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不動産ライターの、のりべぇ。第28回です。

実は遊べる、楽しめる!洗面台のお話。

こういう話は女性の方が圧倒的にセンスがいいんだよなぁ…

 最近はこういう書き方をするとす〜ぐ「ジェンダーがなんとか」だの、「セクハラがどうのこうの」とか言われそうだけど、洗面台に関しては間違いなく、女性の方がセンスいいんだよなぁ、経験上。
 みなさん、洗面台っていうとどんなものを想像されますか?多分、大半の方が四角い筐体で最近は大きめのボウルがついたものを想像されるかもしれません。ですが実は、キッチンやバスルーム、あるいはトイレと違い、洗面台は結構遊び心を盛り込める、数少ない水回りですって言ったら、信じてもらえます?

建売の場合はほぼ導入される「メーカー品」。

 キッチンやバスルーム同様、洗面台も最近ではしっかりとユニット化されていますので、「昭和のお家」のように、今でいうところの洗面ボウルだけ据えつけて、その上は鏡を張っただけ、なんてことは少なくなりました。昭和の終わりだったか平成の頭くらいに「朝シャン」などという、ティーンエイジャーが喜びそうなトレンドを盛り込んだ際、洗面台は伸縮式シャワー水栓と大きな洗面ボウルを与えられました。そして一大ブームを巻き起こし、現代に至っています。今や朝シャンなんて言わないでしょ?ついでに言うと、「ちゃん・リン・シャン」なんて知らないよなぁ(爆)。
※知らない人のために一応書いとくけど、これはライオン製ヘアケア製品(いわゆるリンスインシャンプー)「ソフトインワン」発売(1989年)当時のキャッチコピー。「ちゃんリンスしてくれるシャンプー」だから「ちゃん・リン・シャン」。ちなみに、発売時のCMキャラクターは薬師丸ひろ子さん。そしてなんと「ソフトインワン」は現在も発売しているロングセラー商品だってさ(驚)!
 おっと。また本題から逸れてしまいましたので軌道修正。
 それでもって、前述の通り、ユニット化された洗面台です。横幅(間口)は600mm、750mm、900mmが主なサイズ。洗面ボウルはこれまた前述の通り、大きめのボウルが主流ですが、スクエアタイプなど、多様化しています。ボウルを備えた天板の下はスライド収納がトレンド。もちろん、開閉式扉の場合もあります。そして天板上部には大きな鏡とその左右に収納スペースや、これまた開閉式の収納がつけられるなど、バリエーションもあります。水栓は伸縮式シャワー水栓が多いのですが、レバーは自在に水とお湯を使い分けられるよう、シングルレバー式が多いようです。もちろん、キッチン同様、手をかざすだけで出水と止水ができるセンサー水栓もありますよ〜(ちょっとお高いけど)。

洗面台に対するニーズの違いが実はポイント。

 とまぁ、建売住宅やマンションをベースに洗面台の説明をしましたが、毎日使うとはいえ、意外とその用途にばらつきがあるのが洗面台。もちろん、主な用途は手を洗う、顔を洗う、歯を磨くといったことではありますが、前述のように、洗髪を行うケースも出てきました。しかし、洗面台で洗髪をするのはイヤと言う方も一定数います。あるいは、洗面ボウルの周りに物が散乱するのはキライ、という方もいます。実は水回り製品の中で、最も使い道が広い(というか、広くなっちゃった)のが洗面台です。意外でしょ?私も意外だと思いました(笑)。
 それでもって、こうしたニーズの違いが実はポイントというのは、言い換えれば、洗面台のニーズが多彩であるということなんです。もっと砕けてしまえば、「洗面台じゃなくてもいんじゃね?(アクセントはぜひ、最近の若者言葉っぽく)」って話なんです。

おしゃれにしたけりゃ、自作しちまえ(爆)って発想。

 これは少々乱暴な言い方ではありますが、注文住宅であれば、ちょっと洗面にこだわってみるのもおしゃれです。
 と言いますのも、いわゆるユニット化されている洗面台にとどまらず、磁器以外の、ホーローや陶器、あるいは金属製のおしゃれな洗面ボウルに、木で組んだ洗面台(の下の部分)を組み合わせて作る、オリジナルの洗面を使う人なんかもいらっしゃいますし、工務店さんなんかに頼むだけでなく、DIYしちゃう人までいたりします。流石に水栓は業者さんに頼んだ方がいいと思いますけどね(笑)。もっと乱暴に言ってしまえば、水栓と排水だけしっかりできれば、案外と自由度が高く、遊び心を発揮できる場所でもあるわけです。
 となりますと、洗顔・メイクに時々洗髪までこなす女性の方が、夢も広がる、アイデアも広がるという話。一見するとシンプルに見えて、凝ったボウルを採用している洗面台なんか見ますと、手を洗うだけですが楽しくなってしまうものです。

もちろん、機能性重視ならユニットタイプ。

 そりゃそうですよね。機能性を重視するなら、多用途に使えて、しっかりと収納スペースが設けられているユニットタイプに軍配が上がります。ただし、注文の場合に限るとは思いますが、ぜひこだわって欲しいのは洗面台(というかボウルと天板)の高さ。身長に合わせて高さを選べますので、ご夫婦の背が高い場合は高めに、そうでない場合は低めに設定しましょう。お子さんがいる家庭の場合、高さ選びは慎重に。踏み台を使っての手洗いなどは、お子さんがうっかり踏み台から足を踏み外した際、思わぬ事故の原因となりますので、注意が必要です(洗面ボウルが磁器が中心で硬い素材なので、頭を強打すると致命傷になりかねません。また、ボウルに水を貯めた場合であれば、最悪、溺死もあり得るため、十分な注意を心がけてください)。

洗面だって寿命があるんです。

 ちなみに、キッチンやバスルームは寿命を気にしがちですが、洗面だってもちろん、寿命があります。水栓であればやはり10年以上経過した際、水漏れが懸念されます。開閉式扉も20年が経過すれば痛みは顕著になるでしょう。そうなったら買い換えるというのも手ですし、あらかじめ洗面台が設置されている建売住宅・マンションにお住まいの方であれば、前述のようなオリジナル洗面台にチャレンジするのも面白いかもしれません。ただし、漏水のないように、しっかりと防水等対策を施すことをお忘れなく。もちろん、オリジナル洗面台は自己責任となりますが、DIYを楽しめる、数少ない水回りです。

次回予告。次回はトイレのお話。意外と奥が深いトイレのお話をお送りします。次回もお楽しみに!

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