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てきぱきとすぱすぱと迷いなく

うちの車を診てもらっている整備工場は、おいちゃんとおばちゃん2人でやってる昔ながらの小っちゃな修理屋さん。おいちゃんは若いころ草レースをやってた人で、今も工場の裏にセリカのリフトバック2000GTがレストア待ちになってたりするし、そこいらにトヨタの古いツインカムエンジンなんかが無造作に転がっていたりする。ここへ引っ越して来たときそんな景色を通りがかりに見て、「ああここなら自分と波長が合いそうだなあ」と思って車の整備をお願いした。だからもうそろそろ9年の付き合いになる。

おいちゃんもおばちゃんも無類の猫好きで、かつては十何匹もいたらしいけれどだんだん少なくなって今は2匹だけ。だから車を持って行くといつも猫の話をして来る。
3年前だったかそこの男の子が尿結石になった。その時はとりあえずうちの近くにあるダメダメ病院へ行ったら原因も分からず処置も出来ずのダメダメぶり。最後には沼津にある救急病院を紹介され事なきを得た。そのことは以前ブログに書いた。

先日車検を頼みに行ったら、その子がまた半月ほど前にもおしっこが出なくなったらしい。ご夫婦は先の一件のあと我が家の猫たちがお世話になっているA病院を紹介して以降はずっとそこへ通っている。今回も連れて行ったらすぐに処置してくれて、経過を見るために一泊入院になり、翌日迎えに行ったら8万円請求されて仰天したらしい (T_T) でもおいちゃんは「あの先生が8万円って言うなら8万円の仕事してくれたんだろうね」と肯いてた。僕にはおいちゃんの思いがよく分かる。自分の車を直してもらって20万円請求されたら最初は驚くかも知れないが、おいちゃんが20万円と言うならそれだけのことはしてくれたんだろうなって納得するから。

僕は自分自身があまり病院へ行かない人だから人間の病院がどうなのかはよく分からんけれど、相性の良い動物病院を見つけるのはなかなか難しい。引っ越してきた当初、近所の人たちにどこの病院が良いか尋ね回ったけれど皆言うことが違う。ある人が良いと言っても別な人は嫌いだと言う。だから結局は自分で通って判断するしかない。今うちの子らがお世話になっている病院もここへきて4軒目にようやっと巡り会った。
今のA病院は適正な料金で診てくれることもありがたいけれど、何より若い先生の判断と処置がてきぱきすぱすぱと迷いがないのがいい。僕は医者でも整備士でもそういう職人肌の人が好きだ。かつては自分自身も職人だったから、「迷いがない」ことの意味するものが豊富な経験と想像力の賜物だと分かっているから。それ故に猫たちはA病院へ連れて行き、車の整備はおいちゃんの工場に持ち込むんだ。

あと10日したらうちのとらじは折れてしまった下の犬歯2本の抜歯手術をすることになっている。A病院の先生とスタッフさんならなんの心配もしていない。心配なのは手術前夜からとらじを隔離して絶水絶食させるのに僕のメンタルが耐えられるだろうか? ってことと、何も知らず怖い思いをするとらじの心情だけ。とらじ、一緒にがんばろうな。

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