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【ライブ・ローズ・ランチ】 #1

おやすみのひのおひるです。テラスの端にアイドル二人。
「肉、肉食べたいわ。完ッ全に肉の気分」
ガーデンテーブルにうなだれながら紫髪が言う。頬に跡が付くよ
「そんなにか〜?」
緑髪は飲み終わったドリンクのストローをイジりながら気の無い相槌で返す。
「そんなによ。でもなぁ…」
「何何ダイエット?あっ金が無い?」
緑髪、体を乗り出し目をキラつかせ始める。
「違わい。なんというか…具体的に何が食べたいのか思い浮かばないのよ」
上体を起こし背もたれに寄りかかる紫髪。
「肉って言ってたじゃん」
「肉のなにか!この感じなんだと思う?」
「こっちに聞かれても困る〜。肉なんだから焼肉とかじゃないの?」
「焼肉…焼いた肉ね。ステーキとかポークソテーも焼肉?」
「そうだけどそうじゃない」
「牛丼の肉は焼肉?」
「あれは煮(に)肉」
「ににくかー。…焼き鳥は?」
「焼いてるじゃん焼肉だよ」
「確かにね。名前でわかるやつは除外しよう」
「何これクイズ?…だったらすき焼きは?」
緑髪、意地悪そうなにやけ顔。
「いや今名前でわかるやつは除外って…いや、すき焼きは"煮"寄りだわ!」
「ほらね〜?名前と実態が合ってないのもあるのよ」
「じゃあアレってホントはすき煮じゃん!すき煮だよすき煮」
世紀の大発見ぶる紫髪をよそにスマホを取り出す緑髪。
「ふーむ、…ほーん。ざっくり言うと牛鍋と焼いてる旧すき焼きが似てるから名前が混ざったんだってさ」
「そこ混ざることあるんだ」
「あるみたい」

「…よし、やっぱ焼肉にしよう!」
「やっぱりな〜結局そうなると思ったわ」
「う〜し行こ行こ」もったりと立ち上がる二人

少し歩いてお手頃チェーンの焼肉屋に入ったよ。席について注文タイム。
「ももと…ハツと…お、手羽あんじゃ〜んいいね頼もう」
「え、そっち?」
鶏の気分の時もあるよね。

おわり

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