宇野維正さんのこと。生き恥を晒します。
読んで貰う前に下の注釈を前提に読んで頂ければ幸いです。
『タナソウウノコレキクナル』なるものからの脱出と悔悟』←8/22当時のタイトル
もう二人の活動を追うのは止めよう、と思い至ったよ。
「あ、そう」であればそのまま閉じてくださいな。
うそうそうそ!お願い、ちょっと付き合ってくんさいな。
ちょっとでも「は?なんで?」と思ってくれるなら、どうかお付き合いくださいな。
で、これは断じてキャンセルではない。
私はキャンセルカルチャーが死ぬほど嫌い。
それから感情反射でもない。あの菊池成孔なる人のツイートはちゃんと何度も読んだ。文脈だけ切り取って反応した訳でもない。
全部のツイートを読め?
そんな暇あるか、ぼけ。
そう、あの一件がひとつのきっかけではある。
まず先に言っておかなければならないのは、私が今現在、鬱で仕事をしていないから血迷ったわけでもなく、感情的になっている訳でもない。
そこは本当に信じて。お願い、信じて。
だからこそ、すごく悲しいともいえるし。喪失感は否定できない。
ハートブレイクよ。
でも、仕事をしていない、ある意味空白な時間を過ごしているからこそ、冷静に考えに考えた、とも言える。
もし、鬱にもならず、仕事を今もやっていたら、「時々宇野さんのつぶやきをチェック(時々、本は買って)して、タナソウさんのサインポッドキャストを聴いて(タナソウさん本を書いてくれ!って思いながらもドネーションせず、なんかごめん)、それで少し気休めになって、またうんざりする仕事に向かっていく」、そんな日常であったと思う。
何たる皮肉。あのままでいたかったよ、ほんと。
でも、このままではいけないのだな、と思ったわけ。
きっかけは、3つある。
ひとつは、菊池成孔の一件。
菊池成孔というとんでもない才能の塊というか、とても全活動を追いきれない、狂気的な博識と音楽家としての才能、読むのが疲れるほどの圧倒的情報量の文章表現とかなんとか…。
まあ、そんな人がサカナクションの山口一郎のことをつぶやいていた訳だ。
「ちょっとなんだかサカナの山口くん、ハリキリ過ぎてやしないか?誰かそろそろ止めて休ませた方がいいんじゃない?僕も経験してるからさ、音楽できても安定してるってことは言えないよ。音楽以外のオモロ的なこと、ちょっと危ういな。周りは面白がってるけど危ういと思うよ。スタッフーなんとかしなよ」
これ、超意訳。でも私にはそう読めたわけだ。
読解力ない?知るか。
ちなみにサカナクションは特に思い入れはない。ちゃんと聞いたことがない。でも鬱病だった私は山口一郎のNHKのドキュメンタリーを観た。
まあ、他人事ではない、というか自分とシンクロする部分があった。
「自分が引っ張っていかなければならない重圧」
「誰にも頼れない孤独感」
そんな感じがビリビリと感じたわけですよ。ああ、わかるわってね。
分かった気になるなって、自分でもツッコんでるから、そこは安心して。
で、サカナクションの音楽を少し聴いてみたけど、まあハマりはしなかったよ。でも「宝島」「忘れられないの」とかはイイね!って思った。
で、Twitterのクソ仕様のタイムラインに時々彼の個人活動が流れてきたりしたんだけど、「目がヤバい!」と直感的に思ったの。あれ?大丈夫??ドキュメンタリーでもそうだけど、音楽はできるとして、そこまで個人活動するって、「しなくては、いてもたってもいられない」とかではないよね?
と、他人事ながら心配になったのよ。
だってさ、「鬱」は千差万別で人によってグラデーションが伴うものだけどさ、躁鬱の落差はほんとーにしんどいからね。他者には理解できないと思う。孤独の極致。だから、こわいのよ。
そんな風に思っていた私が、失礼にも菊池さんに超ウザ絡みしたってわけ。
なんで?
