犯人を特定できなかった場合

《エンディング》

「そうか、※▲◎×が犯人だと申すか」

　王女ファルネット・エリーゼは残念そうにつぶやくと、衛兵に「全員」の捕縛を命じた。あなたたちは顔面を蒼白にし、口をパクパクとさせている。

「王宮内で殺人を図ったのだ、極刑以外はあり得んだろう。かばう者も同罪じゃ」

　下を向き、いかにも残念そうにつぶやく王女。が、口元の笑みを隠すことができていない。

「さて！　ではこの辺りで良いか！」

　我慢しきれず、けらけらと笑いながら王女が顔を上げた。そして―、侍女長オ・ツボーネに言った。

「そちの世界では　≪疑わしきは罰せず≫　と言うのじゃったな？」

　―　衛兵に全員の釈放を命じた。

「あら、もう、明かしてしまうのですか」
　侍女長オ・ツボーネが王女に笑いかける。王女はひらひらと手を振り応える。

「王女様、ご質問をさせてください。どういったことでしょうか？」

　王女が楽し気に笑い出したのを見て、質問をしても大丈夫と思ったあなたはそう、尋ねた。

「おお、そう言えばそうじゃ」

　王女はそう言うと、侍女長オ・ツボーネに向かって何やら唱えた。するとオ・ツボーネの姿が消え、代わりにそこに賢者の姿が現れた。

　オ・ツボーネだった賢者、卯月和可菜が立ち上がり恭しく一礼をする。王女以外が目を丸くした。

「そういうわけで、賢者殿には侍女長の姿に変身してもらい議論に加わってもらっていたのじゃ。わらわが指にはめているリング、これをこう、相手に向けて※▲◎※を唱えると、変身の効果が表れるのじゃな」

　今度は王女自身が侍女オ・ツボーネの姿になり、すぐに変身を解く。

「それとな、侍女長オ・ツボーネという人物は本当はいないのじゃ。いつもはわらわが侍女長に変身していたのじゃな。なに、息抜きもせねばやってられん。わらわと侍女長が同じ場所にいたことは、なかったじゃろう？」

　実はー、とマジックの種明かしをして喜ぶ子どものように、クスクスと王女が笑った。

そう言えば、と思う。
お茶会の予行の様子について、王女様はとても詳しかったではないか（GMありの場合、GMは王女様として議論に加わっています）。
そこにいなかったはずなのにどうして、とは思わなかっただろうか？

そしてー、議論に参加していた賢者、卯月和可菜（侍女長）がお茶会の予行のことをところどころ忘れていたのも、そういうこと（予行に参加していたのは侍女長に変身した王女）だったのか。

「では、賢者を残して下がって良い！」

　王女と賢者が２人きりになると、王女と賢者ー、卯月和可菜は一転と真剣な表情となった。事件をどのような形で処理したものか、落としどころに頭を悩ませる時間が始まった。

　―　せっかくなら、お茶会に召還して欲しかったのに！　―

　卯月和可菜が文句を言ったがー、王女は聞こえないふりをした。

　

　
　
ー　これにて　≪　卯月和可菜のお茶会デビュー　≫　閉幕です　―

みなさま、お疲れ様でした！！　

そして、コマーシャルです。

≪　卯月和可菜のお茶会デビュー　≫　に登場した卯月和可菜ですがー

法廷マーダーミステリー「裁くもの、裁かれるもの」に、
弁護人　卯月和可菜　として登場します！　

法廷マーダーミステリー「裁くもの、裁かれるもの」は以下の店舗・GMで遊べます。ご興味があればお問い合わせください！

≪取扱い店舗≫

札幌　　　　　ボードゲームカフェ　ゆこる
東京　　　　　 Queen's Waltz
名古屋　　　　マーダーミステリースペースScape Goat
大阪　　　　　マーダーミステリー専門店「NAGAKUTSU」
静岡　　　　　orca mystery lab.
福岡　　　　　マーダーミステリー専門店Hello Hello Mystery

≪個人GM≫

東京　　　　　マシュー＠マーダーミステリー出張ゲームマスター