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まずは小さくはじめてみる、ということ。 atelier nora はじまりました。

 atelier nora はじまりました。

この夏に、わたしのおじいちゃんとおばあちゃんが長年住み慣れた家を、
「atelier nora」として小さくはじめました。

絵が好きなわたしの母は、12年前に癌で弟を亡くしてから、(私にとっての)叔父さんが大好きだった音楽を流しながら、この場所でギャラリーカフェを開くのが夢でした。

残念ながらおじいちゃんは、その夢の実現を待たずして天国へ旅立ちました。


この家で、家族で力を合わせておじいちゃんを看取りました。
その時のわたしは、まだ街中で一人暮らしをしていて忙しく働いていました。

おじいちゃんを看取っていく中で触れる、「家族」という感触。

一人暮らしにすっかり慣れていた当時のわたしには、一人の生活では満たされることのない不思議な感覚でした。
きっと忘れていただけなのかもしれません。


おじいちゃんを看取る時に家族で過ごした時間をきっかけに、わたしは地元に戻り、母の夢を応援しようと決めました。



それから約3年が経ち、先日小さなはじまりを迎えました。

物だらけだった家の片付けに始まり、時に文句も言いながらも少しずつ時間をかけてお家は息を吹き返し、見違えるほどきれいになりました。

そして至る所にたまったほこりが高齢になって暮らすことの大変さも物語っていました。

本当は去年の今頃には正式オープン予定でしたが、わたしたちも社会の波にのまれそうになり、一時足踏み状態となりました。

でもこの足踏みした時間の中で大きく価値観をゆすられ、あの時とは確実に大切にしたいものが変化してきたのを実感しています。


そしてなんでも早くやること、形にできることよりも、
背伸びせず、自然な流れに身をゆだねる心地よさを覚えました。

「まずは小さくやってみる」


何かやりたいことができたとき、
今までのわたしはまずは形を整えがちでした。

でもそうではなくて、まずは足元から小さくはじめてみる。
身近なひとたちと、身近なものことたちでやってみる。

この大切さを教えてくれたのは、atelier noraを準備していく時間。

最初はリフォームして照明もつけて、と考えていました。

でも今回は「jikka展(実家展)」としておじいちゃんの書き溜めた絵やおばあちゃんの手芸作品というほかの家にもありそうな題材を、ありのままの家にただ飾りました。

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照明の担当は、太陽の光。
おじいちゃんとおばあちゃんが暮らした歴史は最高の味を出してくれました。


そして最初のお客さんは、隣に住むおばあちゃん。
足が悪くなり「社会とは疎遠」と言っていたおばあちゃんにもお隣に歩いていける場所ができました。

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身近な方にも少しだけ声をかけて、足を運んで頂きました。




人間味を感じられて、顔の見える関係性に安心できる場所。

集まった方たちの渦巻くエネルギーを眺め、そんな場所の大切さを今ひしひしと感じます。

「とにかく小さくやってみる。」
そんな大切さをかみしめて。
そしてこれからの自分にも言い聞かせて。

atelier noraは秋に正式オープンの予定です。
その際にはもう少し多くの方にもお知らせできるかと思います。

今後とも応援よろしくお願いします^^


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