スマホの操作案内がお金と時間のぼったくりだと思ったはなし

「え?なんなのそれ?」と思ったので、スタエフにて録音配信。

ノリシバのスマホラジオ

https://stand.fm/episodes/61a374369f9ebf0006510128

操作案内ひとつとっても、個人情報を扱う仕事は気をつけるべきことが山ほどある。

マニュアル重視はある程度仕方がない。けど、だからといって人の心をおろそかにしていい理由にならない。

心が苦しくなった出来事。

ラジオは勢いそのまましゃべってるところがあるので、自分のペースで読みたい方は文章におこしましたので、ゆっくりしていってください♬

■ 文 章 版

どうも、ノリシバです。


わたしは携帯の販売をしているのですが、ご年配のお客様が9割を占めるお店で働いています。


地元密着型の店舗で同じ建物内にスーパーもあり、ご年配者さんのちょっとした集会場みたいになってたり。


今日は、そんなおじいちゃんおばあちゃんの、スマホあるあるな話を少しします。


どんな話かというと、


たらいまわしにされたおばあちゃんの話です。


私が勤務するお店に、押し車をえっちらおっちら押しながら、80過ぎのおばあちゃんが来ました。


(ザ・おばあちゃん。と言いたくなるほどの)


そのおばあちゃんは、

「スマホの操作を教えてほしい。」

と言ってきました。


けど、私のお店では原則操作案内の受付は「してはいけないこと」になっていました。


最初は私も知らなくて、好き勝手操作案内をしていました。


しかしある日、同じ職場で働くスタッフから、


「ここのお店、操作案内は受け付けしないことになってるんですよ。」と。


「え、なんで?」

と聞くと、


「きりがないからです。」


と言われました。


そのままそのスタッフが続けて、


「僕も一度操作案内をしたことがあって、そのとき僕自身と周りにも迷惑をかけてしまいました。


なので、基本的には操作案内は受付してないんですよね。」

とのことでした。


そういうのもあって、わたしは仕方なく、


「ごめんなさい、おばあちゃん。ここのお店はそういった操作案内は受付できないんです。


なので、ショップや家電量販店にある操作の窓口に行ってね。
きっと丁寧に教えてくれるから。」


と、伝えました。


するとおばあちゃんは困ったように、


「そうなのね、、、。
でも、実はもうそこに行ってはみたけど、ダメだったのよ。」


と言うので、


(いったい、どんな大変なことなんだろう?)


(本当になんとかできないことなのか?)


(ちょっとくらいなら教えてあげても大丈夫でしょ!)


と思い、


「とりあえず座って聞かせてね。」

と言って、席に案内しました。


話を聴くと、


30分かけてノジ〇に行き、

40分待って、


「この操作案内は、料金が6850円かかります。」と言われてやめて。


次に20分かけてショップに行き、

待つこと20分。


席に案内されて一安心。


最初は手伝ってくれたけど途中で、


「これ以上は料金がかかるのですが、いいでしょうか?」


と言われてやめる。

結局、

「行く当てもなくなったから、帰り道にこの店に寄ってみたの。」


と言っていました。

もう、この話を聞いただけで十分でした。


正直、胸くそ悪かったです。
(おばあちゃんの話やおばあちゃんにじゃないよ?)


ノジ〇とショップ。


「何してんねん!?」


「仕事せいや!」(興奮するとえせ関西弁がでます)


なんでそんだけ待たせて、


時間かけて、


お金請求して、


途中で投げ出して、


生殺しみたいな真似して。


本当に同じ仕事をしている仲間として恥ずかしい。
(お店の全部が全部、そうじゃないのも知ってるけど!)


ということで、


「全身全霊で俺がなんとかしたる!」


という気持ちでいっぱいになり、


「操作案内はしちゃいけないルール?んなもん知るか!


勢いそのまま、おばあちゃんの半日という時間を奪い、ノジ〇もショップも手が出せなかったという、悩ましいモンスターに立ち向かったわたし。


いざ尋常に勝負!

