SX推進アプローチの前提に関する考察

SXとは、『Sustainability Transformation』の略であり、『持続可能性を高めていく変容』と訳される。この言葉は、あらゆる対象を範囲に含み、現代だけではなく将来に渡っても意識していく視点を与えうるものである。

そこでこれからSXを推進していく上で、その方法に関する前提について議論を深めておきたい。

当然ながら、SXはさまざまな立場の多様な価値観、生き方、信念などによって多様なやり方で推進されるものである。そのアプローチは、現代すでに示されてるものもあれば、今後生まれてくるものもあるだろう。したがって、SXに関する方法は、その将来に渡る可能性に開いたものであるはずだ。

そこでSX推進方法の前提は、あらゆる方法を否定するものではないということである。むしろ多様なやり方が現れてくることを歓迎するものであり、それらの多様なやり方が互いに補完的に作用し合う形でまた新しい方法が提示されることが本質である。

なぜなら、持続不可能な状況において確実に進めなければならない必要条件が少なからず見えてはいるものの、あらゆる側面から確実な方法と言えるものがない状況においては、さまざまな視点からの試行的なアプローチが多様に現れ出てくる必要があるからだ。

可能性がある方法は、必ず試される必要があり、可能である限り継続され、多くの人たちが知り議論でき知の融合に開かれてることが望ましい。

SXを推進するにあたり、その推進する者は、自身が保有する情報を互いに大いに共有し、補完し合えるものは何かを互いに議論し、新しいヴァージョンを生み出していく姿勢をもつ者であることが望ましいだろう。

またSXはあらゆる対象を包括するものだが、あらゆる対象に精通している個人などいないだろう。となるとSXを推進する上では、誰か一人の視点や意見、方法では不完全であるのだ。だから、多様なやり方が生まれるだけでなく、相互に影響し合い、補完し合う方向性が重要になってくる。

私は、SX推進にあたり、今後、持論を展開するわけだが、これは他の方法を否定するものではなく、上記に示した前提に立つ、非常に個人的に確立してきた方法について述べていくものである。それについて一定の体系的な整理を試みる訳だが、完成されることのないひとつの方法の提示に過ぎない。

よって、多くの方々と議論し、補完していくことに開いているだけでなく、これとはまったく異なる方法にも開いているものである。

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