分子標的薬タグリッソ
私の肺がんの組織から遺伝子解析をした結果、タグリッソがぴったりと合うことがわかりました。タグリッソは
毎朝食後1回一錠服用のみで行うがんの治療薬です。そのため大きな負担がなく、通院治療が可能なので日常生活をこれまでと変わりなく過ごす事ができます。
タグリッソ服用により、私は肺がんレベル4と言われていますが、1日に何度も咳き込む症状がなくなり、身体的にものすごく辛いということが目に見えて無くなりました。
2ヶ月経った位の頃から副作用として出てきたのは、爪の周囲炎と下痢と口内炎です。足の親指が炎症を起こして痛みが出てきたので、その治療として爪の両端に1本ずつ管を入れることをしました。
このときの麻酔注射は6本打っても効かず、痛みに強いと自負していた私が治療中に思わず叫んでしまう痛みを経験しました。許可を得て、診察台で起き上がって、自分で自分の足を押さえて痛みに耐えてなんとか治療を終えました。
その時までは意識も前向きで治療への意欲満々でしたが、正直にいうと、その痛みを経験した直後から、痛みに対しての恐怖を持ってしまい、気持ちが萎えているのを感じました。そこでこんなときのオパ!ケアを受けて、また意識を未来に向ける事ができました。
自分に戻れる方法があるということはどんなに素晴らしいことか。
自分自身にいるとき一番活力が湧いてくる!全て繋がっていると度々感じていますし、その度に笑顔で乗り越える事ができるのは素晴らしいと思っています。
身体と意識のセットで治療と向き合い、その甲斐があってその後は痛みからも解放されてやれやれ!
下痢は1週間に2、3回続いたり、食欲が落ちたことも重なり5キロほど痩せましたが、体調や気分は悪くありませんでした。昼寝をしながら普通に生活を送っていました。
副作用も想像していたような大きな事はなく、坊主になる覚悟もして入院前にカツラを買って荷物に入れていましたが、脱毛は一切なく、だるいということもなく、検査のたびに癌は小さくなっていることがわかりました。
がんマーカーの数値も下がっていき、レントゲン検査の結果を聞くのが毎回楽しみになるほど今は体調も全体的に安定しています。
去年の暮れから下痢もピタッと止まり、年末年始をゆっくり過ごすと決めたことで家族のサポートがあり、気がついたら食欲も出てきて、減り続けていた体重が1キロ戻りみんなが喜んでくれました。
足の親指のほうは良くなって来ていますが、あともう少しかかりそうかな。
癌であるとかないとか、いま置かれている環境や事実などは関係なく、一人の人としていつも未来に視点を置いていることで普段は自分が肺がんの治療薬を服用していると言う意識もない位、さわやかな日々を送っており、家族とは冗談の飛ばし合いの毎日です。
【タグリッソ】
分子標的薬はがんの増殖を促す特定のドライバー遺伝子を持つ細胞だけに働き、正常細胞には影響しにくい。あらゆる細胞の増殖を抑える従来の抗がん剤に比べ、効果が高く副作用が少ないとされている。
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