音楽家の先輩として、神経症の先輩として心配・アドバイスしてんじゃん。
何が悪いん?
「繰り返すが、音楽は良くも悪くもない」
ここに引っかかったのだよ、私は。
そこ言う必要ある?って。それが知性の表れ?諧謔的表現の一部?
他にもね、あるけどいちいちあげないよ。
でも「ディスってる」とは思わない。菊池さんがまた病んでる?
そんなの知らんがな。
そうじゃなくてさ、こう思うのよ、私は。
あれを本人読んで「よっしゃ!菊池先輩!おれ、がんばる!」
あれをスタッフ読んで「菊池さん!分かりやした!山口止めますわ!」
ってなるか?
なるわけないじゃない。
あの蘊蓄溢れた諧謔的表現でさ。
理性では理解できても、感情では傷つくと思います。
そんなことやる必要ある?
「わざわざ」言うのならもっとストレートにさ、運営に苦言するでいいじゃない?
経験者なら、尚のこと。
で、それの一連のツイートを尊敬するパイセンの宇野さんがRTしてる訳さ。
あ、まあそうなのかな。となんか、ちょっとおじさん、傷ついたの。
「産業の味方」と敢えてヴィラン役を引き受ける宇野さんが好きだし、全然音楽趣味は今じゃあ合わないけど、やっぱり映画ジャーナリストとしての宇野さんは尊敬しかないし。でも時々、うっ、パイセンキツイっす、ってなるけど、それはリスペクトしてるから許容できるって訳だ。
でも、菊池成孔って、私より少し上の世代に評価がすごい高いんですよね。
多分、カリスマ的存在なんだと思う。
いや、宇野さんは全て読んで理解してのRTなのは理解してる。「理解」が多いな。「勝手に他人のことを理解したつもりになるな」って自分にツッコミ入れてるから安心して。
でも、私はあの「わざわざ投稿したツイート」としては、やっぱり「思いやり」が欠けていると感じたの。人としての思いやりね。
表現や文化に思いやりなんていらないかもね。
でもツイートってただのツイートでしょ。だからこそ、刺さることもあるでしょ?
山口一郎は多分、まだ渦中だと思うんだけど。鬱はこれも、人それぞれだけど、ずっと付き合わなきゃならないものだと思ってる。あと「前と同じように戻れない」はず。多分。
まあ、いいや。そう言ったこと含めて、菊池成孔とか宇野惟正とか、そういった巨大なパイセンにうんざりしちゃったの。
いや、そんな短絡的なことじゃないんだけどね。
宇野さんと速水さんの文化戦争という話がすごい面白くて、あれから毎日考えてた。別の記事でも書いたけど、自分が労働者階級で底辺の人間だとあらためて感じもした。寂しいし、ゾッとするよ。
菊池成孔とかって、ある意味私のような下流社会で音楽や映画を愛する人間にとってはアカデミック過ぎて敷居が高いわけ。クソほどコンプレックスがあるし、オザケンもそうなの。この2人、ってそんな存在(なぜか小山田はダイジョブ)。それを好きな人も苦手だった。宇野さんは(菊池さんをどこまでお好きなのか知らないけど)そんな中でも好きにはならずにいられない、稀有な存在だった。
色んなことを教えて貰った、パイセンですよ。ちなみに音楽的には合わなくなったと言っても、最近はNewJeansを宇野さんから知ったしね。
ちなみにロッキンオン→BUZZ時代は多大な影響を受けやした、とさ。
だからさ、すん、となったんですよ。
それからね、菊池成孔って私が「もっとも影響を受けた田中宗一郎ことタナソウさん(20代はSNOOZERが親友だった)」のポッドキャストの株主総会に出てたんですよ。
うわ!ここにもいた!って感じよね。
学歴コンプレックス。アカデミック的なものに対する嫉妬メラメラ。
それを咀嚼理解できないことへの敗北感。
それでさ、あれ?俺ってどこにも属せない?やっぱり、どこにも依るべき場所がない?ってなったのよ。だって菊池成孔がいる場所にはいたくないし、それを支持する人の話なんて聞きたくない、ってやっぱり思っちゃうのよ。
これってキャンセル?違うよね?
