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Jamie Ritchieという選択肢

Pittsburgh Pirates(PIT)は 現地4/7にSTLの本拠地Busch Stadiumで開幕戦を戦います。開幕直前にはシーズン展望を投稿する予定ですが、今回は小ネタの様な記事です。

先日、通常26人のアクティブロスターが開幕から5/1まで28人に増える事が発表されました。ロックアウトの影響でSTが短縮された事を考慮した措置です。

これによって開幕ロスター入りの可能性が高まったのがJamie Ritchieです。彼は昨冬にマイナー選手として契約した、まだMLB経験のない28歳(4/9で29歳)の捕手。

14年ドラフトでHOUから13巡目指名され、3A級まで昇格するもマイナーリーグ中止の20年オフにFAに。昨季はARIのマイナーでプレーしました。


本題に入る前にPITの捕手事情について書いておきましょう。昨季まで正捕手を務めた堅守のJacob StallingsをMIAとのトレードで放出。

その直後に故障の影響でオプションを破棄されCLEからFAとなっていたRoberto Perezを獲得しました。

Stallingsに負けず劣らずの高い守備力を有しており、打撃も19年に24HRを放った実績がありますから完全復活して欲しいです。

しかし、現在ロスターにいる捕手は彼1人だけ。Fransisco CervelliElias Diazが揃ってOPS .800前後を記録した18年以来、PITは2番手捕手がウィークポイントなんですね。

最有力候補は昨季、シーズン通して2番手捕手を務めたMichael Perez。OPS .511/DRS -1というリプレイスメントレベルの成績でオフにDFA(Outright)されていました。

それ以外の候補は昨季途中に加入して2試合出場、ロックアウト明けにマイナー契約で復帰した32歳のTaylor Davisくらいです。


さて、件のRitchieですが3A級でプレーした3シーズン(18.19.21年)で非常に優秀な成績を残しています。

[G] 185 [PA] 734 [AVG] .298
[HR] 12 [OBP] .402 [SLG] .433
[BB] 98 [K] 124 [BB/K] 0.80

ちなみに、昨季はAVG .317/OBP .417/SLG .430ですね。ARIの3A級Renoは打者有利で有名ですが、パークファクターを考慮したwRC+でも120と平均以上。

キャリアを通じて二桁HRを放った事は無いものの、毎シーズン安定して四球を選べています。左右は違いますがJohn Jasoの様なイメージでしょうか。

守備の方は打撃以上に(数字だけでは)何とも言えませんが、Baseball Prospectusの守備指標FRAAは昨季が-0.4・通算で-2.0と破綻してはいない様子。

更にYoshi Tsutsugoと1B/DHをシェアする予定の左打者Daniel Vogelbach通算AVG .135/OPS .511と左腕が全く打てないので、1Bでマイナー通算70試合に出場した経験があるのも強みになるでしょう。

右打者のRitchieは昨季3A級で左腕に対して(74打席ですが)AVG .367/OPS 1.023と結果を残しました。プラトーン要員として試す価値はありそうです。

今年のSTでは12打席でAVG .364/OPS .784と、出場機会は少ないながらそこそこアピール出来ています。


MLBは基本的に捕手2人体制ですが、打者として一定の出場機会を与えられるなら枠が増えているうちに試しても良いかなと。

2番手捕手(仮)のM.Perezもほぼ消去法なので、打力を買われて普通に2番手捕手として開幕を迎える可能性も0では無いでしょうけどね。

前正捕手のStallingsもMLB定着を果たすまで時間を要しましたし、その間にDFAも経験した遅咲きでした。

R.Perezは1年契約なので順調ならTDLで放出する予定ですし、将来の正捕手候補であるHenry DavisEndy Rodriguezはマイナー低層にいるのでまだ時間がかかります。

仮に開幕ロスターには入れなくとも、3A級で結果を残していればチャンスは巡ってくるはず。まずはMLBデビューを、そしてMLB定着を期待しています。

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