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【PIT】2023年シーズン中間報告

ドラフトやホームランダービー・オールスターが無事に終了し、現地7月14日から後半戦がスタートします。我らがPittsburgh Pirates(PIT)はここまで90試合を消化しているので、残るは72試合ですね。

ドラフト指名選手の紹介をしている途中ではありますが、今回は簡単に90試合の振り返り前半戦MVPを選びつつ、残り72試合のポイントも書いていきます。


◆◆前半戦振り返り◆◆

まるでジェットコースターの様な前半戦でした。誰もが予想出来なかったロケットスタートを切って4月29日にNL最速で20勝(8敗)に到達するも、翌日から1勝12敗と急ブレーキ。

それでも5月末から6月頭にかけて6連勝を記録して再び地区首位の座を奪還しましたが、今度は6月中旬に10連敗を喫して借金生活へ突入。結局は41勝49敗(勝率.456)で地区4位で終えました。

どうしても直近の悪いイメージが勝ってしまうものの、元々は2年連続100敗のチームです。折り返し地点を過ぎてまだ勝率.500に手が届く位置にいる事はポジティブに捉えて良いでしょう。

「あと2-3勝は増やしたかった」というのが正直なところではありますが…主力・ベテランの長期離脱が相次いだ事で、結果的に(消化試合ではなく)緊迫した試合で若手・プロスペクトが経験を積んでいるのが不幸中の幸いですね。

それではもう少し詳しく、ポジション毎に見ていきましょう。


▶スターター陣

長らく待っていたMitch Kellerが遂にエースの座を掴み前半だけで9勝、Rich Hillも7勝とまずまずの投球をしているものの、それ以外はJohan Oviedoが100.0回近く消化したくらいでピリッとせず。

やはり昨季の開幕投手JT Brubakerが開幕前にTJ手術・開幕から好投していたVince Velasquezが6月に右ひじの手術で今季絶望になったのは痛かった…ですが、最も誤算だったのはRoansy Contrerasが滅多打ちでマイナー降格した事。

開幕を3A級で迎えたLuis OrtizOsvaldo Bidoの遅咲きルーキー2人がひとまず枠を埋めてくれてはいますが、現状ではリプレイスメントレベルの成績。まもなく昇格するはずのMLB全体54位のトッププロスペクト・Quinn Priesterがどれだけやれるかに注目です。


▶ リリーフ陣

WBCアメリカ代表・2年連続オールスター選出と名実ともにMLB屈指のクローザーになったPittsburgh出身のDavid Bednarは流石の出来ですが…他の役割がなかなか固定出来ていません。

Wil Croweは早々と60日間ILに入り、Duane Underwood Jr.Chase De JongはDFAされ、Robert Stephensonはトレードと、昨季接戦で投げていた投手達が続々とロスターを外れました。おまけに補強したJarlin GarciaはWBC直前に離脱して未だ復帰の目処は立たず。

とりあえず7-8回は(やや安定感には欠けるものの)Colin HoldermanDauri Moretaを中心に、Yohan RamirezAngel Perdomoらでしばらく乗り切るしかないでしょう。

現在は離脱していますがRule 5 Draftで指名したJose Hernandezが開幕から好投しており、Yerry De Los SantosCarmen Mlodzinskiも最近は良い場面で起用されているので、後半戦は彼らの働きがカギになりそう。


▶ 野手陣

4月末にエクステンションしたBryan Reynolds・“Pittsburghの象徴”であるAndrew McCutchen・2年目のJack Suwinskiが打線を引っ張り、Carlos SantanaKe'Bryan Hayesが守備を引き締めました。

しかし、開幕早々に1B/DHのJi-Man ChoiとSSのOneil Cruzが長期離脱したのが誤算。前者に関してはConnor Joeの予想外の活躍でカバー出来ましたが、後者の穴を埋める事は出来ませんでした。

序盤にアピールしていたJi-Hwan BaeRodolfo CastroTucupita Marcanoが落ちてきた代わりに、最近はHenry DavisNick GonzalesJared Trioloらがチャンスを掴んでいます。

既にChoiは戻ってきてHRも放っていますし、Cruzもリハビリは予定通りに進んでいるので今季中には復帰出来るでしょう。選択肢はかなり増えてきたので、ここからが本当の“競争”です。


◆◆前半戦MVP◆◆

前半戦MVPを1人挙げるならMitch Kellerも捨てがたいですが、個人的にはJack Suwinskiを推したいです。fWAR +2.4はKellerと並びチームトップタイ・rWAR +2.4はKeller(+2.7)に次ぐチーム2位と、ここまで野手では頭ひとつ抜けた貢献をしてくれました。

打撃ではデビュー年の昨季はAVG .202/OBP .298/SLG .411と粗さが目立っていましたが、今季はかなり洗練されてAVG .235/OBP .360/SLG .514を記録。Barrel% 18.5%Matt Olson(19.5%)とShohei Ohtani(18.7%)に次ぐ全体3位の数字です。

昨季のSuwinskiは“ビジター球場”と“左腕”に弱かったんですよね。ビジター球場では昨季のAVG .112/OPS .211から今季はAVG .240/OPS .931に。左腕に対してはAVG .122/OPS .511からAVG .234/OPS .684に良化しています。

前者に関してはそれほど意味はないですが、後者に関しては出場機会に直結します。まだ左腕が先発の時にスタメンを外される事が多いものの、最低限これくらい打てていればそれも減ってくる事でしょう。

今季はBryan Reynoldsとポジションを入れ替える形でCFにコンバートとなりましたがDRS +3/UZR +1.7/OAA +2と無難に守れていますし、打撃での傑出度を示すwRC+ 135はCFだとCorbin Carroll(144)・Luis Robert(143)・Mike Trout(135)に次ぐ4位ですよ。

実は「辞退者の代替えでオールスターに追加選出されないかな」と思っていたんですけどね。このまま成績を維持出来ればMLBでも指折りのCFですし、来年堂々とファン投票で選ばれる事を期待します。


最後に後半戦の投稿予定を書いておきましょう。

まずは書きかけのドラフト指名選手の紹介ですね。まだ6巡目から20巡目の15人分が残っています、一気に出すよりは「5人×3本」の形で考えています。

そして、気付けばTDLまであと3週間を切っています。7月末だと既に市場が動き始めているはずなので、TDL展望も来週か再来週の頭には投稿したいところです。

これに加えてもう1本書くか迷っている記事があるので、後半戦最初の「航海日誌」はいつもより長く5カード/15試合を終えた(現地)7月30日のPHI戦が終了し次第の投稿を予定しています。※これはTDLの動向次第

それでは後半戦も宜しくお願い致します。

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