キャンセルかなあ…。
あとね、タナソウさんがさ、ポッドキャストでいつも前口上として、ドネーションの話をするじゃない?あれ、別に何とも思ってなかったの。でもさ、去年の年末から鬱になって休職してから、いや、その前からずーっと心の支えになってたんだよね。あの番組って。
で、休職してから、本当にきつい期間が5か月ぐらいの間だったんだけど、希死念慮が浮かんだり自己嫌悪の毎日。
そんな日でも、タナソウさんのやってるサインポッドキャストに、文字通り支えて貰ってたの。これはほんとーに。宇野さんもだよ。というかあの番組に出てたみんなね。POP LIFEを聴き直したりして、勇希さん、戻ってきて!とも思ったりしたよ。あの人の存在もでかくてさ。素敵だし。
まあ、でもね。だんだん前口上がしんどくなってきた。
だってやっぱり力になりたいじゃない。
稼ぎも少ないし金ないくせして、色んな媒体をサブスクリプションしてるけど。サッカーとか映像配信系とか。
でも一番、世話になってるサインポッドキャストにはドネーションしてなかった。
そのことが妙に重みになってきちゃったんだよね。
6月ぐらいから行動療法ができるようになって、SNSとかnoteとかできるようになってから、とくにそれを感じるようになってしまった。
不思議なもんでね。仕事をしていない、「真空の中にいる」「遅れて来たモラトリアム」そんな時間を過ごしているからこそ、色んなことがクリアに見えて来たってわけ。
で、妻ともそれが理由で喧嘩したりして。
いや、ドネーションのことね。妻も私が愛聴していることは理解してるけど、他にも色々とお金結構使ってるんですわ。
でも、出せない金額ではない。でも、まあ色々些末なことがありますよね。
夫婦の間でも。
随分とまあ、長くなったな。3600文字も書いてるわ。
いや、いつも見切り発車で書き始めるんだけど、途中で実はあることがあって、ちょっとトーンが変わってきたの。
色々と考えて、これを機に、一旦「タナソウ・ウノコレ」的文化圏から、言ってみればエコーチェンバーから離れるタイミングなのかも、とね。
もうちょっと、なんかくやしいからアカデミックなところに着手するというか、学がないなりにも、ちょっとチャレンジするべきじゃないか、って。
だって菊池成孔みたいなもん、嫌いだもの。
『半端な治療を受けてる半端な患者がメンタルシックリベラリズムぶってオレに絡むなんて1500年ぐらい早うございまするわおほほほ』
だなんて言われた日にはチキショー!ってなるでしょ(笑)
クソじじいが!ってね。
…『戦前と戦後』ってアルバムは最近知って好きです。
他はしばらくは聞かないし読むかあ、ボケがあ!
だから、もう自分が愛して支えてきて貰ったパイセンから卒業メモリアルしてからに、今、夢中になりつつある歴史学者のパイセン加藤陽子さんに専念して、カルチャーなんてくそくらえじゃこらあ!ってなってたんですわ。
フォローも外しましたよ、みんなの。みんな嫌いじゃーつってからに。
なってたんですわ。さっきまでね。
そしたらさ、三原勇希さんがさ、わしのクソキモイ自分酔いの駄々洩れnoteのリンク先ツイートにイイね!ってしてくれたの。
あの優しい声で「ちょっと落ち着いて」って言われた気がした。
天使かよ。
すごいタイミング。
あわててみんなのフォローを戻しましたよ。
なんか知らんけど。
勇希さんもフォロー外したのは、流石にね、恥ずかしいわ。
全部恥ずかしいわ。
タナソウさん、今度こそ本当にドネーションします。
定期的にします。これからもお願いします。
生き恥を晒して、今日も頑張っております。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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