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娘の様な愛犬に振り回される早期退職した父。でも落ち込んだ父を見た愛犬は・・・

父が早期退職して少しした頃、寂しいという事で柴犬を飼う事になった。

小麦のような綺麗な茶色だったので、コムギと名付けた。今は9ヶ月になる女の子だ。

女の子は、性格が優しいと聞いていたのだが、
コムギは子犬の時からやんちゃな子で、ここ最近はさらに反抗期を迎えている。

特に父の言うことは基本的に無視する。
「コムギおいで〜」と父が抱っこしようとするとプイッとどこかに行ってしまい、
「コムギ、ハウス!」と言っても知らんぷり。

でもそんなわがまま娘コムギに
父はデレデレだ。

その反抗期のコムギも父の言うこと聞く瞬間がある。それは手におやつがある時だ。

父もそれをわかっているのでコムギがかまってくれない時はすかさず「コムギ!おやつ食べるか!」と食べ物で釣る。

『オヤツ!?』という単語を聞いてすぐ釣られるコムギ。

ジャーキーをあげると豹変して基本的になんでも言うことを聞くおしとやかな子になる。

「コムギおいで!」次はルンルン♪と別犬のように父の膝もとに座るコムギ。

そんなコムギを「いい子だね〜」とナデナデする父。見事に父の術中にはまったように見えたコムギだが、ジャーキーが無くなるとプィッとどこかに行ってしまう。

父だけが本当は自分がコムギの罠にハマっている事に気付いていないようだ。

現に、次の日コムギの手のひらの上で転がされている父を目にする事になる。

父がいつものように「おやつあげる!」と言ってコムギを呼び寄せたが、取り出したのはワンコ用ビスケット!
おやつと言う言葉に釣られてやって来たコムギも父の手にあるビスケットを見て『なんだジャーキーじゃないのか〜』と不機嫌な顔。

父が「お座り!お手!」と声をかけるも全く無視!

ジャーキーの時はすぐに言う事を聞くのにビスケットではあまり効力がないようだ。

おそらくコムギの中でおやつのランクがあり、ビスケットなら「行くだけ」ジャーキーなら「お手、お座り」も言うことを聞くといったラインがあるようだ。

『私を撫でたいならジャーキーを持ってきなさい!』と言っている様にも見えるまさにお嬢様なコムギ。

そんなわがまま娘に振り回される父はそれに気付くこともなくデレデレしていたところに女王さまが登場する。

「あなた、またそんなにおやつあげて!ダメって言ったでしょ!」空気が一瞬で変わる。我が家の大ボス、母の登場だ 笑
「コムギも!ハウス!」ハッと一瞬で小屋に帰るコムギ。
母の前ではおやつの有無など関係ない。

さすがコムギ、賢い子だ。この家で誰に逆らってはダメかしっかりわかっている 笑

「あなたも仕事ないんだから、そこにある洗濯物たたんでよ!」

おやつが無くてもすぐに言う事を聞く父。

母に怒られシュンッとしている父の背中は哀れだった。

でも、そんな父のヒザに偶然なのかコムギがそっと来てくれて、ちょこんと座った。

共通の敵が現れるとおやつは要らないんだなぁと思った。

今、父はコムギをナデナデしながら、嬉しそうに洗濯物をたたんでいます。

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