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210203【シュトゥットガルト-グラートバッハ】

DFB POKAL 20/21 ACHTELFINALE @Mercedes-Benz Arena
1-2(1-1,0-1)

公式
シュトゥットガルト
3-4-2-1
グラートバッハ
4-2-3-1

過去のハイライトのコラージュ

自陣からのロングカウンター。先制しながら逆転負け。アグレッシブな守備に苦しみ、5枚で逃げ切る相手を崩しきれない。直近のリーグ戦からシーンを抜粋したような内容で、残念ながら敗退という結果に。

開始早々に「あれ、なんかこの前も見たぞ?」みたいなプレーでシュトゥットガルトが先制に成功。相手のシュートをブロックし、自陣PAアーク付近からディダビが前線へ。ハーフウェーライン手前、中央右寄りでワマンギトゥカが受けると、一人かわしてPAまで独走。やや時間がかかってDFが対応にきたけれど、冷静にかわして左足。やはりカウンターを完結させてくれる選手の存在は大きい。

とはいえ、前半はほぼグラートバッハのペース。コンパクトな陣形で(日本基準のコンパクトさよりもやや広い)攻撃をするので、トランジション時もすぐに複数人が連動して、出し手と受け手の両方をケアできる。普段は自陣からでも短・中距離のパスで前進していこうとするシュトゥットガルトに、ロングパスを多用させてボールの回収率を上げた。A3rdでのFK、CKも多く、点は取れないながらも押し込み続けた結果、終了間際にテュラムが見事な同点弾を奪取。最終ラインも相手陣地に入った状態から、ギンターが斜めのくさびを入れ、プレアは半身で小さく横パス。シュティンドルがシンプルにはたいてテュラムが右のスポットへ進入すると、DFをかわして左足一閃。逆サイドのポストを叩いて、ボールはネットに吸い込まれた。

前半のシュトゥットガルトはいい形で先制したものの、攻撃の形は左からのクロスが大半に(それでもSASA-SOSAラインが3本くらいあって、十分可能性を感じさせたけれど)。カライジッチがいるので、蹴らされていたとしても、気持ちにゆとりはあったのかもしれない。45分にディダビがオフサイドを取られたシーンのソサのクロスは120点。受け手がちょっとだけラインを意識するだけで、真逆の結果になったと思う。ただ、2列目と3列目の間が異様に空いていて、チャンスはあっても単発に終わることが多かった(シュートで終わったと考えれば悪くないのかもしれない)。守備の時間が長い中でも、そこで追加点が取れていればというよくある「たられば」になってしまった。

残り時間の考え方

得点となった際にVARがチェックする「攻撃の起点」は、おそらくマブロパノスが自陣でボールを失ったところだと思う。一度ボールは下げさせたので、これがピンチ直結ではなかったものの、アディショナルに入ってそんなところでロストをしたら、味方全体のベクトルが後ろに大きく傾いてしまう。相手のCBもぐっと押し上げてくるし、ラストプレーかなと思ったなら、勝負のパスを狙ってくるはず。時間帯と状況を考えたら、申し訳ないけれども悪手だったと言わざるを得ない。

後半の失点シーンは遠藤のトラップミスから。即座に裏へ蹴られ、ブレッドロウが飛び出そうしたが、まさかのスリップ。出遅れた結果、中途半端な対応となり、あっさりとかわされてしまった。また、失った後の最終ラインがバラバラで、マブロパノスがラインを上げきれなかったことも痛い。
失点はしたものの、前半と変わって前から奪いに行く姿勢を示したシュトゥットガルト。フェルスターが入ってからは左のスポットを突く機会が増え、チャンスそのものは確実にあった。ただ、セカンドボールが拾えない。マンガラの方が前に出ていくので、こぼれ球に寄せるのは大抵遠藤なのだが、デュエルの状態になる前にパスを出されてしまう。しかも、相手最前線1枚に対して後ろは3枚残したままで、遠藤が寄せるタイミングでトップにプレッシャーをかける選手がいない。そりゃボール取れないよ……。
少し横道へ逸れるが、ブンデスリーガ前半戦・遠藤のデュエル勝利数が評価されたことは素直に嬉しい。ただ、今日みたいな展開だと「勝率」はどうなのかなっていう情報も知りたくなる。

グラートバッハはテュラムをヴェントに変えたタイミングで、5-3-2へとスイッチ。相手のポゼッション率は高まるが、自陣でのブロック形成を優先した戦い方を選択した。リーグ戦では終盤に勝点を失うことが多く、直接対決でも疑惑のPKで追い付かれている。残り時間も15分ほどあったので、これがどちらに転ぶかは非常に興味深かった。引き離すチャンスもあったので、そこで仕留め切れていれば、誰もがWunderbar! と言っただろう。もちろん、結果的には吉と出たわけだが。

代表選手は間違えない

シュトゥットガルトにボールを持つ時間を与えながらも、じゃあ易々とボールを失うのかと問われればそうではない。シュティンドル+中盤3枚+ギンターは、相手が寄せてくる前に、確実に100%通るパスコースを選んでボールをつないだ。無用な接触や勝負球を避けるあたり、時間や状況を理解しながら、試合のテンポをコントロールしていたと思う。非常に頭がいいなと。些細なことかもしれないが、若いホームチームと異なっていた大きなポイントではないかな。

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