![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139980158/rectangle_large_type_2_26284598ea6094b63d7a5e0438d396d5.jpg?width=800)
この世に存在しなくなること (1)
毎月8日に花を飾り始めて、もう6回目になる。
6ヶ月前、突然、彼がこの世からいなくなった。
10年近く、ずっと友だちだった。
わたしの愚痴を辛抱強くずっと聞いてくれる人。
おいしいものを一緒に食べに行く人。
1か月、2か月連絡しなくても全然平気で、久しぶりに会ってもすぐにいつもの空気に戻れる人。
わたしが離婚した理由の中に、「その人の存在」は入ってはいなかった。
ただ、離婚して、何かが変わるんだろうかと考えたこともあった。
一緒にいる空気は好きだけど、感性が合わないなと思うこともたくさんあったし、こういうところは嫌いだなと感じることもあった。
でも、そういう部分があっても「別にいいや。だって、友だちだもん」で終わりだった。
無理に合わせることもしなくていいし、嫌なら嫌とはっきり言えた。
わたしを理解してくれて、わたしの嫌な部分も許してくれる、ただ一人の人。
恋人になんてならなくていい。
友だちのままでいい。そのほうが自然。
お互いに、恋人がいない間は今までどおり。
わたしが愚痴を言いたくなったらLINEする。
彼の休みができたら、おいしいものを一緒に食べに行く。
それだけでよかった。
ずっとそうやって、
どうせお互い恋人なんてできないんだから、
この先もずっと、
おじいちゃんとおばあちゃんになっても、
一緒に生きていけると信じて疑わなかった。
それなのに。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139981225/picture_pc_185b2ed9db8edd4332bc6ea32c6e53c5.jpg?width=800)
「心の縁側あるから大丈夫」って言ってた
最後までお読みいただき、ありがとうございます。読んでなかったらごめんなさい。わたしをサポートしようだなんて血迷ってしまった方がいらっしゃるなら、まずはちょっと落ち着いて。それより「スキ」をポチッとしてみては? 作者がたいへん喜びます。