流れる?流される?乗る?抗う?

お疲れ様です。

僕がまだ10代の若い頃、親方とリフォーム行くときは親方の馴染みの材木屋さんなんかでよく買ったものです。トラックをガッと横付けし、
「頼んでた羽目板とベニヤ10枚にボード5枚、間柱と胴縁を1束頼むよ、おい手伝ってやれ」

なんて感じで材木屋の兄ちゃんに注文し、兄ちゃんはフォークリフトを動かすんだ。親方に言われた僕は手運びの材料を手伝う。親方はタバコくわえながら店内に支払いしに行く、そこで担当さんと雑談をまじえながら新しい建材とかいろんな情報を聞く。

当時はホームセンターなんか現場じゃ使いものにならない粗悪な材料も多かったし値段も高かった。
品揃えも悪く、開店時間も遅くて業者向けじゃなかったんだ。

ホームセンターの材料なんか使えば鼻で笑われるくらいに職人も材木屋なんかも眼中になかった。


僕の住む埼玉県の話しで言えば三郷にある大型ホームセンターのビバホームができたあたりからだろうか?

「ホームセンターなんて笑」
と言っていた職人が
「ビバホームいいよな」「ビバホームで買ってこい」
なんて言い出し、

そのうち三郷近辺の材木屋の営業が
「ウチはビバホームより高いから笑」
なんて言い出した。ほんの数年の間の話しだと思う。
それほどに時代の流れが早かった。

LIXIL系列なので水回りやフローリングなどの建材にも強く、大型ホームセンターの強みを活かした価格や品揃えの豊富さ。もちろん特殊なものや高品質な品はまだまだだが、汎用性の高い商品に限ればプロも使えるクオリティになった。
この他にも様々なホームセンターが軒並みクオリティを上げた。カインズホーム、セキチュー、ユニディ、ドイト、ジョイフル、ホームズ、コーナン、ケーヨーデーツーなんかもそれぞれの良さがある。
カード払いやポイントなどのサービスも充実させていき、ツケが焦げつくような金払いの悪い職人なんかは材木屋の泣き所なのも重なり、ホームセンターの圧勝だったように思う。


リフォームだけじゃなく新築の木造の話しをすれば

昔は柱や梁などの構造材は、それを加工する工場から運搬されてきて、それ以外の材木や内装で使うフローリングなどの建材は町の材木屋だった。

それがいつしか内装で使う建材は大きな商社から来るようになった。すげー安いんだこれが。
そして構造材以外の材木すら、構造材を扱う工場から一緒に来るようになった。運搬費も削減できたんだろうね。町の材木屋から来るおっちゃんは現場で見かけなくなった。たまに荷揚げ手伝ってくれたのに笑


そしてプロ向けの建デポがでてきた。

ここはホームセンターよりプロ向けで、道具も材木も建材も資材も豊富に扱う。町の金物屋さん、材木屋さんはかなり押された。 

今じゃ新築で使う構造材も内装材も全ての材料を建デポに頼めるクオリティになった。いやマジで。
あちこちの事務処理しなくていいって工務店や監督さんは助かるでしょうね。

ここに更にホームセンターも食らいついてきてる。
「新築工事の資材卸しやります」なんて謳い文句を出してるホームセンターが出てきた。
ここまできたらもう町の金物屋、材木屋などはどうしろと笑

少し思い出してみた僕の知る時代だけで、これだけ早く時代は流れた。本当に自分が思い描く未来より現実の方が早い。気づいたらこんなことになっていたなんて本当に身近にある。
もちろんそれが悪だとは言えないのだけれど。

時代の流れに飲まれなかった材木屋さんは、うぬぼれず、あぐらをかかず、地道にコツコツ積み上げた実績と信頼を活かした正攻法だったり、新しいアイディアや業務内容の拡張だったり何かしらの価値を身につけて行ったように思います。

きっと大工さん、いや、職人さんとしてもそんな時代が来るかもしれません。来てるかもしれませんね。

自分は専門職と思っていた人も競合他社が増えたり統合や分離されたりもするだろう、だからと言って多能工なら安泰ってわけでもない。餅は餅屋だから。


自分自身や自分の仕事で突き抜けてブランディングができなければ、プラスになる何か付加価値が必要になる。
僕もまだ大丈夫とあぐらをかかず、日常に追われる中でも時代の流れについていけるようにしたいし模索していきたい。

時代に文句を言うより、有意義なことをしたい。
もちろん業界を変えたいとかも大切なのかもしれないけど、個人として、職人としての日常をどう過ごすかも忘れちゃいけないよね。どっちも大切。

そんな風に思いました。皆さんはどんな職人に、どんな人になりますか?考えるきっかけに少しでもなれば嬉しいです。

以上、今日もご安全に!





普通の大工さんでツイッターやってます!いいねと思ってくれたらハートマークのとこぜひ押して下さい!フォローしてくれたら泣いて喜びます!ご協力よろしくお願いします!