Twitterでつぶやく前に一度考えなよ

今朝は調子が悪かった。
また5時間しか眠れず、ぼんやりとした頭でノートPCを開き電源を入れる。
イヤフォンを両耳に付けて、パスワードを打ち込み、Chromeを立ち上げる。YouTubeとTwitterをそれぞれ選択して、先ずはYouTube。
登録チャンネルで何が更新されてるかチェック。
次はTwitterをチェック。
フォロー中のTLをチェック。
何が起こっているかチェック。
何を探しているか分からないがチェック。
チェック、チェック、チェック。

最近、このTLって変わったと思うんだけど、あまり誰もそのことに触れてない。自分がそれに今まで気づいてなかっただけ?
「おすすめ」「フォロー中」って2つのTLが選べるようになって、しかもフォロー中のTLは本当にフォロー中の人だけが時間軸も正しく、表示される。
これっていつから?
昔に戻って嬉しいじゃない。
でも、とくに誰もそれに触れていない。
おかしいな。やっぱり、自分がこれまで気づいてなかっただけ??
something ain't right.

頭痛が酷く、それでもなんやかんやとつぶやく。
RTもするさね。
「子がいなくて猫だけで惨め(ごめん、かなり意訳)」で悪名を轟かせたアメリカ合衆国上院議員J・D・ヴァンスの動画を観て、彼の出自のことについて少し知り、必殺ご意見表明をしている私。
まあ、恥ずかしいこと。
それでもこれは思考実験なのだと自分に今、言い聞かせている。
いい気なもんだ。
でも、今のTwitterって楽しい。
ちょっと政治意識高いエセ社会派みたいな自分も嫌いじゃないよ。
まあ、それなりに真剣につぶやいているんだけど。

好きな音楽をつぶやいたり、今、絶賛ハマり中の絵文字を使ったり。
かと思ったらYouTubeのチャンネルにコメントしたり。
それでも、どんどん頭痛は酷くなり、気分は鬱々としてくる。

今日は午後に、人命も危ういほどの灼熱の中へ車のない私たちは、自転車でえっちらおっちら、妻と食材の買い出しに行く予定だ。
このままでは危ない、と思った私はできるだけ飲まないようにしているバファリンを服用する。

ベッドに戻ったら妻はまだ寝ている。
でも、もう8時過ぎだ。そろそろ起きてもおかしくない。
というか、一度起きたな、と気づいた、私は。
なぜなら、両手を胸に丁寧に組んでミイラのように寝ている。
それは、妻ではない。
妻とは、自由に寝る人だ。
私がいなくなったダブルベッドを自由に行き来して、両手もあらぬ方向へと伸びているのが通常運転。本来の妻の在り方。

隣の定位置・スペースに寝転んだ私は、ふうと一息ついて天井を見上げる。
当然、頭痛はまだしている。
はあ、全く。せっかくの休みなのに。いや、毎日が休みみたいなものか。
だって、鬱だもん。

寝なければいけない。寝なければ、間違いなく午後には支障が出る。

何より、妻は一昨日の夕刻に生理になっているので、昨日の夜はダウナーの極致だった。タイミング悪く私もまた、3日連続行動療法が順調に行けた=気力体力を使った反動からのメンタルダウン。

そういったこともあって、昨夜はまるで倦怠期の夫婦のように、会話は最小限にして早々に、私は先に寝たのだった。
これは、私が鬱になってから得た、夫婦で編み出した阿吽の回避策。

いつも先に私が寝るのは、いつものことだが。

それでも、昨夜はまあ、互いにとって気持ちのいい夜ではなかった。
それも仕方のないことだ。よくある日常のこと。
でも、時々、いやかなりの高確率で妻は自分が原因ではないかと、思う癖がある。似た者同士だな、全く。

そういうことで、今朝は間違いなく妻はダウナーだと予測していた。
ただ、そこにきてのミイラのポーズの妻。
これは、ひょっとして大丈夫なのではないか?

なぜなら、ダウナーな妻はそんな整った姿勢では寝ない。
ダウナーな人間は顔や体を隠すかのように寝ることが多い。
それは私がよく知っている。

真横から見ると、妻の唇は少しだけプイと突き出しているように見えた。
なんとなく、ぼーっとそれを見てると、普段寝ている妻に対してそんなことはしないのだが、どうしてもいたずらをして起こしたくなった。
妻の唇を左手人差し指で、プルン、ってやりたくなったのだ。
なぜだか分からない。本当に理由はない。
寝起きの妻は機嫌は良くない。特にダウナーな可能性が高い。
そもそも誰だって、いたずらされて起こされたくない。

でも、どうしてもやりたくなった。

その時、不意にあるフレーズが、下りて来た。
本当に下りて来た感覚。これが天啓ってやつ??
ミュージシャンってよくそう言うじゃない。
突然、天からメロディーが下りて来たんだよって。まさにそんな感じ。
「降」りて、か?
「下」りて、で合ってる?
どっちでもいいか。

「くちびる、プルンプルンプルン♪」

それはあの印象的な曲のフレーズと共に下りて来た。

全くウケを狙ってる訳でもないし、もちろん、ブラックピンクを馬鹿にしてもいない。でも、一応謝っておこう。
ごめんなさい。

もう、自分の中では面白くて仕方がないし、なんてぴったりなフレーズだろうと、我ながら感心した。
迷ってはできない。だから、すぐに私は実行した。
そっと歌いながら、人差し指で妻の唇をプルン、プルン、プルンっと。

その後どうなったかは想像に任せるとして、こういった私も行動もそうだけど、普段の言動も思いついたら「既に声に出していた」ということが多い。
これはあくまで夫婦間・プライベートな時間での話。

仕事では全くそうではない、割と理知的な人間として振舞っている。

だから、余計な一言を言うことが多い。
言わなくてもいいこと、やらなくてもいいこと。
妻は我慢強い人だ。だからこそ、私と一緒にいてくれているのだろう。

ついさっき、どんなやりとりだったかは忘れたけど、また余計な一言を妻に言った。言ったのだろう、私は。

妻は流石、私と13年もの間、共にして下さっている。
そのものズバリ、今の私の日常全てに通ずる重要な核心を、キラーフレーズで突いてきた。

「一度、言う前に飲み込んで」

なんて気の利いた台詞だろうか。


最後まで読んでくれてありがとうございました。

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