【PIT】21年TDLを振り返る
TDLから数日が経ちました。ようやくですがPittsburgh Pirates(PIT)の動きを振り返ろうと思います。
とりあえず動いた選手達については下記のリンクをご覧下さい。
(日本時間の)26日から31日早朝で6件のトレードが成立。6選手を放出して11選手を獲得しています。
直前になって大放出したWSHとCHCほどのインパクトは無いものの、売り手としてTDLを盛り上げました。
まずは放出した6選手はこちら。
【Richard Rodriguez】 RHP
【Clay Holmes】 RHP
【Tyler Anderson】 LHP
【Austin Davis】 LHP
【Braeden Ogle】 LHP
【Adam Frazier】IF
キャリアベストのシーズンを送っている売り時のRodriguezとFrazier、半年レンタルのAndersonを事前の予想通り放出。
そして、残る3投手はそもそも売れると思いませんでした。1人はマイナーリーガーで、あと2人は「投げてるボールは良いんだけど」というリリーバー。
比較的穴埋めしやすいポジションですし、需要があるなら売れる時に売って構わないでしょう。
FrazierやRodriguezで良い対価を貰えるのは当たり前ですが、HolmesやDavisで予想以上の対価を引き出したのが素晴らしいですよね。
他チームが関心を示していたChad KuhlやChris Stratton、Jacob Stallingsらは無理に売る必要が無いのでキープしたのも理解出来ます。
唯一、「今オフFAで好成績を残しているChasen Shreveにオファーは全く無かったのか」というのが気にはなりましたが。
まぁ、そもそも(ノーリスクの)マイナー契約で獲得した投手なので仕方ありません。
次に獲得した全11選手を一覧にしてみました、こちらは階級ごとに分けています。
◆ MLB ◆
【Bryse Wilson】 RHP
【Tucupita Marcano】 IF
【Hoy Jun Park】 IF
【Michael Chavis】 IF
◆ 2A ◆
【Carter Bins】 C
【Diego Castillo】 IF
【Jack Suwinski】 OF
◆ A+ ◆
【Michael Miliano】 RHP
【Rickey DeVito】 RHP
◆ A- ◆
【Abrahan Gutierrez】 C
◆ DSL ◆
【Joaquin Tejada】 RHP
注目すべきポイントは2つ、「今季飛躍した選手が多い事」と「MLBに近い選手が多い事」です。
WilsonとChavisは既にプロスペクトを卒業しており、Marcanoは今季開幕ロスター入り、Parkは1試合の出場でしたがPITで初ヒットを放ちました。
また、CastilloやSuwinskiは今季大きく成績を伸ばしており、閉幕までに3A級へ昇格する可能性もあります。
19年オフにBen CheringtonがGMに就任して以来、トレードで獲得してきたプロスペクト達とは毛色が違います。
これまでは「マイナー下層でまだ評価の定まっていないハイシーリングな素材」を中心に集めていました。
※もちろん中にはWil CroweやDavid BednarといったMLBデビュー済みのプロスペクトもいましたが。
これに関してはGMがインタビューで「資金の少ないPITはスター選手をFAで獲得するのが難しいから」だと答えています。
トッププロスペクトはどのチームも簡単に手放さないですし、磨けば光る"かもしれない"原石に狙いを定めていた訳です。
今回で言うとA+級のDeVitoやDSLのTejadaの両右腕なんかはそのタイプで、数年後が楽しみ。
しかし、PITはドラフト&TDL前に発表されたFangraphsのマイナーランキングで(30チーム中)3位に輝いているんですね。
その上、ドラフト&TDLでも良い動きが出来たので既にマイナー組織はMLB最高クラス。
「とにかく面白そうな素材をかき集めよう」という段階は既に終了していると言えるでしょう。
MLBデビュー済みの4人の顔触れを見ても「大化けしそう」というより「MLBでチームに貢献出来る」選手を選んだ様に思えます。
PITの再建はここから「プロスペクトの獲得を継続しつつも取捨選択する」という次の段階に入ります。
早ければ今オフから「自軍の主力を放出する一方で、プロスペクトを放出して長期保有出来る若手を獲得する」なんて動きも出てくるのでは無いでしょうか?
近年は何かとネタにされる事が多いチームではありますが、「コンテンドする時は近い」と感じさせてくれるTDLでした。
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