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オイルフィルターの役割

エンジンオイルを管理していくうえで大切なパーツの一つにオイルフィルター(オイルエレメントとも呼ばれるがこの記事ではエレメント=フィルター内のろ紙として扱う)というものがある。

オイルフィルターは図のような構造をしており、フィルターエレメント(※以下エレメント)外側から入ったオイルがエレメントを通って中央部分からエンジンに戻っていく仕組みになる。

そのエレメントを通過する際にオイルに混ざったエンジン内部の汚れやカーボンスラッジがエレメントにより除去され、汚れの少ないオイルがエンジン内部に送り込まれていく仕組みになっている。

構造を簡単に説明すると①のセットスプリングによってフィルター内のエレメントは固定されている。その下にある②のリリースバルブとは、エンジン始動直後の粘度が高い状態や、エレメントが汚れによって詰まってしまったとき、エンジン内部にオイルを供給できなくなることを防ぐため、一定以上の圧力がかかった際にバルブを開き、エレメントを通さずオイルがエンジンに戻すための弁である。

オイルフィルターには純正品の他、安いものから高いものまで色々とあるが、違いについては中にあるエレメント(ろ紙)のつくりにあると考えられる。

エレメントの折数が少ない場合、図のように表面積が小さくなるため、一度にろ過できるオイルの量も少なくなり、流量に影響が出る。もちろんろ紙の目の粗さも重要であり、目が粗いと通り抜けるオイルの流量も上昇するが、当然キャッチできる汚れの量も減る。また、目が粗いだけだと結果的に詰まりやすいといったことにもなりかねない。詰まっても前述のようにリリースバルブからオイルが抜けるためオイル切れはおこらないが、オイルフィルターとしては意味をなさなくなる。

またろ紙の厚さも重要であり、ある程度の流量を確保できるように設計されたエレメントの場合、ろ紙に厚さがあれば、流量を保ちながらも汚れをキャッチできる確率は高くなる(密林の中を人が歩いていくイメージがわかりやすい)

高級なオイルフィルターはこのあたりの設計にも力を入れており、流量を損なうことなく、フィルターとしての性能も良い。またマグネットを内蔵するなどして鉄粉への対策もしっかりと施しているものもある。

ただし、高級なフィルターを装着しているからといって無交換では意味がなく、どのメーカーもオイル交換2回に1度程度の交換を推奨している。オイル流量の確保等を考えれば、毎回の交換が望ましいが、コストもそれなりにかかるため、毎回交換するのであれば純正かその同等品程度のフィルターで充分であると考えられる(新車時はマグネット内蔵のものは効果が大きい)。また、格安だからといってダメかどうかは構造を見てみないとわからない部分だけに、しっかりとその構造について宣伝しているメーカーのものは特に信頼できる。

違うものに変えたからと言って特に大きな変化のないパーツであるが、定期的にしっかりメンテナンスすることで必ず違いが出てくるパーツだけに侮ってはいけない。また、一度高級なものを使用したからといって変わるわけでもないので、オイル選びと同様に自身が継続的に使用できるものを見つけていきたい。