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TXT Concept ’HATE’ 考察:悲しみに縛られた少年【Thursday's Child】

バラは「美と愛の女神の象徴」とされておりギリシャ神話ではアフロディテ、ローマ神話ではウェヌスと呼ばれています。

ウェヌスにはある神話があります。

女神ウェヌスは美青年アドニスに恋をしていました。
ウェヌスに恋焦がれていた軍神マルスは嫉妬心からその美青年アドニスを死に追いやろうとします。それを知ったウェヌスはアドニスを救いに行こうとしますが、足の裏にバラの棘をさしてしまいます。

この時に流れた血が”白いバラを赤く染めた”と伝えられ、そこからバラはウェヌスの持物、愛を象徴する花としてルネサンス以降の作品に多く描かれているのだそうです。

Concept ’HATE’ で一番バラと共存するのはボムギュです。
Photoではバラを咥え、Clipでは愛おしく見つめているのが印象的ですが最後は花びらをむしり取ってしまいます。


ウェヌスとアドニスの神話には続きがあります。

息絶えようとしているアドニス。
女神はアドニスを抱きかかえ、自分の胸元をたたき、髪をかきむしりながら叫びました。

「運命の女神よ、全てが、あなたたちに屈するわけではない。アドニスは永遠に私の悲しみの思い出となり、毎年彼のために祭が開かれ、その死にざまは繰り返し舞台で演じられるであろう」


’MESS’の舞台は「抜け出せられない終わりのループ」であるのではないかというMOAの考察がありました。
この「抜け出せられない終わりのループ」を読み解く鍵は他のConcept Photoから見つけられますが(今回は省略)ウェヌスがアドニスに愛と共に与えたのは「悲しみの思い出」と「繰り返される最期の舞台」。

これが本当の愛なのか、あまりにも悲しい終わりです。
ウェヌスとアドニスの愛の物語はこのように締めくくられます。

アフロディーテが神酒ネクターをアドニスの流れた血に注ぐと、血は泡立ち、やがて真っ赤な花が現れました。
その花の名は、アネモネ

‘Questioning Film - What do you see?’でボムギュが持っていた花を覚えていますでしょうか。

ボムギュが持っていた花こそが アネモネ なのです。

この繋がりは偶然でしょうか?

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本記事はYouTubeの内容を抜粋しテキスト化したものです。
動画に含まれている引用作品や文献等はYouTubeにてご確認ください。
ーNOREARIKA