORへ、Bryse WilsonはMIL(金銭)、Diego CastilloはAZ、Kevin NewmanはCINへ、Hoy ParkはBOSへのトレードで移籍ですね。 ※DFA後に成立したものも含む

そして、代わりにマイナー契約から切り替えた選手達・FAやトレードで獲得して、新たにロスター入りした選手達がこちら。

STARTERS
● Mike Burrows* ● Rich Hill
● Vince Velazquez

RELIEVERS
● Jarlin Garcia ● Jose Hernandez
● Dauri Moreta ● Colin Selby*

CATCHERS
● Austin Hedge ● Endy Rodriguez*

INFIELDERS
● Ji-Man Choi ●Carlos Santana
● Jared Triolo*

OUTFIELDERS
● Connor Joe ●Andrew McCutchen
● Ryan Vilade

*はRule 5 Draft対策でロスター入り

コンテンドを見据えて「中期~長期で保有出来る選手を狙う」という選択肢もありましたが、それはせずに今オフFAとなる経験豊富な選手達をかき集めました。

このオフの動きで象徴的なのは、Carlos SantanaAndrew McCutchenの2人です。どちらも素晴らしい実績を持った打者ですが、クラブハウスのリーダーとしても知られています。

Rich HillVince Velasquezも契約時に若手投手の助けになりたいと発言していますし、Austin HedgesはMLB最高クラスの守備力を持ったCで投手陣を牽引してくれるでしょう。Connor JoeもCOLでベンチを盛り上げていたムードメーカー。

つまりは既存の若い選手達の背中を押せる…“+α”を与えられる選手達を選んで獲得しているという印象です。もちろんどの選手も補強ポイントと合致しますしね。

なんとなくGMのBen CheringtonがBOS時代にKoji UeharaMike NapoliShane Victorinoらを補強した12-13年オフを思い出しました。



では、現時点でアクティブロスター26人を選んでみました。

ROTATION
[SP] Mitch Keller
[SP] Roansy Contreras
[SP] Rich Hill 🆕
[SP] JT Brubaker
[SP] Vince Velazquez 🆕

昨季28先発以上したMitch KellerJT Brubakerに、イニング制限のあったRoansy Contreras、そして補強したベテランのHillとVelazquezでローテはほぼ確定。

昨年のTDLでJose Quintanaの対価として加入したJohan Oviedo、そしてTop100プロスペクトに成長したLuis Ortizはマイナーオプションもあるためもったいないですが3A級スタートになるでしょう。

ただ、どちらも力で捻じ伏せられるパワーピッチャーだけに(他との兼ね合いになりますが)ブルペンでスタートする可能性もありそう。Oviedoは移籍するまでリリーバーとして起用されていましたしね。


BULLPEN
[CL] David Bednar
[SU] Wil Crowe
[RP] Robert Stephenson
[RP] Colin Holderman
[RP] Jarlin Garcia 🆕
[RP] Duane Underwood Jr.
[RP] Chase De Jong
[RP] Yohan Ramirez
[RP] Jose Hernandez 🆕

近年のMLBでは「一番良いリリーバーは9回に投げる」という考えが徐々に薄れているので“クローザー”と明言はされていないものの、今季もブルペンの中心はDavid Bednarが担います。

それに続く第2グループはWil Croweに、昨季途中に獲得したRobert StephensonColin Holderman、そしてこのオフに獲得した左腕のJarlin Garciaどんぐりの背比べSTで争う形でしょうか。

ボーダーライン上にいるのはJose HernandezYohan Ramirez。前者はRule 5 Draft案件なので確定、後者は昨季後半に良い場面で起用されていたので首脳陣からの評価が高そう。

Ramirezは(意外にも)マイナーオプションが残っている様なので、泣く泣くマイナースタートにしたYerry De Los SantosDauri Moretaと入れ替えになる可能性も。


LINEUP
[ C ] Austin Hedges 🆕
[1B] Ji-Man Choi 🆕
[2B] Rodolfo Castro
[3B] Ke'Bryan Hayes
[SS] Oneil Cruz
[LF] Jack Suwinski
[CF] Bryan Reynolds
[RF] Andrew McCutchen 🆕
[DH] Carlos Santana 🆕

スタメン9人中4人が新メンバーになりましたが、特に昨季(チーム単位で)マイナスを垂れ流した1B/DHにJi-Man ChoiとSantanaという計算しやすい打者が2人入ったのは大きいです。

昨季レギュラー不在だったCとRFにもそれぞれ経験豊富な選手を加えられましたし、若手・中堅・ベテランのバランスが良いラインナップになりました。

これでOneil Cruzを筆頭に昨季台頭したRodolfo CastroJack Suwinskiといった若手が更に伸びてくれば、かなり魅力的な打線になるでしょう。


BENCH
[ C ] Tyler Heineman
[UT] Chris Owings 🆕
[2B/OF] Tucupita Marcano
[1B/OF] Connor Joe 🆕

残るベンチ枠は4つ。CはHedgesを除くと3A級で開幕予定のトッププロスペクトEndy Rodriguezしかいないので、マイナー組から選ぶ事になります。

昨季高い守備力を見せたTyler Heinemanが筆頭候補に思えますが、なぜかSTの招待選手に名前がありませんでした。彼に故障などあった場合は昨季MLBデビューを果たしたJason Delayが有力。

COLで多少実績があるJoeは右打ちのプラトーン要員としてほぼ当確として、残る2人はMIFのChris OwingsTucupita Marcanoを選びました。

マイナー契約のOwingsは前回の記事で書いた通り経験を買って。昨季終盤にMLBデビューしたJi-Hwan Baeも迷いましたが、サービスタイムの兼ね合いもありMarcanoを優先する事に。



複数年や$10M超の契約こそ無かったものの、Cheringtonが「2023年だけでなく将来のチームの為に補強する時が来た」と語った通りアグレッシブな動きを見せました。

昨オフまでは市場に残っている、もしくはあまり注目されていない選手を集める…"補強"というより"補充"的な動きとは明らかに毛色が違います。

流石にコンテンドとは言いませんが、3年連続100敗を喫する陣容では無くなったと思います。ブリッジイヤーとしては悪くないオフでした。


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