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【PIT】長い長い冬が終わり…

12月から続いていたMLBのロックアウトが明け、ようやく22年シーズンに向けて動き始めました。いやいや、今年の冬はとても長かったですね。

さて、1月15日に一度“中間報告”という事で今後のPittsburgh Pirates(PIT)の動きについて書きましたが、今回はもう少し具体的に書いていきます。

まず、ロックアウトがここまで延びた事によってRule 5 Draftが中止となりました。多くの候補を抱えていたPITにとっては朗報と言えるでしょう。

既に3A級へ到達しているMason MartinらMLB Ready組の流失を防げた上に、Tahnaj Thomasら低層プロスペクトの見極めも猶予が与えられています。

そして、新しい労使協定で「トッププロスペクトを開幕ロスター入りさせ活躍*するとドラフト指名権が貰える」というルールが出来ました。 *ROYで3位以内・CYとMVPで5位以内

昨季までであれば保有権を伸ばす為に開幕マイナーであったであろう、Oneil Cruzの開幕スタメンが現実味を帯びています。

こうなるとルーキーだった19年以来、打撃が低調なKevin Newmanのトレード話が加速しそうですね。対価はそれほど期待出来ないでしょうが。


また、Bryan Reynoldsの情報もありました。まずは「21年開幕前にエクステンションのオファーをReynoldsが断っていた」という事。

更にReynolds本人が「ロックアウト前にチームからエクステンションのオファーは無かった」と語っています。ここから進展する可能性もありますが期待薄なのは間違いなさそう。

まぁ、1月22日の記事で書いた通りSuper 2対象になった(調停が4回になった)時点でエクステンションのハードルはかなり高くなったので驚きはしないですけどね。

PITが彼を開幕前に放出しなければいけない理由は無いものの、これでトレードトークは更に活発となるでしょう。

ロックアウト後の報道ではMIAを中心にSEASDの名前が挙がっていますが、果たしてGMのBen Cheringtonを納得させるだけのオファーは届くのか。


最後にFA選手との契約について。ロックアウト前にローテ候補のJose Quintana、レギュラー格のRoberto PerezYoshi Tsutsugoを獲得していました。

野手で言えば今季からNLでも採用されたDHが空席になっています。Tsutsugoとシェアする形で1B、もしくはLF/RFを守れればベターです。

Nelson CruzがWSHと契約した今、おそらく予算的に手が届くラインで最高級の選手はJorge SolerJoc Pedersonあたりになるでしょうか。

とはいえ、ここで彼らに$10M前後(×複数年?)を払うのはあまり好ましくありません。そもそも似たような提示ならコンテンダーを選ぶはず。

個人的に推しているのはTommy Pham。スラッガータイプではなく34歳のベテランではありますが、昨季も15HR/41長打を放っています。

ポジションは主にLFですがこのオフは1Bの練習もしているのも良いですね。昨季のサラリー$8.9Mからどれくらいディスカウント出来るかでしょう。

もしくはBrad Millerも魅力的な選択肢です。低打率ながら四球を選べる打者で、昨季はキャリア2番目に多い20HRを放ちました。

ただ打つだけでなく1Bを中心に2B/3B/LF/RFを守れる高いユーティリティ性能も兼ね備えているので、非常に便利な選手ですね。

彼らも逃すとなかなか厳しくなってきますが、せめてMitch MorelandDaniel Vogelbachあたりは確保しておきたいところ。


一方の投手陣は以前からCheringtonが「ベテランのスターターを加えたい」と語っています。こちらも大盤振る舞いする事は無いでしょう。

獲れるかどうかは別として、個人的に欲しいのは29歳のZach Daviesと31歳のMatthew Boyd。規定投球回にした事がそれぞれ4度と3度あります。

Daviesは15年にMILでデビュー、20年にSDへ移籍すると21年はCHCでプレーしています。要はキャリアのほとんどをNLCで過ごしている技巧派右腕。

Boydは通算37勝62敗と勝ち星には恵まれないものの、19年は185.1回を投げ238K/50BBと素晴らしいパフォーマンス(ただし39HR)を見せた左腕ですね。

優れた制球力を持つMichael Pinedaや昨年ATLで世界一に貢献した左腕のDrew Smylyの両名も、昨季の$10M超からディスカウント出来るなら気になります。

他にはTyler Andersonとの再契約や、直近2シーズンは同地区のMILで投げているBrett Andersonといったあたりも現実的な選択肢として有りでしょう。

また、昨季終盤はクローザーとして起用されたChris Strattonがトレードになる可能性が高いので、ブルペンもしっかりテコ入れしておきたいところ。

ロックアウト前にEric Hanholdを、ロックアウト後にAaron Fletcherをウェーバークレームで獲得していますが明らかに量も質も足りません。

是非とも獲得して欲しいのが昨夏までPITでクローザ-として活躍していたRichard Rodriguezです。ATL移籍後はERA 3.12/FIP 6.17と内容が芳しくなくノンテンダーになりました。

比較的安価で呼び戻せるでしょうし、復活させる事が出来ればTDLでは1.5シーズン保有可能な案件として売り出せますからね。


さてさて、こんな事を書いていたら日本時間21時(現地は朝)にいきなりFA選手との契約発表されました。しかも一気に2人ですよ。

1人は1B/DH候補のDaniel Vogelbach、そしてもう1人はリリーバーのHeath Hembreeです。彼らに関してはまた改めて紹介しましょう。



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