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この世に存在しなくなること (1)

毎月8日に花を飾り始めて、もう6回目になる。
6ヶ月前、突然、彼がこの世からいなくなった。

10年近く、ずっと友だちだった。
わたしの愚痴を辛抱強くずっと聞いてくれる人。
おいしいものを一緒に食べに行く人。
1か月、2か月連絡しなくても全然平気で、久しぶりに会ってもすぐにいつもの空気に戻れる人。

わたしが離婚した理由の中に、「その人の存在」は入ってはいなかった。

ただ、離婚して、何かが変わるんだろうかと考えたこともあった。

一緒にいる空気は好きだけど、感性が合わないなと思うこともたくさんあったし、こういうところは嫌いだなと感じることもあった。

でも、そういう部分があっても「別にいいや。だって、友だちだもん」で終わりだった。

無理に合わせることもしなくていいし、嫌なら嫌とはっきり言えた。

わたしを理解してくれて、わたしの嫌な部分も許してくれる、ただ一人の人。

恋人になんてならなくていい。
友だちのままでいい。そのほうが自然。

お互いに、恋人がいない間は今までどおり。
わたしが愚痴を言いたくなったらLINEする。
彼の休みができたら、おいしいものを一緒に食べに行く。

それだけでよかった。

ずっとそうやって、
どうせお互い恋人なんてできないんだから、
この先もずっと、
おじいちゃんとおばあちゃんになっても、
一緒に生きていけると信じて疑わなかった。

それなのに。



この絵を描いたときに彼に見せたら、
「心の縁側あるから大丈夫」って言ってた




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