XGとの初めての出会い

XGと初めての出会いは去年。

大前提として私はいわゆる洋楽とされるものを主に聴いてきた。
すごく若い頃はMTVやビルボードチャートで流れる多種多様なジャンル。
十代後半からはずっと、US・UKオルタナティブロック。
グランジやブリットポップ。
それからビートミュージックも少々。
いわゆる邦楽もほとんどロックが中心。
それも自分の中で響いた限定的なもの。
同年代だと例えばくるり、スーパーカー、ナンバーガール。
それからGREAT3。このバンドは自分にとって特別なバンド。
他にも沢山あるけど。

XGを知ったタイミングの具体的時期は、はっきり覚えていない。
知ったきっかけも判然としないが、確かいつも聴いているポッドキャストで最近気になる日本のアーティストとして、出てきたような。

文脈として、今の日本のアイドル的な存在の中のひとつとして、気になる紹介のされ方だったように思う。
K-POPがある中で、それに対して日本のグループも頑張ってる的な。

アイドルには全く興味がなかった。男の性的願望、または搾取されるものの象徴。そんな偏見。
男性アイドルはただ、興味が湧かない。
BTSやBLACKPINKはいいと思っていたけど。彼らはアーティストだと思っていた。
それからTWICEも一時期ハマりかけたこともあったな。

とにかくまあ、なんとなくの気にはなったので、興味本位でyoutubeで検索した。
最近の日本の若いアイドル?アーティスト?として、典型的な音楽好きおじさん仕草で。

その曲はshooting starだった。

あ、その前にXGでgoogle検索してビジュアルを検索したんだ。思い出した。

第一印象は、avexっぽい。何か、彼女たちのルックスの統一感がない。
変なグループだな。
ポッドキャストで「彼女たち、頑張っているよね」と言われていた言葉が印象に残っていたのもあるけど、アイドルオーディションに落ちた人たちが集まったようだな、とも思った。
K-POPの数多のグループがモデルみたいな人ばかりだったこともあるけど、
最低だな、こうして書いてみると。
でも、それが私の思った本当のこと。

MV動画のプレイボタンを押してみた。
先ずカラーの雰囲気がavexっぽい。なんかダサいなあ。
ただ、ビートが鳴った瞬間、軽い衝撃を受ける。
本格的な重いビート。前面にビートを感じる。
アイドルだと思っていたから、あれ?
それから個性的な声でラップ。ん??
なんか思ってたのと違う。

でもブルーを基調とした暗めなビジュアルは私の中でのavexそのもの。

はっきり言うと、avexというレーベルは好きではなかった。
日本的な商業主義的な音楽。そういう偏見。

でも、聴こえてくる音は止める気分にはならない。
Bメロ?からサビになる頃には、あれ、すごくいい曲??
でも彼女たちのルックスはなんかダサいな。
衣装もMVのビジュアルも、奇抜でちょっと昔流行ったものの継ぎ接ぎみたいに見えた。

ALPHAZの皆さん怒らないで。
中年おっさんの偏見だから。

彼女たちそれぞれの当時の私の第一印象。

チサ→歌は上手いけどなんか意地悪そう
ヒナタ→金髪で派手だけど一番個性がない。
ジュリン→ルックスは印象に残るけど、一人浮いてないか?声が変。
ハービー→日本人ではない?モデルみたい。声が個性的すぎないか?
ジュリア→一番可愛らしいけど、歌は上手いけど。まあね。
マヤ→韓国の人?ラップ担当なのかな。
ココナ→絶対ラップ担当だな。

とまあ、酷い偏見まみれの印象を感じつつ、色々混乱しつつ、
ブリッジ部分になる頃には、これはいい曲だ。ちょっとヤバいな。この曲は好きかも。

でも先に書いたようなビジュアル全体の印象もあり、これはアイドルなの?
何なんだ??と混乱もする。

で、他にもと思い、検索をするとドキュメンタリーがあった。
XTRA XTRAシリーズ。

ちょっと見てみるか。
20分くらいかな、観てるとしんどくなった。
当時、仕事でメンタルが不安定だったこともあり、
彼女たちの一生懸命な姿が、なんか追いつめられる気分になったのだ。

当時の私にはそれ以上は観れなかった。
何だか気分が落ちて、それ以上はXGを調べようとしなかった。
一回しか聴かなかったけど、あの曲は良いと思った。
でもそれ以上でも、それ以下でもなく。

それから、どれくらい後かは分からないが、
仕事や色々なことが原因で、鬱になった。


今現在の私はXGが大好きだ。一番好き、と言っても過言ではない。
先に挙げた彼女たちの印象も、MVの印象の全て覆されている。
大好きなMVだし、彼女たち、ひとりひとりが大好きだ。
その中でもヒナタが好きだ。
とにかく彼女たちの存在にも、何よりもXGの音楽に活力を日々貰っている。

XGのことなら、いくらでも書ける。
でも自重はしつつ、これから時々書こう。

今回何が言いたかったかというと、XGの魅力ではない。

仕事や日々のあれこれがあって、問題を抱えていて、
気持ちの余裕がないと、どんな素晴らしい音楽であっても、
届かないことがある。
受け止められないことがある。

それから決めつけと偏見の愚かさ。


鬱病は、どんな素晴らしいあらゆる芸術を前にしても無にしてしまう。
何も感じられなくなること、それが鬱病の恐ろしさのひとつだと思う。

回復しつつある(そうであって欲しい)今だから、
日々、それを取り戻しつつあることに喜びを感じる。

音楽がない人生は、人生ではない。
映画がない人生は、人生ではない。
本がない人生は、人生ではない。

でも、それがなくても、人は生きていけるのだろう。
でも、そんな人生はもう必要ない。

今、心から強くそう思う。










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