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Sugar Rush Ride MV考察:誘惑の島で見つけた星

※ 本記事は 2023/2/26 YouTubeに公開された内容を抜粋しテキスト化したものです。動画に含まれている引用作品や文献等はYouTubeにてご確認ください。ーNOREARIKA


今回は「Sugar Rush Ride」のMV考察に挑戦します。


MVのストーリーライン

まずMVのおおまかなストーリーラインから振り返ります。

「Sugar Rush Ride」のMVは、大自然の美しさと神秘さに目を奪われ、
時間が経つのも忘れて怠惰に楽しむ少年の姿を通じ、彷徨う青春の姿を隠喩的に表現しています。

UNIVERSAL MUSIC

空から落ちる一滴のしずくがヨンジュンの顔にあたり歌が始まります。

目を覚ますボムギュ。海には沈む汽車が見えます。
海辺のシーンではカイの姿が見当たりません。

島を探索しながらメンバーはそれぞれ何かを見つけていきます。
MVの最後は、5人が島から去ろうとする姿、そしてどこか物憂げな表情のカイで終わります。これが大まかなストーリーラインです。

それではMVの描写で気になるポイントを見ていきながらその意図を読み解いていきましょう。

誰が創造したネバーランドなのか

彼らが目を覚ました場所はどこなのでしょうか?

前回の考察動画でも触れた通り、The Name Chapterはピーター・パンの要素を取り入れています。

そして「Sugar Rush Ride」のMVに登場する彼らのことについて公式のプレスリリースでは「ネバーランドを連想させる想像の空間に漂流した少年たち」と紹介されています。

今回の考察では、彼らが目を覚ました場所を“少年が想像の中で作り上げたネバーランド”として考えを進めたいと思います。

誰が作り上げたネバーランドなのか?

漂流したメンバーが目を覚ます海辺のシーンではカイの姿が見当たりません。もしかしたらこの島の所有者、このネバーランドを想像の中で作り上げたのはカイなのかもしれません。

MVのビハインド映像を見てみるとボムギュが「島に流され見回しているところにカイが手を差し伸べるシーンを撮影した」と話していますが実際のMVでこのシーンはカットされています。

カットされているシーンなので重要ではないのかもしれませんがカイがまるで歓迎しているような表情で手を差し伸べているのは興味深いポイントです。

それだけではありません海辺から草原のシーンに変わったところではカイが先導していましたね。

そして最後のシーンにおいて唯一物憂げな表情でネバーランドを振り返って見ていたのはカイでした。

これらの描写から、ネバーランドの所有者はカイなのではないかと感じています。

5人の象徴

5人がネバーランドを探索するシーンの中には過去の映像作品と関連性のある描写があります。

その映像作品とは2019年に公開された「Questioning Film - What do you see? 」です。

「Questioning Film - What do you see? 」はメンバー毎に映像がありメンバーそれぞれを象徴する花や生き物が映像内に登場します。

ヨンジュンは幼虫、スビンはカマキリ、ボムギュは蝶、テヒョンは鳥、カイはトカゲです。

この象徴が「Sugar Rush Ride」のMVに登場していることは多くのMOAが気づいたポイントだと思います。

ここで一つ整理をしておくと、TXTは「THE STAR SEEKERS」というシリーズに分類される映像作品があり、「Questioning Film - What do you see?」はこのシリーズに当てはまる映像作品です。

しかしこのシリーズがタイトル曲のMVに絡むことはこれまでありませんでした。

そのためタイトル曲である「Sugar Rush Ride」のMVと「THE STAR SEEKERS」シリーズの映像作品が絡んでくるのはNOREARIKAとしては少し異質に感じています。

なぜ「Sugar Rush Ride」のMVに「Questioning Film - What do you see?」の象徴が登場したのでしょうか?

それは「誘惑の渦中にいながら、本来の自分の目的を思い出そうとしている」ということのメタファーなのかもしれません。

5人は何を見ていたのか


「Questioning Film - What do you see?」はTHE STAR SEEKERSシリーズ作品の原点になる映像です。

タイトルである「What do you see? 何を見ているか」の通り彼らにはそれぞれ見ているものがありました。

言い換えると彼らには「目的」があると読み取れます。それぞれが見ているもの、“目的”とは何なのでしょうか。

それは最後のモールス信号で明かされています。

スビン:TOMORROW 明日
ヨンジュン:PROMISE 約束
ボムギュ:HOPE 希望
テヒョン:CLUE 手がかり
カイ:SECRET 秘密

TXT作品には様々な世界線が存在していますがどの世界線においても5人には共通する約束と宿命があります。(※過去動画参照)

しかし彼らはそれらを思い出すことがまだできていません。

「なぜ会ったのか、何を探さなくてはならないのか、何を思い出さなくてはならないのか」それらの答えを見つけることが今後の彼らには必要になってくるのです。

話をMVに戻します。

「Sugar Rush Ride」のMVで彼らは「Questioning film - What do you see?」に出てくる生き物と出会っていました。

彼らが出会う生き物はそれぞれの「“目的”の象徴」になっていると考えられます。

象徴との出会い、つまり目的との再会です。スビンはカマキリと出会うことで「明日」を、ヨンジュンは幼虫と出会うことで「約束」を、ボムギュは蝶と出会うことで「希望」を、テヒョンは鳥と出会うことで「手がかり」を、そしてカイはトカゲと出会うことで「秘密」を。

誘惑に陥りながらも目的を思い出そうとしている

そういったメタファーなのかもしれません。しかし気がかりな点もあります。

それはヨンジュンとスビンはすぐそばにある「“目的”の象徴」に目を向けていないという点です。

ボムギュ、テヒョン、カイはそれぞれ対象に目線を向けているのに対しヨンジュンとスビンは「花」に目を向けています。

スビンに関しては「水」に惹かれている様子も多く見つかりました。

このことからヨンジュンとスビンは自らの目的をまだ見つけられていないとも読み取れます。

ネバーランドとの別れ


「Sugar Rush Ride」のMVは、時間が経つのも忘れて怠惰に楽しむ姿、誘惑に溺れていく姿が見受けられますが、最終的に彼らは自らこのネバーランドを去ろうとします。

これは今回のConcept 「Farewell」に通ずるものがあります。

Concept「Farewell」は甘い誘惑を振り払い、再び夢に向かって進む時であることを認識した青春を表現しているもので舟やランタンといったアイテムが象徴になっています。

MVにも同様のアイテムが登場していましたね。

ネバーランドを去ろうとするシーンはテヒョンが先導します。

テヒョンは今までの作品においても「手がかり」を探しているような描写がいくつかありました。(※過去動画参照)

今回のMVでも、島を駆け巡るシーンや何かを見つめるシーンが多く見受けられましたし、それらのシーンからテヒョンは「なんとかして島を抜け出そうとしているのではないか」と感じました。

ヨンジュンやボムギュに反抗するような振付があるのも印象的です。

誘惑に負けて宙に浮かぶシーンもありますが「“目的”の象徴」である鳥と出会った後の彼は地に足をつけています。

最後テヒョンが次に向かうために先導していく姿はしっくりきます。


ビハインド映像を見ると、何パターンか撮られていたようですがどれもカイがネバーランドから出ることに乗り気ではない印象がありますね。

カイが「Questioning Film − What do you see」で見つめていたものは「秘密」です。彼にはどんな「秘密」が隠されているのでしょうか。

これについては今後探っていければと考えています。

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