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【PIT】ベテラン2投手がSTLへ

動きが少なくて心配された今年のTDLですが、残り30時間を過ぎたあたりから堰を切った様に続々とトレードが成立し始めました。

早々とDaniel VogelbachをNYMへ放出して以来、静かだった我らがPittsburgh Pirates(PIT)も2件目のトレードが成立させています。

放出したのはスターターのJose QuintanaとリリーバーのChris Stratton、移籍先は事前に噂の無かった同地区のSTLです。

彼らに関しては事前にある程度書いているのでこちらを参照して頂くとして、今回は獲得した2選手を紹介しましょう。


まず、メインピースはキューバ出身の21歳Malcom Nunezです。MLB公式のランキングではSTL傘下10位PIT傘下11位のプロスペクト。

昨季はA+級と2A級で合計89試合に出場しましたがAVG .268/HR 9/OPS .743と特筆すべき数字ではありませんでした。

しかし、今季はここまで2A級で85試合に出場して、AVG .255/HR 17/OPS .823を記録。BB/K 0.45→0.68とアプローチも改善しています。

守備では昨季まで一貫して3Bで起用されていましたが、今季はほぼ1Bで起用。今季からSTL傘下1位で3Bを守るJordan Walkerが2A級に昇格した影響でしょう。

そもそも3B守備の評価はそれほど高くありませんし、PIT傘下2A級には昨季マイナーのGG賞に輝いたJared Trioloがいます。

ご存知の通り、既にMLB最高クラスの守備力を持つKe'Bryan Hayesと今春に長期契約を結びましたしね。

PITが数年後のコンテンドを目指す上で、これというプロスペクトがおらず最も先行き不透明なポジションが1Bでした。

(リーグ平均より3.3歳下の)21歳という若さで2A級に適応したNunezは、当然その有力候補となります。

彼が思惑通りに活躍してくれるかはともかく、チーム事情にフィットした選手を獲得出来たと言えます。


もう1人の対価は同じくキューバ出身のJohan Oviedo。20年シーズンにMLBデビューを果たした3年目の24歳ですね。

6'5"/245lbsと立派な体格から平均95.6mphの沈むファストボールと決め球のスライダーを軸に、カーブとチェンジアップも交え4球種を操る右腕。

これではは一貫して先発で育成・起用されていましたが、今季6月にMLB初登板で先発して以降、ブルペンに回り好投を続けています。

リリーフ登板に限ればG 13/IP 20.1/K 21/BB 4 HR 0と文句無しの内容でERA 2.66/FIP 3.56を記録、すぐにロスター入りさせてもブルペンで働けるでしょう。

しかし、GMのBen Cheringtonはマイナーオプションを行使して彼を3A級へ送りました。どうやら先発としてのポテンシャルを評価しているそうです。

まだ来季分のオプションも残っていますし、スポットで昇格させつつ中長期的な育成プランを持っているのかもしれません。


本当はもう1人、期限ギリギリにTORからJeremy Beasleyというリリーバーを金銭トレードで獲得していますが、とても地味なのでまたの機会にします←

プレビューでも書いた通り、やはりPITは地味なTDLになりましたね。放出したのはQuintanaとStratton、そしてVogelbachの3人だけ。

QuintanaとVogelbachは昨オフに単年で契約したFA選手ですし、Strattonは(多少の賛否はあるものの)今季絶不調のリリーバーです。 ※Vogelbachはオプション付

彼らで傘下11位のプロスペクトとなったNunezと、既にMLBで活躍しており5年以上保有出来るHoldermanとOviedoを手に入れたのはスマートな動きですよね。

今オフFAとなるBen Gamelも売れれば良かったですが、それは相手がいる事なので仕方ありません。復帰後は打撃も湿っていましたし。

実際にはBryan ReynoldsDavid Bednarには複数チームからオファーがあったそうですし、まだトレードの弾になりそうな選手は複数人います。

ここは「オフの楽しみが増えた」とポジティブに捉えて、彼らが後半戦に活躍してくれる事を期待しようと思います。

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