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220726【日本-中国】スコアで上回るだけが勝利条件ではない

EAFF E-1 サッカー選手権決勝大会第3節@ 茨城県立カシマサッカースタジアム
0-0(0-0, 0-0)

点が入らなかったこと以外は好感触。考えようによってはそれすらあり。

記録

前線は初めての組み合わせだったが、2トップ含めての追い出しからクサビをつぶしてのセカンドボール回収と、各選手がチームとしての狙いを十分に理解できていた印象。相手のゴールキックが飛ばないことや、パント対応で千葉をターゲットに当てるなど、スカウティングも活かせていたようで、危ないシーンは前半終了間際のクロスだけだったのではないかな。

相手サイドバックへの二度追いを指示したり(人を間違える微笑ましさもあったが)、CBがスローインを受ける立ち位置を修正したりと、やはり山下は細部にこだわってくれる。オフザボールでは常に相手の最終ラインを意識してボールを要求していた千葉。もっと使ってあげる回数が多くても面白かったかも。最前線で体を張れる選手が少ないだけにSH起用はもったいないかなとも思ったが、この日の2トップのようにプレッシングスタイルかつ相手のコンパクトさを逆手にとれるのであれば、スプリントを繰り返せる千葉を外に置くのも効果的だと思った。

前が追っても後ろが連動したポジションを取らないと意味がないので、ボランチ2枚やSHも挟んだりコースを切ったりしていたし、逆サイドに展開された時の宮澤の危機察知力も高かった。2列目も突破力のある選手だと、SBはマルタ・トレホンやアシュリー・ローレンスみたいに、必要な時に必要なことが絶対にできるタイプの方がいいのだろうか。

先発の前線4人は全員があとわずかというシーンまで至ったし、成宮も自分で仕掛けてコースを作りにいき、清家も角度のない位置からクロスではなくシュートを選択してくれた。

勝たなければならないシチュエーションであれば、残念でしたねとの声が大きくなるかもしれないが、大前提として引き分けでも優勝。今後そういう状況になった際のシミュレーションにもなるし、アジアカップは失点してはいけない状況から失点しているのだから、バカみたいに前がかりになるよりは、ゲームマネジメントを習得に重きを置いたことを高く評価したいと思っている。特に終盤は相手が強引に点を取りにくる展開も想定された中で、ゲームコントロールとしては試合開始から引きこもったわけではなく、あくまで時計と相談した上で後半ATの交代だったのだから。

交代カードが限定的だったのは確実にコンディションの問題。チャイニーズ・タイペイ戦で中盤がまったくといっていいほど動けなかったことや追加招集選手にもけが人が出たことは、オフ明けで各チーム始動前の状態から無理やりトップフォームへ上げようとした際の負荷が考えられる。Jリーグでも過去にACLプレーオフ組けが人続出問題が出ていたのだから(今も?)、プロ化1年目でキレを維持するオフの過ごし方など想像もつかないだろう。そこまでストイックになって初めてプロなのか、オフなのだからとそれも自由とするかには正解はないと思う。代表活動だけがサッカーではない。

内容面で充実してくると、やはりさらに強豪に位置するチームとの対戦が望まれる。それも良コンディションで。地理的に親善試合として数日だけ呼ぶのではどうしても難しいのだが……。一個人としては欧州勢を国内で見たい欲があって、大体どの国がきてもサインやセルフィ―を求めたい選手がいる。コロナだから今は無理だけど。

余談:1週間で鹿島往復+2試合座り×3はなかなか尻にこたえた。

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