5分で倒しました。

「なんでやねーーーんっ!!」


「仕事せいやほんまにーーーっ!」


こころの叫びが脳内に響いた。


そのあと、同じようなことが起きても大丈夫なように、コツとポイントをスマホのメモに残してあげておしまい。


おばあちゃんは、


「ありがとう。本当に助かったわ。ありがとう。ありがとう。」


と言って、帰っていきました。


めっちゃうれしい♡


ルールとか知らん。

今日の小話もこれでおしまい。

以上、おじいちゃんおばあちゃんの、スマホあるある話、


たらいまわしにされたおばあちゃん でした。


■現役の携帯販売スタッフが語る

「操作案内しちゃいけないルールとその背景」

お話の中で

「操作案内してはいけないルール」

が出ましたが、

「なぜそうなったのか?」

といった背景をお話しします。


建前上、

お客様の個人情報守るため

お客様の許可が必要なため

とお客様には伝えていますが、本当のところは、

会社と従業員を守るため

です。

「どういうこと?」って思いますよね。

例えば、

あるお客様が操作案内をショップスタッフに依頼して、それをこころよく対応したスタッフがいたとします。

何事もなく操作案内がおわりました。

数週間後、そのお客様のスマホからクレジットカード情報や会社で使っていた貴重資料のデータを盗まれ、大きな財産を失いました。

すると、そのお客様がショップスタッフと携帯会社側に賠償責任を求めたのです。

その額なんと数千万円。

とても個人で払える金額ではありません。

けれど、会社はスタッフをかばうことができませんでした。

なぜなら、操作案内をしたスタッフは「操作同意書」という、お客様との操作案内に関する書面に残していなかったからです。

その同意書には、

「今回の操作案内でどのような被害が発生しても、当社とそのスタッフは責任を負いかねます。」

といった内容が含まれています。

それがあれば

お客様には同意とサインを頂いているので、こちらに非はありません。

と言えるのです。

操作案内をしちゃいけないルールは、こういった情報事故を防ぐために、従業員と会社を守るため にあります。

ただ、これは例とはいえ、似たような事例は実際毎年のように発生しています。

だからこそ、携帯会社側もその情報事故を防ぐために、お客様のスマホ操作案内時は同意書にサインをもらうように。と言っています。

ただ、その同意書を徹底して実施しているのは一部のショップだけです。

量販店はほぼないと言っても過言ではありません。

それは、量販店などの携帯コーナーでは、そのお店にもよりますが基本的には無料の受付をしていないか、そもそもの受付をしていません。

スマホの契約だけしておしまい。というのが家電量販店だから。

必要な人はお金を払うかショップでやってください。

っていう感じ。

さらに言うなら、量販店のスタッフはショップよりも数字を求められるので、各自の判断で、善意や自分の数字のために、

「これくらいだったらやってあげようかな。」

「これは面倒だな、、、。やめておこう。」

「数字になるかも?手伝おうかな。」

なんて思惑が基本的にはあります。

さらに、そこであるお客様の操作案内を手伝ったおかげで、それがそのお客様の周囲に広がり、

「あの店は操作案内を丁寧にしてくれる!行こう!」

となって押し寄せ、

「当店では操作案内の受付をしておりません。」

と言っても、

「あのスタッフさんはやってくれたって、友達が言ってたのになんで私はダメなの?」

と、クレームがいくつもきます。

クレームを防ぐために操作案内の手伝いをしていたら、それこそキリがないんです。

だから、

会社と従業員を守るため


その結果が、

「操作案内はしちゃいけないルール」

になったわけです。

って言っても、簡単な操作もわからない人にはわからないんです。

だから、多少の操作案内は暗黙のルールでささっとやっちゃうことが多いです。

「してはいけない」と「してもいい」二つのルールが混在していて、

なんだか曖昧なルールですね(笑)

以上が、

「操作案内をしてはいけない背景」と、その理由でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?