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240323【S世田谷-Aハリマ】選手たちはかっこいいよ

2024なでしこリーグ第2節
スフィーダ世田谷FC vs ASハリマアルビオン
@味の素フィールド西が丘
2-0(2-0, 0-0)

プロだからとか、アマチュアだからとか、そういうのは関係なく、勝負やプレーにこだわる姿勢は格好いいし、感動も歓喜も与えてくれる。

記録

スフィーダにとっての今季ホーム開幕戦には646人が集まった。幸い、天気はキックオフ前に雨がぱらついただけで、試合中に雨具は必要なかった。

試合開始時の両チームの並び

主力やチームの顔、多数の選手が抜けて新しい選手が多く加入した新生スフィーダは、試合後の石野妃芽佳さんの言葉を借りるなら「これまでよりもイケイケ」らしい。序盤は亀井七奈さんの裏抜けのスピードと、入れ替わるように飛び出してくる千葉園子さんを捕まえるのに苦労したスフィーダは、根本彩夏さんシュートがクロスバーを叩いて会場が沸き、直後の22分に新堀華波さんが古巣相手のゴールで試合を動かした。右からのクロスを堀江美月さんがスルーして、背後からするっと抜けた新堀さんがワントラップから冷静に決めた。

ハイラインの裏を狙われながらも、GK含めてカバーし切ったスフィーダは、前半終了間際にCKが続いて、混戦から堀尾さんが蹴り込み、リードを広げて前半を終えるという、ホームチームやサポーターにとっては熱の上がる展開となった。が。

56分に亀井さんの裏抜けに対応した根本さんがファウルを取られて一発退場。ファウルに該当するかどうかは主審の裁量によるかもしれないが、反則であれば状況的に得点機会阻止になってしまうので、レッドカードもやむなし。控室に戻るとき、泣いちゃっていたから少しかわいそうではあるのだが……。

まずは望月麻央さんを右に、新堀さんを中盤に落として4-4-1で急場をしのぐと、宍戸七海さんの投入で5-3-1に。神川明彦監督は早々に割り切ってラインやコーナーへ逃げる、戦略的な戦いへシフト。これが熱かった。

守勢が続く中でもラインはある程度高めにしたままで、とにかく中盤3枚と両ウイングがひたすらチェックに走りまくり、時には引っ掛けるという、スフィーダは見ている側が応援したくなるような戦いを続けた。今日の金子、新堀、望月、中村、渡邊の誰かを見ておけば、次の試合も見てみたくなると思う。

ゲストのまるりさんが渡邊那奈さんをMIPに選んだのはナイスチョイスだった。印象的なプレーはいくつかあって、25分に裏を取られた際に、石野さんのクリアが阪中澪さんに拾われてゴールが空いている状況だったのだけれど、渡邊さんがスライディングでコースを切り、「ひとまず蹴らせない」という選択を相手にさせたことで、陣形を整える時間を作ったこと。プレー選択をほぼ間違えていなかった気がする、さすが帝京平成大学卒矢野喬子さんの教え子。

現地にいると監督の指示やアクションもわかるから面白い。後半開始直後に前プレから相手のパスをブロックした中村ゆしかさんに、テクニカルエリアから寄っていって褒めながら拍手していたのは情熱を感じて楽しくなっちゃった。

あとは試合後のハイタッチで、みんな終わったあとに遅れて出てきた子にも、戻ってきてハイタッチしてあげる樫本芹菜さんに優しさを感じた。前半終わった後や試合後にいろいろな選手にアドバイスもしていた姿も、チーム力を感じて印象に残っている。2節目でいろいろな手を見せたことで、今後どう対策され、それを攻略していくのか、これも1つのポイントになるのではないかな。まずは右サイドバックを誰が務めるのか、からか。

ハリマ的にはシュート精度を欠いたかなという印象。もしくは前半もっとしつこいくらいに亀井さんでもよかったと思う。スフィーダが5枚にしてからはカバーされやすくなったので、もしかしたら11人対11人の方がやりやすかったのかもしれない。

冒頭でプロアマ関係ないよと書いたはものの、なでしこリーグ勢がこれだけの熱量を与えてくれるのならば、WEリーグ勢はプロとして何を見せるべきだろうとも考えもした。もちろん、プロだからこそできるプレー以外のこともあるし、仕事をしながら試合を迎えるなでしこリーグ勢だからこそ、より身近に感じてもらえるなど、全部が全部ピッチの中だけの話ではないし、それぞれに良さがあるので、甲乙をつけたいわけではない。WEリーグだから、なでしこリーグだから、1部だから2部だからとか、そもそもの尺度の持ち方を考える必要があるのかもね。

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